400か所以上の観光地を熟知“京都オタク”が魅力を伝える「観光ガイド」

KBS京都で放送中の『谷口流々』。
谷口キヨコが、京都を中心に活躍する人々の仕事現場に足を運び、十人十色の人生哲学を紐解いていきます。
2023年12月2日（土）の放送では、観光ガイドの吉村晋弥さんに話を伺いました。

Profile：観光ガイド・吉村晋弥さん

今回ご紹介する吉村さんは、気象予報士の資格を持つ京都オタクの観光ガイド。自ら足を運んだ観光スポットは、なんと400か所以上！

季節に合わせた京都の魅力を熟知しているため、その時に応じた観光スポットを提案してくれます。

天気と歴史に興味を持つ幼少期

岐阜で生まれ育った吉村さん。幼少期は天気に興味を持ったんだとか。天気予報を見て未来を予知できることに感動を覚え、小学生の前半まではその魅力に引き込まれていきました。

その後、今度は家で見つけた戦国武将の教養漫画をきっかけに、歴史に興味を持ち始めました。

岐阜にゆかりのある豊臣秀吉から始まり、歴史の世界へどっぷりとハマっていったと言います。

また、たまたま家の近くに古墳があったこともあり、古代の歴史や考古学にも興味が湧き始めます。

高校の進路では、考古学を選択して歴史の道へと進みました。

二度の挫折を経験

京都の大学に進学した吉村さんは、1年足らずで考古学には向いてないと悟り出します。絵が苦手だという吉村さんは、採掘した土器のスケッチや石工で復元することに苦痛を覚えたのだそうです。

残りの大学生活をどうしようと考えていたとき、たまたまテレビに出ていた気象予報士を見て「これだ！」と思い、大学2年生の春から独学で勉強をはじめ、3年生の秋に資格を取得しました。

資格取得が就職活動に間に合い、無事民間の気象会社に就職できた吉村さん。

しかし、あまりの激務に疲れ、10日間の休暇を取って京都へ。遊びにきただけのつもりでしたが、そこから京都の魅力にハマっていったそうです。

仕事に復帰後も合間を縫って京都へ足を運び、『京都検定』を受けて会社員ながら無事に2級を合格。

25歳で京都に二度目の移住を果たし、あちこち観光をしながら『京都検定』1級の勉強を始めました。

京都オタクの観光ガイドとは？

当時もっとも難しい回の合格率は1.8％という『京都検定』1級。吉村さんは3回目の受験でようやく合格しました。

そして、「自分みたいに激務な人など、癒しを求めている人にガイドしたい。京都の魅力をもっと広めたい」という思いから観光ガイドになることを決意。

会社員時代には、営業だけでなく総務や経理も担当して会社の仕組みを一通り知っていたこともあり、「失敗したらサラリーマンに戻ろう」という気持ちで、29歳のとき観光ツアー会社『京都旅屋』を立ち上げました。

少しずつリピーターが増え、起業して3～4年で会社は安定してきたのだそうです。

京都の知識がさらに深まってきた吉村さんは、『京都検定』1級に2回以上合格すると認定される『京都検定マイスター』にチャレンジ！

10回の合格を目指し、2023年12月現在8回の合格に成功しています。

12月上旬の京都おすすめスポット

吉村さんに12月上旬のイチオシスポットを尋ねると、嵯峨野エリアにある『宝筐院（ほうきょういん）』だそうです！　楓だけでなくドウダンツツジがグラデーションのように色づくんだとか。

また、嵐山周辺は朝から午前中に行くのがおすすめ。光が降り注ぎ、より絶景を堪能することができるのだそうです。

今後の目指す姿を尋ねると、「京都ファンが増えてくれたら嬉しい。自分を入り口によりディープな京都を皆さんに知っていただけば」と吉村さんは話しました。

吉村さんを表すことば

今回の“吉村さんを表すことば”は『沼の入り口』です。

一度ハマればとことん追求する吉村さんの観光に参加すれば、誰しも京都を好きになってしまうはず！　知らなかった京都の魅力に気づけるだけでなく、もしかすると、違う人生に出会えるかもしれませんね。

関連記事：これまでの「谷口流々」はこちら！

文／ｓｕｍｉｒｅ

【画像・参考】谷口流々（毎週土曜日9:30～10:00） – KBS京都
※この記事は、2023年12月2日（土）放送時点の情報です。最新の情報は各店舗・施設にお問い合わせください。