sponsored by 下鴨茶寮
安政3年(1856年)創業、170年の歴史を誇る京料理の老舗『下鴨茶寮』。その節目となる新作おせちの発表会が、世界遺産・下鴨神社にて行われました。

家族の健康や幸せを願う“おせち”という文化の原点に触れながら、「伝統と革新」をテーマに、主人の小山薫堂さん、そして本店総料理長の本山直隆さんにお話を伺いました。
単なるおせちの紹介ではなく、家族の健康や幸せを願う「おせち」という食文化の原点に触れ、未来へと受け継いでいくことの大切さを感じる特別な一日。今回はその模様をレポートします。
老舗料亭の粋を味わう、特別な懐石

まずは、下鴨茶寮本店にて本山総料理長による特別懐石『神無月献立』をいただきました。

先附は、柿膾に帆立焼霜、利休麩、春菊を合わせたやさしい一皿。柿をくり抜いた器に盛られた姿に、秋の気配を感じながら心がときめきました。
続く小蕪と丹波占地の煮物椀では、ふんわりと立ちのぼる柚子の香り高いお出汁と、丹波占地の食感に驚かされました。

紅葉鯛と鰹のあしらい一式。辛子酢みそとの相性が抜群でした。

かます杉焼、車海老雲丹焼、合鴨ロース甲州煮、丹波栗霰揚げ、南京カステラ。籠に美しく盛られた一皿は、目にも鮮やかで、一口ごとに秋の恵みがやさしく広がるぜいたくな一皿でした。

京都の伝統的な食文化を支える白味噌に漬け込んだ和牛の西京焼きが添えられ、最後の一皿まで秋の味覚を堪能できる嬉しい締めくくり。

デザートは、『焼き茄子氷菓子 みたらし餡』。パティシエを志していたという本山総料理長ならではの感性が光り、焼き茄子の香ばしい香りがふんわりと鼻を抜けます。ひと口すくうごとにほのかな苦みとみたらし餡の甘みが絡み合う、少し不思議で奥深いアイスクリーム。
本山総料理長は「懐石の始まりと終わりに印象を残すことを大切にしています」と話され、その言葉通り、コース全体が印象的な流れで締めくくられていました。
一皿ごとに、代々受け継がれてきた“土産土法(どさんどほう)”の精神が息づき、京都の風土に根ざした旬の恵みを最大限に生かす信念が伝わってきました。
世界遺産・下鴨神社の神聖な空気の中で

世界遺産・下鴨神社の静謐な空気に包まれて、『祈祷殿』でのご祈祷へ。厳かな祝詞の響きとともに、新しい年の幸福と無病息災を祈念しました。
その後、婚礼以外では立ち入ることのできない神聖な空間『供御所(くごしょ)』に移動し、神に供える御饌を調える“神の台所”で、本山総料理長により『おせち2026』が披露されました。
伝統と革新が詰まった「おせち2026」

「家族で囲むおせちは一年の慶びを祈る時間。伝統を守りながら、新しさをプラスする“革新のおせち”です。」と、本山総料理長は語ります。

今回披露されたのは、全12種類の中の代表的な7種。中でも、節目の年を彩る『本店特製和おせち 二段+合鴨鍋』(324,000 円)は、ひときわ華やかでした。
「祝いの賑わい“動”」を表現した一の重には、伊勢海老や黒鮑、甘鯛雲丹焼、キャビア、ローストビーフなど、海と山の幸がぜいたくに盛り込まれています。
こちらのおせちには、世界遺産・下鴨神社の宮司より賜った2026年の干支“午”の直筆文字を、貝型の陶器に焼き付けた縁起物も添えられています。

「儀式的な“静”」を表現した二の重は、職人の手仕事が光る伝統的なおせち。こちらは本山総料理長が、すべてご自身の手で丁寧に詰められるそうで、盛り付けの細部にまで心配りが感じられます。
年に一度仕込む自家製からすみは、塩漬けから寒風干しまで約2カ月もの時間をかけて仕上げる本店ならではの逸品。

三の重は、「食卓を囲む温もり」を表現した合鴨鍋です。

『本店和おせち 二段+雑煮重』(108,000 円)では、祝い席で振る舞われる伝統の「ふぐ雑煮」。大根、銀杏、人参など、“ん”と“運”をかけた縁起の良い食材を白味噌仕立ての出汁でいただく『五福椀』は、まるで新しい年に福を呼び込んでくれそうな味わいでした。

ロブスター塩蒸しや鮑旨煮をはじめ、唐墨、つぶ雲丹、干子などぜいたくな海の幸に、伝統的なおせち40品が織りなすお祝い重です。
最新の冷凍技術を導入した「おせち」

その他、新春の祝い酒とともに楽しむ『酒肴おせち 冷凍一段 お酒付』(27,500 円)。日本酒『獺祭』と京の銘酒『神蔵』を冷凍し、和洋折衷のお料理とともに詰め合わせています。調理・盛り付け後は急速冷凍を施すことで、食材の細胞を壊さず、冷蔵おせちと遜色のない食感で楽しめるそう。

この他、『下鴨茶寮×カネシメ髙橋水産 冷凍コラボおせち二段』(23,760 円)など素材や構成にこだわった多彩なおせちが用意されていました。人数や価格に応じて選べる仕様で、それぞれの家族に合わせた選び方ができるのは嬉しいですね。
主人・小山薫堂さんが語る、これからの食卓

お披露目会の最後は、小山薫堂さんのお話を伺いました。最近閉幕した大阪・関西万博を振り返りながら、テーマである「食を通して命を考える『EARTH MART(アースマート)』」について語られました。
人が80年あまりの人生を紡ぐために、どれほど多くの命をいただいているのか――。そのことを改めて見つめ、「“いただきます”という言葉にこそ、魂と価値がある」と話されていたのが印象的でした。
食の未来については、「“未来”とは新しいものだけで構成されるのではなく、伝統と革新の融合によって形づくられる」と語られ、その考えは下鴨茶寮の想いとも重なるものでした。その言葉どおり、下鴨茶寮では“冷凍でありながら料亭の味を届ける”最先端の技術にも挑戦。職人の技と最新の技術を掛け合わせ、京料理の新しい可能性を切り拓いています。
小山さんが考えるおせちは、「祈りと感謝」の象徴。『EARTH MART』で伝えたかった“命への想い”と重なり、おせちを囲む時間そのものが、家族や食材への感謝を確かめるひとときになる。そんな思いを伝えられました。
店舗情報
下鴨茶寮 本店
住所:京都府京都市左京区下鴨宮河町62
最寄:京阪電車 「出町柳駅」よりタクシーで5分
電話番号:075-701-5185
営業時間:11:30~15:00(13:30L.O.)/17:00~21:00(20:00L.O.)
定休日:火曜日
駐車場:あり
ライター・ミヤザキカレンダーのひとこと
下鴨茶寮のおせちに込められた“祈りと感謝”を思い返しながら、今年のお正月を迎えたいと思いました。毎年作るのが当たり前になっている“おせち”も、たまには料亭の味を楽しむのもいいなと感じます。華やかで丁寧な味わいに触れ、今年のお正月がますます楽しみになりました。
『おせち2026』は、下鴨茶寮公式オンラインショップにて予約受付中です。
文/ミヤザキカレンダー
【画像】ミヤザキカレンダー
※この記事は取材時点の情報です。最新の情報は各店舗・施設にお問い合わせください。
※文中の価格はすべて税込みです。
