世代を超えて愛される老舗あんこ屋「中村製餡所」／上京区

「京都には人におすすめしたくなるようなスイーツがいっぱいありますよね。

連載『きょうとのスイーツとくらす』では、きょうとくらすのライターが「ぜひ一度食べてみてほしい！」とみなさんにおすすめしたいスイーツをPICK UP！

今回は、ライター・ミヤザキカレンダーがおすすめする、100年以上にわたり“豆の味わいを生かすあんづくりを”続けてきた『中村製餡所』をご紹介します。京都で暮らす人々の暮らしに欠かせない和菓子。その味を支えるのが“あん”の魅力をお伝えします！

歴史を刻む素朴で味わい深い外観

市バス・北野天満宮駅から徒歩約5分の場所にある『中村製餡所』は、明治41年（1908年）の創業以来、“豆の味わいを生かすあんづくり”を続けています。

あん好きにはたまらないこだわりのつぶあん

中村製餡所のあんの魅力は、何よりも豆へのこだわりにあります。

砂糖は主張を抑えたシンプルなグラニュー糖を使用し、あくまでも“豆そのもの”を主役に。炊き上げられたあんは、素朴でありながらも奥深い味わいを楽しませてくれます。

見た目がキュートで香ばしく軽やかな食感のもなかの皮

看板商品の『あんこ屋さんのもなかセット』（1,500円）。同店のもなかセットは、餡と皮が別々になっているのが特徴です。香ばしい最中の皮と、つぶあんを好きなだけ詰めて楽しめると評判で、地元の方はもちろん、遠方から足を運ぶ人も絶えないそう。

今回は、ほうじ茶の皮が半分入っている『ほうじMIX』にしました。

アレンジを楽しめるのも嬉しいもなかセット

香ばしい最中の皮に餡をはさむだけでなく、アイスやフルーツを組み合わせて、自由にアレンジして楽しむことができます。まず試していただきたいのは、王道のアレンジ。

バニラアイスをはさめば、クリーミーな甘さとあんのコクが見事に調和。抹茶アイスを合わせれば、濃厚な抹茶の苦みとあんのやさしい甘さが和のコラボレーションを奏でます。

マーマレードジャムをプラスすれば、柑橘の爽やかな香りとほろ苦さが広がり、新鮮な味わいに。また、クリームチーズを添えると、まろやかな酸味があんの甘さを引き立てて、まるで和洋折衷のデザートのような仕上がりになります。

自宅で色々試せるので、子どもとの楽しみにもぴったりです。いちごやバナナなどフルーツをはさめば、見た目も華やかで親子で一緒に作る楽しさも味わえますよ。最中のサクサク感とあんのやさしい甘さに、自分好みのひと工夫を加えるだけで手軽にオリジナルの和スイーツが完成します。ぜひ“我が家流”の楽しみ方を見つけてみてください。

持ち帰る姿も絵になる、可愛い手提げ袋

中村製餡所を訪れると、手にするだけで心が和むのが紙袋のデザインです。実はこのデザインを手がけたのは、店主の奥さまなんだそう。

無駄を削ぎ落としたシンプルなデザインは、老舗らしい上品さが感じられる仕上がりになっています。持ち帰るときの嬉しさはもちろん、ちょっとした贈り物として手渡す際にも、受け取った方の心を和ませてくれそうですね。

あんのおいしさだけでなく、こうした細やかな心配りに触れられるのも、中村製餡所の魅力のひとつ。
お店を訪れた際には、ぜひ紙袋のデザインにも目を留めてみてください。

ライター・ミヤザキカレンダーのひとこと

取材の際、ご主人は「実はあん好きの方は、そのままスプーンですくって召し上がるんですよ。」とにこやかに話してくださいました。また、夏休みの自由研究で“あん”をテーマに訪れた小学生もいるそう。「あんこは甘いもの」という固定観念をくつがえす、豆本来の旨みが生きた味わい。お近くに行かれた際は、ぜひ立ち寄ってみてくださいね。

詳細情報

中村製餡所
住所：京都府京都市上京区一条通御前西入大東町88
電話番号：075-461-4481
営業時間：8:00～17:00 ※売り切れ次第終了
定休日：水曜日、日曜日

連載『きょうとのスイーツとくらす』では、さまざまなスイーツを毎週金曜日20時にご紹介しています。これまでにご紹介したスイーツはこちらからチェック！

文／ミヤザキカレンダー

【画像】ミヤザキカレンダー
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