「頑張りすぎないマネープランで夢の実現を!」がモットーのCFP(R)認定者(ファイナンシャル・プランナー)・八束和音です。
連載『FP八束の「お金とくらす」』では、子育て世帯が知っておきたい“お金にまつわる知識や情報”をご紹介します。
ピアノやスイミング、バレエに学習塾……。子どもの成長とともに習い事を始めたり、通塾を検討するパパ・ママも多いのではないでしょうか。「子どもには、できるだけたくさんの経験をさせたい」と考える方も多いかも。しかし、あれもこれもと手を出しすぎると負担が大きくなるため、適正な水準に抑える工夫も必要です。
そこで今回は、習い事や通塾などにかかるお金についてお話します。ぜひチェックしてみてくださいね。
子どもの塾や習い事等にかかる費用

「みんな、どれくらい塾や習い事にお金をかけているの?」という慰問を持つパパ・ママも多いのではないでしょうか。下記のデータは、学年別の通信教育や学習塾などの“補助学習費”と、スポーツや芸術・文化活動などの“学校外活動費”に年間いくら負担しているのかを、公立・私立ごとに調べたものです。
公立なのか私立なのかによっても平均の負担額は異なりますが、学年が上がるほどその合計額が高くなる傾向にあることがわかります。また、その中でも特に、塾代などの“補助学習費”にかける費用が大きくなる傾向に。成長とともに負担が増えることもあらかじめ想定して、少し余力を持たせた金額の範囲に抑えておく……というのがポイントといえるかもしれませんね。

習い事にかける費用の目安

「幼少期の習い事には、どれくらいお金をかけていいの?」と気になる人もいるのでは。国から支給される児童手当の全てを子どもの習い事に……という家庭もありますが、大学や専門学校などへの進学を考えているなら、このお金は進学時までキープしておきたいもの。このような場合、児童手当には手をつけず貯蓄に回せると安心です。
では、児童手当に手を付けないということを前提にするなら、習い事にかける一般的な目安は手取り収入の5%程度といえます。子どもの数によっても変わりますが、手取り月収が30万円の家庭なら1万5千円が適正金額となります。あくまでも目安ではありますが「3つも4つも習い事をさせる」というのは、なかなかハードルが高そう。“子どもが本当に好きなものは何か”を見極めて絞り込むというのも大切な視点です。
将来のために用意しておきたい金額

子どもに中学受験をさせたい家庭の場合は、4年生ぐらいから通塾させるケースが多いです。塾代だけで年間200~300万円ほどかかるといわれているため、あらかじめ準備しておく必要があります。また、公立中学に進む場合には、高校受験が必須。実際に先ほどのデータでも、公立中学3年生の補助学習費は月3万円以上にもなり、かなりの金額であることがわかります。

将来、塾や習い事のお金がどれだけ必要になるのかは、進路や子どもの成績によっても大きく変わるため予測が難しいのですが、家庭である程度の方針を決めた上で早い時期から計画を立てておくのが理想的です。「お金がかかるようになったら考えよう」ではなく、子どもが小さいうちからコツコツ準備を進めていきましょう。
「子どもの未来をできるだけ豊かなものにしたい」というのは、多くのパパ・ママに共通の想いですが、無尽蔵に習い事などにお金を使ってしまうのは避けたいところ。幼少期にお金をかけすぎて息切れすることのないよう、適切な支出を心がけて下さいね。
関連記事:【FPが解説】子どもに教えておくべき「お金のこと」3つ文/八束和音(CFP認定者)
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