2024年4月9日、京都のホテルで『ミシュランガイド京都・大阪2024』のセレクションが発表されました。京都・大阪の掲載店は過去最多。食の持続可能性、サステナブルガストロノミーを実践する『ミシュラングリーンスター」に、京都から新たに2店舗が加わり、京都の食と旅の愉しみがさらに広がっています。
食の開拓者たちが勢ぞろい
ミシュランガイド京都・大阪版は、2024年で発行15周年を迎えます。毎年秋に行っていたミシュランガイドの発表を今年から春に変更し、新たに『セレクテッドレストラン』のカテゴリーを追加しました。
京都の総掲載軒数は226軒。
三つ星(そのために旅行する価値ある卓越した料理):5軒
二つ星(遠回りしてでも訪れる価値のある素晴らしい料理):17軒
一つ星(近くに訪れたら行く価値のある優れた料理):78軒
ビブグルマン(価格以上の満足感が得られる料理):55軒
セレクテッドレストラン(星には値しないが調査員がおすすめする料理):71軒
ミシュラングリーンスター(食の持続可能性、サステナブルガストロノミーを実践する料理):8軒
ダブル受星 ラ ブッシュ 森シェフ
今回のセレクションで初の一つ星とミシュラングリーンスターをダブル受賞したのは、京都市左京区大原にあるフレンチ『ラ ブッシュ』の森尚平シェフ。大原で育った野菜やジビエなど使い、薪焼き料理を提供しています。
京都市・大原で育ち、調理師学校卒業後、フランス・パリ『タイユヴァン』、東京『ピエール・ガニエール』で研鑽を積んだ後、2022年3月に故郷に戻りレストランを開きました。受星のスピーチでは、大原の里の豊かな自然や、季節によってさまざまな種の野菜が取れることなど、大原の魅力を語っていました。
受星発表後の森シェフに、子どものころの‟食べる経験”がどのように活かされているか尋ねてみました。すると、「特にグルメな経験はしていなかったですね。それよりも田舎遊びの中で経験したことが料理に活かされている気がします。」とお話ししてくださいました。
森シェフの子どもの頃の遊びといえば、川で魚を獲ったり、山で秘密基地を作ったりすることだったそうです。「子どもの頃は料理で使う山椒を獲ることは無かったですが、今は山椒を摘んでいると子どものころカブトムシを捕まえた思い出が蘇ってきます。そういうストーリーが料理にも繋がっているのかな」と森シェフ。
世界の食糧事情として、干ばつ、フードマイレージ、バーチャルウォーターなど様々な課題があります。ミシュラングリーンスターのレストランに今後も注目が集まりそうです。
15年連続三つ星 瓢亭 菊乃井
ミシュランガイドの評価は、1年更新で、匿名調査員(インスペクター)の年齢や個人的な好みで評価が偏らないよう複数で、季節を変えて店を訪れるそうです。料理の評価は、料理のカテゴリーに関係なく、世界共通で5つの基準のもとに行われています。
ミシュランガイド京都・大阪版が発行されて15年連続三つ星を獲得しているのが、『瓢亭』と『菊乃井 本店』です。
(写真)盾を受け取る『菊乃井』店主 村田吉弘さん。村田さんは、『メンターシェフアワード』(自身の仕事やキャリアが手本となるようなシェフに授与される賞)も受賞しています。
(写真)盾を受け取る『瓢亭』当主 高橋英一さん。御年85歳を迎える高橋さんは、受星のスピーチで「生涯調理場に立ちたい」と語りました。
ミシュランガイド アプリで便利で特別な旅を!
『ミシュランガイド京都・大阪2024』の書籍は、2024年4月12日から発売しています。また、ミシュランガイド公式アプリをダウンロードすれば、世界のミシュランガイド(レストラン・ホテル)が掲載され、最新のセレクション情報が入手できます。周辺検索や旅先の検索にも便利な機能が備わっていますので、お出かけに前にチェックしてみてください。
ミシュランガイド京都・大阪2024
書籍:2024年4月12日発売
公式ウエブサイト:2024年4月9日公開
公式アプリ※ダウンロード無料
【画像】きょうとくらす編集部