長岡天満宮の大鳥居
お出かけ・買い物

細川幽斎・古今伝授ゆかりの地「勝龍寺城」「長岡天満宮」【長岡京市】

KBS京都で放送中の『京都浪漫~悠久の物語~』。
今回は、2023年12月3日(日)に放送された『天才武将に思いを馳せる旅~長岡天満宮・桂林寺・天授庵・舞鶴公園~』から勝龍寺城・長岡天満宮をご紹介します。

細川幽斎と勝龍寺城の繋がり

細川藤孝_肖像画
画像:KBS京都『京都浪漫 悠久の物語』

細川藤孝(幽斎)は室町時代の末、足利将軍家に仕えた戦国武将。盟友・明智光秀とともに数々の武功を挙げ、元亀4年(1573年)からは織田信長に仕えました。

勝竜寺城公園
画像:KBS京都『京都浪漫 悠久の物語』

その頃の居城となったのが、長岡京市にあった『勝龍寺城』です。現在は『勝竜寺城公園』として整備されています。

勝竜寺城公園アクセス
画像:KBS京都『京都浪漫 悠久の物語』

勝竜寺城公園までは、JR京都線『長岡京』駅から、徒歩およそ10分。『勝竜寺城公園前』のバス停からは歩いてすぐです。

細川幽斎の肖像画
画像:KBS京都『京都浪漫 悠久の物語』

勝龍寺城で過ごした時代、幽斎にとってとりわけ大きな出来事が、城の天守で行われた『古今伝授』です。およそ1年半の歳月をかけて、和歌の師匠・三条西実枝(さねき)より、古今和歌集の解釈などの講義を受けた幽斎は、天正2年(1574年)、秘伝を記した切紙(資料)を授かり、伝授を完了しました。

そのとき幽斎は40歳。同時代ではただ一人の、名誉ある『古今伝授』の継承者となったのです。

古今伝授の説明
画像:KBS京都『京都浪漫 悠久の物語』

『古今伝授』とは、平安時代に作られた日本最初の勅撰和歌集『古今和歌集』の内容や解釈などを歌道の師から弟子へ伝授することです。現在の私たちが想像する以上に、重要で権威あるものだったといいます。

『古今伝授』継承者の解説
画像:KBS京都『京都浪漫 悠久の物語』

『古今伝授』の継承者、三条西家の当主・実枝は、長男である三条西公国に伝授するつもりでした。しかし、公国がまだ若かったため、いったん弟子の細川幽斎に『古今伝授』を授け、「時が来たら三条西家に伝え返してもらいたい」と頼んだそうです。

もうひとつの古今伝授ゆかりの地「長岡天満宮」

長岡天満宮
画像:KBS京都『京都浪漫 悠久の物語』

京都府長岡京市には、勝龍寺城のほかにもう一つ『古今伝授』ゆかりの地があります。それが、『長岡天満宮』です。菅原道真がよく訪れたというこの地に、道真自作の木像を祀ったのが始まりと伝わります。

長岡天満宮アクセス
画像:KBS京都『京都浪漫 悠久の物語』

長岡天満宮までは、阪急京都線『長岡天神』駅から徒歩およそ10分、JR京都線『長岡京』駅から徒歩およそ20分。阪急バス『開田』のバス停からは徒歩およそ5分です。

長岡天満宮の大鳥居
画像:KBS京都『京都浪漫 悠久の物語』

西国街道から北に延びる丹波街道に面して建つ大鳥居は、総御影石造りです。高さおよそ10mにも及びます。

キリシマツツジ
画像:KBS京都『京都浪漫 悠久の物語』

池を二分する中堤は参道として使われており、毎年4月下旬に満開を迎えるキリシマツツジの名所として知られています。

弁天池
画像:KBS京都『京都浪漫 悠久の物語』

境内への石段を登っていくと、右側に『錦景園』の入り口があります。平成19年(2007年)に完成した『錦景園』は、中央に通称『弁天池』を配した紅葉庭園。地形を利用して滝が作られており、その滝の周りにはおよそ100本のモミジが植えられています。毎年11月下旬にはライトアップも行われ、紅葉の名所にもなっています。

長岡天満宮の詳しい創立年についての説明
画像:KBS京都『京都浪漫 悠久の物語』

長岡天満宮の詳しい創立年は不明ですが、応仁の乱で社殿が焼失し、明応7年(1498年)に再建された記録が残っています。戦国時代の13年間、勝龍寺城を居城とした細川幽斎も訪れていたことでしょう。

境内の中心となる社殿の手前にある拝殿
画像:KBS京都『京都浪漫 悠久の物語』

境内の中心となる社殿は、手前に拝殿があります。奥に位置する本殿は、昭和16年(1941年)に京都・平安神宮から移築されたものです。

境内の梅の花が咲いている
画像:KBS京都『京都浪漫 悠久の物語』

梅を愛した菅原道真を祀ることから、毎年3月には梅花祭が行われ、境内にはおよそ300本の梅が咲き誇ります。

『古今伝授』の相伝についての説明
画像:KBS京都『京都浪漫 悠久の物語』

長岡天満宮がなぜ、古今伝授ゆかりの地なのかというと、細川幽斎は約束通り、実枝の長男・三条西公国に『古今伝授』を授けました。ところが、公国は32歳という若さで亡くなってしまったのです。そこで幽斎は、自らの弟子の一人・八条宮智仁親王に『古今伝授』を授けることにしました。

開田御茶屋の跡地
画像:KBS京都『京都浪漫 悠久の物語』

長岡天満宮のあるこの地は、八条宮家の領地でした。幽斎が『古今伝授』を授けた京都御所近くの学問所が後に長岡の八条ヶ池のほとりに移築され『開田御茶屋』と呼ばれるようになりました。この地が選ばれたのは、幽斎ゆかりの勝龍寺城を望むことができたからと考えられています。

戦国武将でもあり、『古今伝授』の継承者でもあった細川幽斎のゆかりの地を、ぜひ訪ねてみてはいかがでしょうか。

関連記事:これまでの『京都浪漫~悠久の物語~』の記事はこちらをチェック

文/西門

【画像・参考】京都浪漫~悠久の物語~(第1・2週 日曜日 21:00~21:55/再放送 第3・4週 日曜日 21:00~21:55) – KBS京都
※この記事は、2023年12月3日(日)放送時点の情報です。