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親ができるお金の教育とは? 「自立に向けた金銭感覚の育て方」【FPが解説】

「頑張りすぎないマネープランで夢の実現を!」がモットーのCFP(R)認定者(ファイナンシャル・プランナー)・八束和音です。

連載『FP八束の「お金とくらす」』では、子育て世帯が知っておきたい“お金にまつわる知識や情報”をご紹介します。

「お金と賢く付き合って、将来しっかり自立してほしい」というのは、子どもを持つ親にとって共通した思いではないでしょうか。

そこで、今回は自立に向けて家庭でできる“金銭感覚”の育て方についてお伝えします。

なぜお金の教育が必要なのか?

クレジットカードを見る親子
画像:Chay_Tee/Shutterstock

なぜ今の時代、“家庭でお金の教育”が必要なのでしょうか。私たちのお金を取り巻く環境は年々大きく変化しています。“キャッシュレス化”が進み、現金に触れずに買い物ができるようになりましたね。

また、ネットショッピングなども身近になり、リアルな“お金”が見えにくくなっています。子どもたちがトラブルに巻き込まれないためにも、しっかりと金銭感覚を身に着けることが今の時代は求められています。

2022年4月から学校での『金融経済教育』が義務化され、学校でお金について学ぶ機会は少しずつ増えてはいますが、十分な時間が確保されているとはいえません。特に幼少期の教育については、各家庭に求められています。その他の学習と同様に、少しずつ段階を踏んでステップアップしていくのが理想です。

親子でできるお金の学び

画像:mapo_japan/Shutterstock

子どもにまず伝えていきたいのが、“使えるお金には限りがある”ということ。例えば、小さな子どもと買い物に行き、晩御飯の材料を予算内で買うことにトライさせてみるというのも一つの方法。毎日というわけにはいきませんが、1か月に一度は親子でゆっくり買い物をして“お金の使い方を学ぶ”というのも良いですね。

また“優先順位をつけること”も、教えておきたい大事なポイント。お金の使い道にはないと困ってしまうものである“ニーズ”と、必要不可欠ではないけれどもあったらうれしいものの“ウォンツ”の2つがあり、実際にお金を使う前に子どもに分類させてみるのもおすすめです。

さらに、お金は使うだけでなく貯めることで将来に備えたり、寄付をすることで世の中を良くしたり、さまざまな使い道があることも伝えてみましょう。

年齢別 お金の教育のステップ

子どもの成長にもよりますが、年齢ごとに以下のようなことがポイントになります。

幼児期(3~6歳) 

お小遣いをもらう少女
画像:yamasan0708/Shutterstock

お金の種類や使い方といった基本的なことを教える時期。この年齢なら絶対にこれをマスターするべきといったものは特にありませんが、“お金”に興味を持ちはじめた時から教育をはじめましょう。

小学生

通帳を確認する女の子
画像:takayuki/Shutterstock

学年に応じた適切な金額のおこづかいを与え、その中でやりくりすることを学ぶ時期。また、子どもだけで遊ぶ機会も増えるので、「お金の貸し借りはしない」「おごってもらうのは禁止」など、しっかりとルールを設定しておくことも大切です。

中学生

画像:years44/Shutterstock

中学生になると扱うお金も大きくなるため、お金の管理をマスターさせましょう。収入・支出の記帳や、携帯を持っているなら家計簿アプリを活用する方法も。また、キャッシュレスを利用の際に、使いすぎを防ぐ工夫なども親子で考えてみましょう。

高校生

画像:west_photo/Shutterstock

高校生になると、アルバイトを始める子どもも。学業に支障をきたさないことが大前提ですが、働いてお金を得るのは“お金の大切さ”を学ぶとても貴重な経験です。金遣いが荒く生活が派手になることがないかどうか目配りをしながら、子どものお金の使い方を見守っていきましょう。

FP八束のひとこと

お金とのつきあい方は、各々の性格や家庭の価値観によっても大きく変わります。自立を目指す上で徹底すべきルールや“賢くお金とつきあう知恵”を、各家庭の状況や子どもの成長に合わせて伝えていって下さいね。

関連記事:【FPが解説】子どもに教えておくべき「お金のこと」3つ

文/八束和音(CFP認定者)

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