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子育て世帯が知っておきたい「教育資金を貯蓄する時期と目指したい貯蓄額」【FPが解説】

「頑張りすぎないマネープランで夢の実現を!」がモットーのCFP(R)認定者(ファイナンシャル・プランナー)・八束和音です。

連載『FP八束の「お金とくらす」』では、子育て世帯が知っておきたい“お金にまつわる知識や情報”をご紹介します。

近年、“児童手当の期間延長”や“高校無償化”など、子育て世帯へのバックアップは充実する傾向にあります。しかし、大学進学の費用は大きく、塾通いなどが本格化する前に準備を進めておきたいもの。そこで、“いつまでにいくら準備すればいいのか”を、FPである筆者が解説します。

大学でかかる費用はどれぐらい?

4年間で大学を卒業した場合に、授業料等にかかる費用をみてみましょう。国公立なのか私立なのか、また私立に進学する場合、どのような学部を選ぶのかによっても金額が異なりますが、だいたい下記の金額となります。

国立大学の授業料の表
表:きょうとくらす編集部

また、国立大学は上の表の授業料よりも最大2割引き上げることが可能で、授業料を見直す大学も増えていることには注意が必要です。

私立大学の初年度納付金の表
表:きょうとくらす編集部

表の数字から私立の文系学部に進学し、1年目は入学料、授業料、施設準備費、2年目から4年目までは入学料を除いた金額を納めると見込むと4年間で約411万円。理系学部の場合は約542万円かかります。

文系か理系かによっても1年間の授業料分以上の差があります。「絶対に子どもには医師になってもらいたい……!」といった特別な事情がないなら、全平均を目安に考えてみてください。約474万円になるので、4年間でだいたい500万円が必要とイメージしておくといいでしょう。

教育資金を貯めるのにおすすめの時期

家族
画像:polkadot_photo/Shutterstock

教育費を最も貯めやすいのは、子どもが小学校高学年になる前、3~4年生ぐらいまでの時期です。高学年になると、習い事や塾などの支出が増えることが多いので、この“貯めどき”は逃したくないですよね。「小さい間にできるだけたくさんの経験をさせたい」というパパ・ママも多いのですが、貯金のことを考えるなら幼少期の習い事などは増やしすぎないよう注意しましょう。

また、「子どもが小学校に上がるまでにはマイホームを……」という子育て世帯も多いですよね。その場合は、子どもの教育費も考慮して、少し余力を持たせた資金計画を立ててください。マイホーム購入後も子ども1人につき月1万円以上を貯蓄ができる家計が理想です。

目指したい貯蓄額

お金と通帳
画像:Bowonpat Sakaew/Shutterstock

では、具体的に大学進学時までにいくら準備するといいのでしょうか。“学費全額”というのが理想ですが、少なくとも4年間の費用の3分の2をクリアしておくといいでしょう。総額を500万円と見積もると、約333万円が目標額になります。

高校卒業まで支給される“児童手当”は、生まれ月によって総額が異なりますが、最も少なくても総額234万円に。このお金を全額貯蓄すれば目標額との差は100万円程度です。この100万円程度を小学校4年生までに、準備することをまずは目指してみましょう。比較的お金がかからない未就学児の間は月1万円、小学校1年生か〜4年生までは月5千円を児童手当と合わせて貯めることができれば、ほとんどクリアできる計算になります。

しかし、「そんな余裕はない!」という家庭もありますよね。その場合には“小学校卒業まで”、“中学校卒業まで”といったように、もう少し長い期間で考えてみてください。大事なのは目標に向けてしっかりと計画を立てること。進学時に慌てなくてすむよう、子どもが生まれた時からしっかりと準備を進めてくださいね。

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文/八束和音(CFP認定者)

【画像】きょうとくらす編集部/Shutterstock:polkadot_photo/Bowonpat Sakaew/mapo_japan