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現役仏師が感動! 世界遺産・仁和寺の阿弥陀様の表情とは?【京都市右京区】

KBS京都で放送中の『京都浪漫~悠久の物語~』。
2023年9月10日(日)に放送された『仏師と訪ねる国宝阿弥陀如来像〜仁和寺・清凉寺・法界寺〜』から、『仁和寺』をご紹介します。

貴重な阿弥陀如来が数多く残る京都

仏師・三浦耀山さん
画像:KBS京都『京都浪漫 悠久の物語』

平安時代から仏像制作の中心であり続ける街、京都。市内に工房を持つ仏師・三浦耀山さんも仏像づくりの伝統技術を受け継ぐ一人です。

仏師・三浦耀山さん
画像:KBS京都『京都浪漫 悠久の物語』

「特に京都には阿弥陀如来が多く残っている街でもあるので、常に古い時代のものから形や作り方を研究し、吸収して、それを自分の作る仏像にフィードバックすることができます」と三浦さん。

仏像作りについて、「時代ごとの特徴や、なぜそれが僕たちの心を惹きつけるのだろうという、そんなわずかな違いをいかに見つけていくか」と語ってくれました。

世界遺産の門跡寺院・仁和寺を訪ねる

国宝に指定された阿弥陀如来像を所蔵する8カ寺の地図
画像:KBS京都『京都浪漫 悠久の物語』

京都府内で国宝に指定された阿弥陀如来像を所蔵するのは、三千院・清涼寺・仁和寺・法金剛院・広隆寺・法界寺・平等院・浄瑠璃寺の8か寺です。

仁和寺
画像:KBS京都『京都浪漫 悠久の物語』

その中から今回、仏師・三浦耀山さんと共に尋ねたのは、京都市右京区にある世界遺産の仁和寺です。

仁和寺周辺の地図
画像:KBS京都『京都浪漫 悠久の物語』

仁和寺までは、京福電鉄『御室仁和寺』駅から徒歩およそ3分。京都駅から市バスでおよそ40分、『御室仁和寺』のバス停で下車、歩いてすぐです。

仁和寺
画像:KBS京都『京都浪漫 悠久の物語』

仁和寺の創建は仁和4年(888年)。宇多法皇を第1世とし、幕末まで皇室出身者が代々の門跡を務めてきました。

仁和寺御殿と称される本坊
画像:KBS京都『京都浪漫 悠久の物語』

本坊は仁和寺御殿と称される御所風の建物で、門跡寺院としての格式の高さを今に伝えます。

観音堂
画像:KBS京都『京都浪漫 悠久の物語』

こちらは、観音堂です。5年をかけて修復を行い、平成30年10月に工事が完了しました。

観音堂
画像:KBS京都『京都浪漫 悠久の物語』

令和2年から観音さまの縁日を毎月18日に行なっており、その日には扉を開け、参拝者も堂内に入り、観音会という行事を執り行っています。

この日は観音さまの縁日ではありませんでしたが、特別に拝観させていただきました。

千手観音菩薩像
画像:KBS京都『京都浪漫 悠久の物語』

手を合わせ、一礼して堂内へ。観音さまを目の当たりにした三浦さんが「圧巻ですね……」と感嘆の声を漏らします。

こちらが、観音堂のご本尊・千手観音菩薩像です。

脇侍の不動明王と降三世明王
画像:KBS京都『京都浪漫 悠久の物語』

脇侍は不動明王と降三世明王。その周りには千手観音の眷属である二十八部衆が安置されています。

千手観音菩薩像と、眷属の二十八部衆
画像:KBS京都『京都浪漫 悠久の物語』

毎月18日、法要が行われる観音堂には多くの方が参拝されるそうです。

優しさと端正さが入り混じる、ご本尊を拝む

金堂
画像:KBS京都『京都浪漫 悠久の物語』

次に向かったのが、皇室ゆかりのお寺の象徴とも言える、仁和寺の本堂にあたる金堂です。

江戸時代に再建された伽藍の中で唯一、国宝に指定されている建物で、京都御所の内裏紫宸殿(だいりししんでん)を下賜されたものです。

阿弥陀三尊像
画像:KBS京都『京都浪漫 悠久の物語』

須弥壇に安置されているのは、阿弥陀三尊像。江戸時代、金堂が再建された折りに、仁和寺の新たな本尊として造られました。

阿弥陀三尊像
画像:KBS京都『京都浪漫 悠久の物語』

「本当に素晴らしい。江戸時代に造られた阿弥陀三尊像ということで、比較的、現代の我々が作る仏像の形に近いと思います。平安時代だともっとふくよかであることが多いですが、江戸時代になってくるともう少しシュッとした形になります。優しさと端正さが混じった表情ですね」と三浦さん。

四天王像
画像:KBS京都『京都浪漫 悠久の物語』

周囲には、本尊を守護する四天王像などを配置。堂内には厳かな空気が満ち溢れています。

金堂は通常非公開ですが、春や秋に期間限定で一般にも公開されることもあります。

いよいよ、国宝・阿弥陀三尊像のもとへ

霊宝館
画像:KBS京都『京都浪漫 悠久の物語』

続いては、春と秋に期間限定で公開される霊宝館へ。

愛染明王像
画像:KBS京都『京都浪漫 悠久の物語』

入口あたりには、もともと金堂に祀られていたという愛染明王像が安置されています。

蓮華座
画像:KBS京都『京都浪漫 悠久の物語』

「うわあ、立派でびっくりしました。色鮮やかさがまず目に入ってきますね。この蓮華座と呼ばれる部分、蓮の花の一枚一枚にも細かな彫刻と彩色がされていて。」と、感動の様子の三浦さん。

悉達太子坐像
画像:KBS京都『京都浪漫 悠久の物語』

そのほか館内には多聞天像や悉達太子坐像など、数多くの仏像を安置しています。仏師の三浦さんには、刺激的な空間です。

国宝・阿弥陀三尊像
画像:KBS京都『京都浪漫 悠久の物語』

中でも目を引くのが、国宝・阿弥陀三尊像。仁和寺が創建された時の本尊で、戦乱や火災を乗り越え、1135年間も護られてきた貴重な仏像です。

国宝・阿弥陀三尊像
画像:KBS京都『京都浪漫 悠久の物語』

「身体がふっくら、がっしりとしていて、平安前期あたりの仏像の特徴がよく表れていますね。しかし、その時期のお像は厳しい表情のものが多いのですが、こちらの阿弥陀様は穏やかで優しい表情をされていますよね」と三浦さん。

国宝・阿弥陀三尊像
画像:KBS京都『京都浪漫 悠久の物語』

「極楽浄土からお迎えに来てくださる阿弥陀さまの慈悲深さや優しさというのが、平安前期の仏像でありながら、表情に表れています。おそらく、平安時代に阿弥陀信仰が高まっていく中で造られるようになっていった、国風の仏像に繋がっていく表情なのだと思います」。

腹前で結んでいる弥陀定印と呼ばれる印
画像:KBS京都『京都浪漫 悠久の物語』

腹前で弥陀定印と呼ばれる印を結ぶものとしては、日本に現存する最古の阿弥陀如来坐像です。

遥か昔からその穏やかな姿で人々の心を安らげてきた阿弥陀さま。そして、そのほかの貴重な寺宝の数々。ぜひ間近で見に、足を運んでみてくださいね。

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文/ななえ

【画像・参考】京都浪漫~悠久の物語~(第1・2週 日曜日 21:00~21:55/再放送 第3・4週 日曜日 21:00~21:55) – KBS京都
※この記事は、2023年9月10日(日)放送時点の情報です。