KBS京都で放送中の『京都浪漫~悠久の物語~』。
今回は、2023年12月10日(日)に放送された『京都八幡の歴史秘話~石清水八幡宮・松花堂庭園・神應寺・飛行神社~』から『神應寺(じんのうじ)』をご紹介します。
八幡市で最も古いお寺「神應寺」
京都府八幡市の歴史を見守ってきた山、男山。山上にある石清水八幡宮の社殿までは、ケーブルカーでも往復することができます。
参道ケーブルの鉄橋は、高さおよそ43mになります。その鉄橋の下、男山の中腹に禅寺があります。
八幡市で最も古いお寺『神應寺』です。本堂までは、麓の山門からおよそ170段の石段を登ります。
神應寺までは、京阪電車『石清水八幡宮』駅から徒歩およそ6分です。
神應寺は紅葉の名所にもなっています。毎年11月下旬に紅葉まつりも行われています。
経営難から荒れ果ててしまっていた神應寺を、25年の歳月をかけて修復したのが第五十世住職、大木祖淨さんです。住職ご夫妻は二人三脚で、復興に当たられたそうです。
本堂に祀られている本尊は『薬師如来坐像』。脇侍として『日光菩薩立像』と『月光菩薩立像』を従えています。
本堂には豊臣秀吉の坐像も安置しています。神應寺に帰依した秀吉が朝鮮出兵の際、寺領を寄進して以降、豊臣家とは深い繋がりがあります。
開山堂に並ぶのは曹洞宗の開祖・道元禅師や歴代住職の坐像です。
江戸時代、『常法幢地(じょうほうどうち)』という、曹洞宗で最も高い寺院の格式を得るために奔走した十九世住職・廓翁鉤然(かくおうこうねん)の坐像もあります。
廓翁鉤然住職が、徳川幕府五代将軍・綱吉より賜ったという寺宝があります。
それは、大掛絡(から)です。大奥総取締・右衛門左局(うえもんのすけのつぼね)と廓翁鉤然との交流があっていただいたものだそうです。
伏見桃山城の遺構と伝わる書院には、江戸時代初期の狩野派の絵師・狩野山雪の筆による杉戸絵が描かれていました。
今は保存のため収蔵庫に保管されていますが、今回特別に撮影させていただきました。
60年に一度開帳の秘仏「不動明王像」
境内地に建つ石清水八幡宮の参道ケーブルの鉄橋をくぐり、細い道を下っていくと、神應寺の奥の院・杉山谷不動尊があります。
ここは平安時代、弘法大師空海が悪鬼を封じ、自ら不動明王を刻んで安置したと伝わるお堂です。かつて、お堂が山津波に遭ったときにも無事だったという不動明王像は、60年に一度開帳される秘仏。参拝者はお前立に手を合わせます。
不動明王の両側には、不動明王の眷属・矜羯羅童子(こんがらどうじ)像と……、
制多迦童子(せいたかどうじ)像を安置しています。どちらもすぐ目の前で見ることができるので迫力満点です。
石清水八幡宮にお参りした際にはぜひ神應寺も一緒に訪れてみてはいかがでしょうか。
関連記事:これまでの『京都浪漫~悠久の物語~』の記事はこちらをチェック
文/西門
【画像・参考】京都浪漫~悠久の物語~(第1・2週 日曜日 21:00~21:55/再放送 第3・4週 日曜日 21:00~21:55) – KBS京都
※この記事は、2023年12月10日(日)放送時点の情報です。