山歩(さんぽ)しよう！瓜生山(うりきゅう)篇～ハムさんの“アウトドアを楽しもう！”【きょうとくらすコラム】

京都は街から山や川が近く、お散歩したり、山に登ってリフレッシュするのにぴったりな場所です。アウトドアで京都の自然を味わってみませんか？

きょうとくらすでは毎月一回、アウトドアの達人で花背山の家 顧問 安田公一が、アウトドア初心者から、もっともっと楽しみたい人に向けて、ちょっとしたコツや奥深い魅力をお伝えします。今回は、初心者でも始めやすい京都の山歩きスポットをご紹介します。

瓜生山

今回は、瓜生山に登ってきました。
この山は牛頭天王(ごずてんのう)が、胡瓜(きゅうり)を好んだことから瓜生山と名付けられました。
瓜生山は別名で勝軍地蔵山ともいわれており、また古くは白川山とも呼ばれ、「将軍山」という山頂も存在します。別名が多い山であるのは、言い伝えや史跡や歴史上にかかわり深い山だからです。

また、江戸時代に白幽子(はくゆうし)という実在した人物が存在し、山中の岩窟に住み金剛経を読み、数百年生きた「白川の仙人」との言い伝えがあるようで、仙人の住む山でその仙人から病気の治療を伝達されて、病気を治した人たちがいたそうです。

比叡山から稲荷山に続く東山三十六峰の一つであり、景色を楽しむというより神霊や歴史を感じながら登る山です。仙人伝説や京都にとって重要な軍事の拠点であったことなどに思いをはせながら登ってみてください。

登り口

この山の登り口はバプテスト病院正面の横(右側)から進むのが一番わかりやすく、迷いにくいと思います。頂上までは1本道で、途中にある茶山を通りさらに上に向かいます。下に行けば北白川に下り、瓜生山頂上にはゆっくりと1時間ほどで登頂です。
頂上から比叡山に向かうコースもチャレンジできますが、おすすめは頂上から少し下りた分かれ道を狸谷山不動院に向かうコースです。
道中には、たくさんの三十六の童子(仏の王子)が迎えてくれます。「タヌキダニのお不動さん」の名で親しまれていて宮本武蔵ゆかりの武蔵の滝や、洞窟の中の不動明王は必ず見てください。
特徴としては、とにかく眼光が鋭くこの目で睨まれると全て見透かされているような気になります。
少し前かがみになったお姿も、今にも動き出しそうな雰囲気です。

持ち物

両手が空くようにリュックを背負ってください（クマよけの鈴をつけておく）、飲み物、タオル、弁当、飴やチョコレート、タオル、帽子、軍手、防寒具、雨具、携帯電話、登山地図、ゴミ袋、救急セット、自分が必要と思うもの。

出発時間や所要時間

10時 バプテスト病院(バス停 北白川仕伏町) 出発
11時頃 頂上 到着
12時頃 狸谷山不動院 到着
13時 市バス一乗寺下り松駅出発
※個人の体力によって山歩の時間に差はあります。

注意点

狸谷山不動院の舞台や洞窟の不動明王見学は、拝観料500円が必要です。狸谷山不動院から下りる場合は、急な下り階段ですから滑るのに気を付けてください。

安田 公一（やすだ　こういち）花背山の家 顧問　通称：ハムさん

京都市立学校教員として勤務した後、平成７年～１０年文部科学省よりシンガポール日本人学校に海外派遣主任教員として赴任。小学生からボーイスカウト活動を行い、海外初のボーイスカウト日本連盟隊を結成、初代国際隊長。帰国後、平成１０年京都市教育委員会 花背山の家 指導主事、首席指導主事、課長、所長、2024年４月より顧問。佛教大学教育学部 特任教授として野外教育を広める。文科省　中教審　体験活動委員会委員。教育学修士（心理学）、バレーボール国際コーチ、京都府成年男子バレーボールチーム監督、趣味はバンド活動（ドラム）ライブで活動中。

文／安田公一

【画像】安田公一