赤ちゃんの準備をする妊婦
子育て

何からやればいい? 妊娠がわかったら「はじめにすること」【助産師が解説】

「なんだか最近体調がすぐれない……」と、検査薬を購入して妊娠反応を調べたら、陽性だった! しかし、いざ陽性を確認しても、出産に向けて何をするべきかわからないといった方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、“妊娠がわかったらはじめにすること”を、京都で現役助産師として活動している筆者が解説します。一緒に確認していきましょう。

1:出産予定日の確認

医師と話す妊婦
画像:takasu/Shutterstock

検査薬で妊娠反応を確認したら、まずは近くの産婦人科を受診しましょう。生理が遅れているなと感じてから、1か月以内を目安に産婦人科を受診することをおすすめします。

多くの場合、産婦人科では、尿検査と超音波で妊娠の確認をします。超音波では子宮の中に胎嚢(赤ちゃんのお部屋)があるかを調べることができます。

出産予定日は最終月経から計算して算出します。しかし、人によっては不確実なこともあるので、妊娠10週前後の赤ちゃんの大きさから出産予定日を決定することも多いです。

2:区役所に妊娠届出書を提出する

書類を準備する女性
画像:Portrait Image Asia/Shutterstock

出産予定日が決定したら、産婦人科で妊娠届書がもらえます。妊娠届書を持ってお住まいの市役所・区役所などの管轄部署に妊娠の届け出をしましょう。

届け出にはマイナンバーがわかる書類の持参も必要です。この時に保健師さんの面談がある場合もあるので、時間の余裕をもって来所するといいでしょう。京都市では、子育てワンストップサービス(ぴったりサービス)にて電子申請も可能です。
※ただし、後日面談のための来所が必要となります。

3:母子健康手帳を受け取る

医師と話す女性
画像:Lee Charlie/Shutterstock

妊娠届出書を提出すると、母子健康手帳と妊産婦健康診査受診券が交付されます。

医療機関での妊婦検診の際は、この2点を忘れずに持参しましょう。妊産婦健康診査受診券にて各券面に記載された検査内容について、公費で受診することができます。

4:出産・子育てサポート制度の申請

携帯を見る妊婦
画像:aslysun/Shutterstock

妊娠届出時に、お住まいの市の妊娠に関わる制度について情報をもらえることが多いです。

例えば京都市では、面談時にアンケートに回答し、出産・子育て応援事業の適切な実施のため関係機関等に必要な情報を確認、共有することについて同意すると、出産応援ギフトとして5万円が申請の受付から1~2か月後に指定の口座に振り込まれます。

自分が対象になる制度があれば、忘れずに申請するようにしましょう。

5:職場に伝えておく

仕事をする妊婦
画像:Leonardo da/Shutterstock

人や職場によって報告のタイミングは異なりますが、可能であれば母子健康手帳をもらったら、職場に妊娠していることを伝えるといいでしょう。母子健康手帳をもらうまでの間も、つわりの症状がひどい場合や、出血などによって勤務が難しい場合は早めに伝えておくことをおすすめします。

「安定期に入るまでは」と考える方もいますが、周りの人の気遣いがあると助かる場面もあるので一度検討してみてくださいね。

ちなみに筆者は毎回、妊娠検査薬が陽性になったらすぐに職場に伝えていました。早めに伝えておくことで、つわりがひどい場合に休みが取りやすくなったり、出張や残業など仕事面で配慮してもらえる可能性があるほか、会社にとっても産休や育休時の人事配置や人員補充もスムーズに進みやすくなる場合があります。

6:出産する場所を考える

エコー写真と妊婦
画像:metamorworks/Shutterstock

どこで産むのかも、妊娠がわかったら考えてみてください。日本では、自宅、助産院、産科クリニック、病院と、産む場所がいろいろあります。妊娠を確認した医療機関で産むのもいいですが、一生に数回しかないお産。自分が安心して任せられるように、それぞれのメリット・デメリットを知って、選んでみてくださいね。

また、最近は無痛分娩を選択する人も増えていますが、全ての施設で無痛分娩ができるわけではないので無痛分娩を希望する方は事前に確認しておくといいでしょう。

人気の場所は、分娩予約が早く締め切られるところもあります。のんびりしていたら希望するところで産めない可能性も。気になる医療機関へは、早めに連絡しておくことをおすすめしますよ。

7:お金関係

お金の話をする夫婦
画像:mapo_japan/Shutterstock

以前に比べて妊娠・出産に関する費用の補助は増加しつつあり、妊産婦健康診査受診券にて検診の費用の補助もあります。しかし、公費で賄えない検査もあるので、妊産婦検診時は、多少の支払いが発生する前提で受診しておくといいでしょう。

また、出産費用は場所によってかなりばらつきがあります。健康保険から出産一時金は出ますが、出産一時金の範囲内で出産費用を補えないことも。場合によっては、追加で20万円〜30万円の費用が発生することもあります。

赤ちゃんの用意をする妊婦
画像:Lee Charlie/Shutterstock

さらに、妊娠に必要な服や下着、産後に必要な子ども用の服や育児用品、おむつなどの出費も発生します。子育て用品のリサイクルをしている団体やレンタルサービスもあるので、上手に活用してみるのもいいかもしれませんね。

心身ともに不安定になりやすい妊娠期間。いろいろとやるべきことはありますが、無理せずにリラックスした時間も大切にしてくださいね。

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文/梅田直子

【画像】Shutterstock:takasu/Portrait Image Asia/Lee Charlie/aslysun/Leonardo da/metamorworks/mapo_japan