KBS京都で放送中の『京都浪漫~悠久の物語~』。
今回は、2023年12月10日(日)に放送された『京都八幡の歴史秘話~石清水八幡宮・松花堂庭園・神應寺・飛行神社~』から『飛行神社』をご紹介します。
空の安全と平安を願う「飛行神社」
京都府八幡市にある『飛行神社』は、日本で初めて飛行原理を発見した日本の航空界の先駆者・二宮忠八により創建された空の安全と平安を願う神社です。
境内に入るとすぐ目に入るのが、大きなガラスケースの中に展示されている『戦闘機 F104Jジェットエンジン』です。
空と飛行の神様として、天磐船(あまのいわふね)に乗って空を翔けたという饒速日命(にぎはやひのみこと)が祀られていることから、
神社には本物の航空機の部品も奉納され、至る所で航空機や、空を飛ぶ生き物をモチーフとした装飾を目にすることもできます。
飛行神社までは、京阪電車『石清水八幡宮』駅から徒歩およそ5分です。
飛行神社資料館も併設されており、受付がお守りや御朱印などの授与所にもなっています。
館内には、二宮忠八の功績も展示しています。
研究を重ね、最初に製作したのが『カラス型飛行器』です。飛行機を二宮忠八は最初“飛行器”と名付けました。固定翼のゴム動力で明治24年(1891年)、25歳のときに飛行を成功。これが日本初の飛行原理の発見とされています。
さらに、人が乗って飛べる飛行機を開発しようと、様々な鳥やトビウオなどを研究したそうです。そして、たどり着いたのが玉虫でした。
玉虫の羽を風が受けるような仕草を模して設計された『玉虫型飛行器』でしたが、軍へ上申するも却下され続けたそうです。退役してからも飛行機を作ろうとし続け、精米所を買い取って、八幡市に移り住みました。
三川合流地点の広い河川敷が滑走路になることと、精米所の発動機を動力として使えることが八幡市を選んだ理由とされています。
しかし、実物大の試作機の完成前、明治36年(1903年)にアメリカのライト兄弟が、有人飛行を世界で初めて成功。
「欧米追従の飛行機」と評されるのが嫌で、製作を断念しました。その後、飛行機の時代が訪れ、航空事故による死者が増えると、それを悼んで大正4年(1915年)、私財を投じ飛行神社を創建しました。
飛行神社の宮司・友田享さんは、「晩年には二宮忠八の研究は大きく評価されて“日本飛行機の父”と言われたり、“日本の真の飛行原理の発見者”とも言われています」と話します。
皆さんもぜひ一度、飛行神社に足を運んでみてください。二宮忠八をはじめとする多くの先人たちが、空を飛ぶことにかけた情熱に胸を打たれるに違いありません。
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文/西門
【画像・参考】京都浪漫~悠久の物語~(第1・2週 日曜日 21:00~21:55/再放送 第3・4週 日曜日 21:00~21:55) – KBS京都
※この記事は、2023年12月10日(日)放送時点の情報です。