コロナ禍で人気に火が点いたものの一つと言えば……アウトドアですよね。密を避け、自然豊かな場所に出かけ、キャンプやバーベキューを楽しんで、ハマったという方も多いのではないでしょうか?
ソロで、ファミリーで、仲間同士で……楽しみ方もそれぞれですが、きょうとくらすでは毎月一回、アウトドアの達人、『花背山の家』の所長・安田公一のコラムをお送りします。
このコラムでは、通称“ハムさん”こと安田所長がアウトドア初心者から、もっともっと楽しみたい人に向けて、ちょっとしたコツや奥深い魅力をお伝えします。初回となる今回のテーマは“はじめての野外活動”です。
「初めての野外炊事をしませんか」ひとりだけでも大丈夫です。持ち物は軍手のみ。日帰りです。
『花背山の家』とは京都市左京区花背の山間に位置し、京都市教育委員会の野外活動をする教育施設です。小学生の子どもたちが長期宿泊自然体験(3泊~5泊)をすることで全国的に有名になった600名収容の施設です。
今はコロナの影響で泊数を縮小して2泊3日で小学5年生が体験しています。平日は3校が入替わり、毎日子どもたちの歓声で賑わっています。
土日や夏休みなどは一般開放して野外活動の楽しさを市民に広めています。その催しのひとつが『初めての野外炊事体験』です。
今回の『初めての野外炊事体験』は、7家族19人が参加。
メニューは豚汁、ご飯、鶏肉とフランクフルト、エリンギ、玉ねぎのホイル焼きです。
まずは火をつけることから始めます。ライターやマッチ、ファイヤースターターなどではなく、『まいぎり式』の火おこしで火を点けます。木と木がこすり合わされて煙が出てきます。
さらにこすりつけると火種が出ます。それをほぐした麻ひもに投じて火にします。ろうそくに移して火を保ちます。
次に人参、大根、白菜、こんにゃく、ネギ、油揚、豚を鍋に入れて味噌を水に溶かして火にかけます。初めての野外炊事は全て材料を入れて煮込むことが成功の秘訣。
カレー、すき焼き風煮、ハヤシ、クリームシチューなどが定番メニューです。ネタバレをしますが、家庭用コンロとは違い、薪の火力で煮込めばとても美味しく仕上がります。もちろん自然の中で美しい景色を見ながら食べるのは最高です。
ご飯を炊く水の量は米から指の第2関節まで浸すぐらいでOK。ホイル焼きは材料を食べやすいサイズに切り、ホイルに巻いてかまどに置いておきます。
ご飯が炊けてくると蓋がコトコトと吹き上がってきます。そうすると“もうすぐですよ”の合図です。コトコトが無くなれば完成! 豚汁もホイル焼きも完成しました。
参加された皆さんは、熱々の豚汁やふっくら仕上のご飯と鶏風味ホイル焼きをおいしそうに食べていました。初めての野外炊事に最高に満足げな表情が満ち溢れていました。
自然大好きフェスティバル 参加者募集
様々な自然体験やワークショップを開催。詳しくは花背山の家ホームページ(http://web.kyoto-inet.or.jp/org/hanasell/)でご確認ください。
【詳細情報】
開催日時:2023年10月28日(土)10:00~16:00(日帰り)
開催場所:京都府京都市左京区花脊別所町399 花背山の家
募集人数:1,000人※中学生以下は保護者同伴・申込多数の場合は抽選
申込締切:2023年年9月25日(月)必着
安田 公一(やすだ こういち)花脊山の家 所長 通称:ハムさん
小学校5年生から大学生までボーイスカウト活動を行う。京都市立学校教員として勤務(中川小・嵯峨小・室町小)、平成7年~10年文部科学省に出向後、シンガポール日本人学校に海外派遣主任教員として赴任。海外初のボーイスカウト日本連盟初代国際隊長。帰国後、平成10年京都市教育委員会花背山の家指導主事、首席指導主事、事業課長、同27年所長として現在に至る。平成28年文科省中教審体験活動検討委員会委員を務める。教育学修士(心理学)、バレーボール国際コーチ。京都成年男子バレー国体チーム監督。3年連続国体出場。昨年5位入賞。趣味はバンド活動(ドラム)ライブで活動中。
文/安田公一
【画像】花脊山の家