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特大の一粒「するがや祇園下里の大つゝ」が帰ってきた【京都市東山区】

一粒が大きい……子どもなら、口が半開きになってしまうほどの存在感がある『するがや祇園下里』の飴『大つゝ(おおつつ)』。昔から京都の舞妓さんや、芸事に従事する人たちに愛されています。

2023年8月、この飴が再び祇園の街に帰ってきました。

半世紀たっても忘れられない

画像:きょうとくらす編集部

『するがや祇園下里』は、文政元年(1818年)に創業。徳川家への献上品として、お菓子を納めることを許された総本家駿河屋から『練羊羹』の作り方を伝授され、お菓子を作ってきました。

三代目が八坂神社の境内で売られていた『かんかん飴』にヒントを得て飴菓子を作り始めてから、飴菓子も『するがや祇園下里』の看板商品となっています。

画像:きょうとくらす編集部

「先日も70代くらいのお客さまが、“私が嫁ぐ前に、ここのお菓子を食べて、その味が忘れられなかった”と言ってくださいました」と半世紀ぶりに店を訪ねてきてくれたことを、7代目当主の井上真由美さんは、嬉しそうに話してくれました。

井上さんが店を再創業したのは今年。2021年に一度閉店した店を立て直したのは、井上さんが幼い頃、祖父母やお菓子を作っている職人さんに可愛がってもらった思い出が残っていたからです。

あのカタチで思い出してほしい

画像:きょうとくらす編集部

店を閉めていた2年半、これまでお菓子を取り扱ってもらっていた百貨店や、お土産屋さんから『するがや祇園下里』のお菓子が姿を消しました。

7代目は、パッケージをほとんど変えず、「あ!これや」と思い出してもらえるように、昔ながらの箱の絵柄を残すことにしました。今では包装資材の値段が高騰しているので、昔からの包み方を維持する方がコストがかかることも。

「お菓子は人に贈ることが多いからこそ、礼儀をもって包む文化がありますね」と話す井上さん。
菓子箱の表に付いている小さな『熨斗(のし)』は、井上さんがやっとのことで見つけた一品。
受取った人もピリリと背筋が伸びそうです。

画像:きょうとくらす編集部

手間でも美味しさのために丁寧に一つずつ

銘菓『大つゝ(おおつつ)』は、直径1.5cmほどの飴に、薄いせんべいがクルクルと巻かれたお菓子です。

「この飴は金太郎あめのように長い飴の棒を切って完成させているのではない」と言われると驚く方も多いのではないでしょうか?

画像:するがや祇園下里Instagram

一度、飴を煮詰めた後、棒の形に伸ばし一口サイズに切りそろえます。飴はすぐに固まってしまうので、時間との勝負です。その後、鉄板に薄く伸ばした小麦のせんべい生地の上に飴を一つ一つ置いて巻いていきます。

一粒ずつ愛情込めて、お口に広がる幸せを作っているのですね。

旅の合間にちょっと一息

画像:きょうとくらす編集部

7代目になった井上さんが始めたのは、『ひやしあめ』のテイクアウト。ひやしあめは関西を中心に飲まれる飲み物で、麦芽飴をお湯で溶いて、生姜の絞り汁を加えて冷やした、冷たい飲み物です。

『するがや祇園下里』がつくる『ひやしあめ』は、麦芽飴と砂糖を煮詰め、さっと生姜のしぼり汁を効かせた素朴な味わいです。『ひやしあめ』の黄金の色は、麦芽の色です。テイクアウトメニューでは、この『ひやしあめ』の原液を使用した、『ひやしあめ/あめ湯』(400円)、『ひやしあめソーダ』(500円)、『ひやしあめハイボール』(800円)など、様々なフレーバーが楽しめます。

画像:きょうとくらす編集部

また、『ひとくち最中』(1個 160円)や、『ひやしあめ』で作ったアイスクリームは、季節を問わず人気の商品です。

暮らしの文化を後の世に伝えて

画像:きょうとくらす編集部

『するがや祇園下里』の建物は、京都市登録有形文化財に指定されています。明治28年(1895年)にお茶屋として建てられ、花街のもてなしの場として歴史を刻んできました。

お客さんが入れるのは、玄関から入ってすぐの“店(見世)”の部分ですが、井上さんはこの建物の良さを活かして、今後は他の部屋を茶道など文化を伝える場にしていくことも考えているそうです。

今回ご紹介した『するがや祇園下里』の最新情報はInstagram(@gion.shimosato)でチェックしてみてください。

【店舗詳細】
するがや祇園下里
住所:京都府京都市東山区八坂新地末吉町79-80
電話番号:075-561-1960
営業時間:11:00~18:00
定休日:水曜日

文/きょうとくらす編集部

【画像・参考】きょうとくらす編集部/するがや祇園下里Instagram 
※この記事は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にお問い合わせください。