「頑張りすぎないマネープランで夢の実現を!」がモットーのCFP(R)認定者(ファイナンシャル・プランナー)・八束和音です。

連載『FP八束の「お金とくらす」』では、子育て世帯が知っておきたい“お金にまつわる知識や情報”をご紹介します。
子どもの成長に伴って、一緒に買い物に行った時に「おかしが欲しい」や「友達が持っているおもちゃを買って!」といった“おねだり”の場面も増えてきますよね。「こういった時はどうすればいい?」と悩むケースもあるのでは。
そこで今回は“おねだり”にどう対応すべきについて、触れていきたいと思います。
「買って!」は成長のサイン

それまで親から買い与えられるもので満足していたのに、「○○を買って!」とおねだりを始めるのは、子どもが“お金”や“物”に関心を持ち始めたということ。子どもがお金について学び始める、良いタイミングであると考えましょう。
「甘い顔をして何でも買い与えたくない!」と考えてしまいがちですが、お金に対する価値観を育めるチャンスでもあります。「使えるお金には制限がある」「欲しいものの優先順位をつける」といったお金の基本を、上手に子どもに伝える機会にしたいですね。
年齢別実践アイデア
子どもの年齢によっても、お金に対する理解度は異なります。年齢別にご紹介するので、以下のような形で実践してみるのもおすすめです。
幼児期(3歳~6歳)

3歳〜6歳の子どもにとっては、自分でお金をコントロールするのはまだ難しいかも。値段が張るものなら「今は買わないけどお誕生日にね」といった約束をして、待つことを学ばせるのも良いでしょう。
また、“コツコツと積み上げて必要な物を手に入れる”という経験もさせたいもの。例えば「ごほうびシール」のようなものを作って、子どもがお手伝いをしたらシールをあげて「10枚貯まったら○○を買える」といったルールを決めるといった方法も。ぜひ、親子で楽しめる工夫を考えてみて下さい。
小学校低学年(7歳~9歳)

少額のお金なら管理ができるようになる年齢です。また、交友関係が広がるため「仲良しの○○ちゃんが持っているから私も欲しい!」といったことも増えてくるかも。小学校低学年になったら年齢に応じた「おこづかい」を与えて、予算内で欲しい物を買うことを教えてみましょう。
また、限りある予算の中で欲しいものがいくつかある場合「自分にとってどっちを手に入れるべきか?」を、じっくり考えさせるのもよいでしょう。
親子でルールを決めていても、かわいい盛りの孫につい色々買い与えてしまう“おじいちゃん・おばあちゃん”の存在によって、崩れてしまうことも……。「プレゼントは誕生日にして!」など、あらかじめお願いしておくのもポイントかもしれませんね。
親がお手本になる
以上と合わせて実践したいのが、「お金を大切にしている親の姿」を子どもに見せるということ。忙しい毎日の中で、常に時間をかけて買い物をするのは難しいかもしれません。しかし、休日など時間がある時には、“予算と欲しいもののバランス”を考えながら、じっくりと必要なものを選んでいる親の姿を見せることも立派な教育といえるでしょう。言葉ではなく行動でも、より多くのことを子どもに伝えることができるはずです。
FP・八束のひとこと
ぜひ、「買って!」という子どものおねだりを入り口に、お金にまつわる価値観を上手に育んでいってくださいね。
関連記事:【FPが解説】子どもに教えておくべき「お金のこと」3つ文/八束和音(CFP認定者)
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