古都として知られ、長い歴史と文化的な重要性を持つ、京都。長きにわたって日本の文化の中心地として栄えた京都にはたくさんの風物詩があります。
京都の風物詩をご紹介する連載『きょうとの風物詩とくらす』。第2回は、6月30日にいただく伝統の和菓子・水無月についてご紹介します。
夏越祓(なごしのはらえ)にいただく和菓子・水無月(みなづき)
6月30日には、神社や寺院などで『夏越祓』と呼ばれる行事が行われます。境内に『芽の輪』という大きな輪が用意され、この輪をくぐることで、1年のちょうど半分が終わり、罪や穢れを清め、残りの半年の無病息災を願う行事です。
この『夏越祓』にいただくのが、和菓子・水無月です。
室町時代、御所では6月に氷を取り寄せ、口に含むことで夏バテを防ぐ習わしがありました。しかし、当時氷は大変貴重で、庶民が食べることはなかなか叶いませんでした。そこで、氷片のような三角の形をした和菓子を作り食べ始めたのが水無月の始まりだそうです。
『夏越祓』には半年の穢れを払い、無病息災を願って、京都各地で水無月が食べられるようになりました。
老舗和菓子店の「水無月」をご紹介!
もちもちした“ういろう”の上に、厄除けの意味を持つ小豆をのせた水無月。優しい上品な甘さが魅力の和菓子です。
『亀屋良長』の『水無月』は、白、抹茶の2種類。ふっくらと炊いた大粒の丹波大納言がたっぷりとのっています。本店は6月27日(火)~6月30日(金)、JR京都伊勢丹店は6月28日(水)~6月30日(金)の販売です。
『亀屋則克』の『水無月』は、白(ういろう)・黒(こくとう)・茶(ほうじちゃ)の3種類が用意されています。6月26日(月)~6月30日(金)の販売で、6月29日(木)00:00までは公式オンラインショップでも購入が可能です。
『鶴屋吉信』の『水無月』は、白いういろうに希少な馬路大納言の小豆をのせた一品。3個入972円と5個入1,620円があります。店頭のみの販売で、京都本店では6月中、その他の販売店舗では6月29日(木)と30日(金)に販売されます(※予約受付中 ※取扱いのない店舗もあります)。
この時期、各所で販売されている水無月は、室町時代から続く京都の文化・思いが込められています。ぜひ皆さんも、来月からの残り半年の無病息災を願って、水無月をいただいてみてくださいね。
文/きょうとくらす編集部
【画像・参考】亀屋良長/亀屋則克/鶴屋吉信
PIXTA(ピクスタ):プロモリンク/苔然堂
※文中の価格はすべて税込みです。
※写真はイメージです。