「頑張りすぎないマネープランで夢の実現を!」がモットーのCFP(R)認定者(ファイナンシャル・プランナー)・八束和音です。

連載『FP八束の「お金とくらす」』では、子育て世帯が知っておきたい“お金にまつわる知識や情報”をご紹介します。
大学生になると親元を離れて一人暮らしを始めたり、アルバイトで自分のお金を稼ぐようになったり、大学進学後すぐにお金の管理が必要になる学生も多いよう。しっかりとした習慣を身につけることで、社会人になっても上手にお金と付き合うことができます。
そこで今回は、大学生の家計管理と貯蓄術についてお伝えします。
意外と出費が多い!? 大学生のリアルな生活事情
大学生の生活事情はどのようになっているのでしょうか。一人暮らしなのか、実家暮らしなのかによっても大きく異なりますが、今回は一人暮らしの支出を見てみましょう。『全国大学生活協同組合連合会』が2024年に行った『第60回学生生活実態調査』によると、1カ月の生活費の平均は約13.1万円となっています。

その中で大きなウェイトを占めるのが“住居費”で約5.6万円。その他の大きな支出として食費、貯金・繰越金、教養娯楽費などが続きます。これ以外にも、日常費や交通費など、思った以上に色々な支出があることがわかります。実家から通学する場合には、住居費や食費がかからないため、一人暮らしよりも余裕があるかもしれませんが、交際費、日常費、教養娯楽費だけでも結構な出費となることがわかります。

家計管理の基本テクニック

お金を上手に管理する最大のコツは、“家計を可視化する”こと。これは大学生も社会人も同様です。各支出にいくら使っていて、それぞれの支出に無駄はないのかを知るために、家計簿は不可欠なツールです。スマートフォンの扱いになれた大学生の場合、手書きの家計簿よりもアプリを使う方法が便利かもしれませんね。無料で使える色々なアプリがあるので、使い勝手のいいものを探してみて下さい。
また、1カ月に最低限必要な金額がわかったら、“先取り貯蓄”をする習慣をつけましょう。余ったお金を貯蓄に回すのではなく、先にお金を取り分けて残ったお金で生活する……というのが基本です。無理なく貯蓄できる金額を把握するためにも、まずは家計簿にトライしてみてくださいね。
大学生でもできる貯蓄術

自身の家計が見えてきたら、節約できる支出がないかチェックしてみましょう。その上で「交際費を1割だけカットする」「使っていないサブスクを見直す」など、できることを考えてみてください。また、せっかく苦労して節約しても、意識していないとそのお金はすぐに消えていってしまいます。貯蓄のコツは、「月1,000円だけ」というような、ゆるっとした目標でもいいので、確実に積立を実行することです。
また、余裕資金の一部を活用して、値動きのある投資にトライする方法も。まずは生活費の1カ月分を普通預金などすぐに引き出しできるもので準備して、それがクリアできたら目的に応じた金融商品の活用も検討してみるといいかもしれませんね。例えば、海外旅行や留学が目的なら“外貨預金”、運用にチャレンジしてみたいなら“投資信託”といった具合です。ネット系の銀行や証券会社なら選択肢も豊富で、月々少額で積み立てることができますよ。
FP八束のひとこと
まずは自分のお金の流れをしっかり把握することから始めてみましょう。そうすることで、見直せる部分や投資に回せる部分がきっと見えてくるはず。将来のためにも、大学生のうちからしっかりとした金銭感覚を身につけることをおすすめします。
関連記事:【FPが解説】子どもに教えておくべき「お金のこと」3つ文/八束和音(CFP認定者)
【画像】Shutterstock:Bowonpat Sakaew/west_photo