京都には、老舗の名店から話題の最新スポットまで、さまざまなお店が軒を連ねています。新店舗のオープンや限定メニューなど、気になる情報が多すぎて、どこに行こうか迷ってしまうこともありますよね。
そんなときに参考にしたいのが、やはり地元の人の声! 連載『きょうとくらすユーザーが選んだ〇〇』では、『きょうとくらす』ユーザーが実際に訪れて「よかった!」と感じたスポットやグルメをご紹介していきます。
今回のテーマは、“京都でおすすめのスイーツ”! 和菓子を愛するライター・ノクオが、名物の餅菓子を昔ながらの製法を守って作り続けている『御菓子司 中村軒』をご紹介します。
桂離宮のそばで140年以上

八条宮家の別荘として初代智仁親王により創設され、現在は宮内庁により管理されている『桂離宮』。その南側、すぐそばで明治16年より140年以上にも渡って営業してきた和菓子店が『御菓子司 中村軒』です。
八条通りから桂川を渡った場所、市バス・桂離宮前からすぐ、もしくは阪急・桂駅東口から徒歩約15分のところにお店はあります。駐車場は周辺4カ所に分かれて計20台分、自転車・バイク置き場も近くに用意されています。
お持ち帰りの購入ができる店先を抜けて、今回は茶店にお邪魔しました。

他のお客さんで1階の席は埋まっていたので、階段で2階へ。木の温かみと趣きを感じられる内観が広がります。

上がって右側から後ろには、お店の前の通りを上から眺められるカウンター席とテーブル席。梁や吊るされた照明の演出が渋くて良いですね。

奥にも4人掛けのテーブル席が数席。空間に余裕を持たせて席が用意されているので、ゆっくり落ち着いて食事できますね。
昔も今も変わらない、名物「麦代餅」

カウンター席に座り、名物『麦代餅(むぎてもち)』(360円)と『水出し煎茶』(400円)を注文。しばらく通りを眺めて待っていると、美しく盛られて運ばれてきました。
『麦代餅』という名前は、かつて農家の間食として渡されていた餅菓子と麦とを物々交換していたことから名付けられたんだそう。現在でも、昔ながらのおくどさん(かまど)で国産あずきをじっくり炊き上げ、出来た粒あんをつきたてのお餅で包み、最後にきな粉をかけて仕上げられています。
満足感たっぷりの大きさ。茶店のメニューにはありませんが、「量は少しで良い」という方向けに『ミニ麦代餅』を買って帰ることもできますよ。

甘味と渋みをすっきりと感じられる煎茶を一口飲んで、いよいよ『麦代餅』をいただきます。
串を刺して持ち上げてみると、お餅の弾力と重量感がすごい! お手拭きもあるので、一口サイズに串で切ったり持ち上げたりしにくい場合は、最初だけ手で持っていただいてもいいかもしれません。

一口いただくと、素朴でどこか懐かしい味に「そう、コレコレ!」とホッとします。
包まれたお餅をめくると、中にはこだわりの粒あんがぎっしり。弾力があってほのかに甘いお餅、あずきの味を感じられる粒あん、上にかかったきな粉が絶妙なバランスです。全体が自然な甘さに加減されているので、飽きが来ず何個でもいただけそう。
代々この味を守ってきてくれたお店の方々に感謝です。
座敷やおむつ替えスペースも◎

1階は段差がなくベビーカーのまま入ることができ、たたんで席の横に置いておくことも。テーブル以外に座敷の個室席も1つあるので、子ども連れでも安心して来店できますね。

さらに、1階奥のトイレ横にはオムツ替えをできるスペースもありました。老舗の和菓子店でありながら、お客さん目線のサービスが整っているのが素敵です。
どの世代も家族で気軽に来店できるので、子どもは幼い頃から和菓子を身近に感じられますね。
店舗詳細
御菓子司 中村軒
住所:京都府京都市西京区桂浅原町61
電話番号:075-381-2650
営業時間:10:00~17:00
定休日:水曜日 ※祝日の場合は営業
ライター・ノクオのひとこと
紹介した『麦代餅』はもちろん、もうひとつの名物『かつら饅頭』や季節の生菓子、飲み物も充実していて、いつ訪れても満足できる和菓子店です。今は亡き筆者の祖父も贔屓にしていたように、世代を超えて愛されるのも納得でした。
今回うかがった茶店は、外観や内装、店員の方々の温かみといい、風情を感じつつも落ち着ける空間です。近辺にお越しの際は桂離宮と合わせて、もしくはこちらだけでも立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
これまでにご紹介した『きょうとくらすユーザーが選んだ〇〇』はこちら!文/ノクオ
【画像】ノクオ
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