清水寺界隈を巡る～清水寺（本堂・清水の舞台・音羽の瀧）～

KBS京都で放送中の『京都浪漫～悠久の物語～』。
今回は、2023年8月6日（日）に放送された『夏の清水寺界隈を巡る～清水寺・京都霊山護国神社・霊山歴史館・八坂庚申堂～』をご紹介。

名所・旧跡の多い観光地であり、古くから親しまれてきた京都東山を巡ります！

「清水寺」の中心をなす国宝・本堂

世界遺産『清水寺』の本堂。ご本尊『十一面千手観世音菩薩像』を安置するこの仏堂は崖の上に張り出した『清水の舞台』があることでも有名です。

寛永10年（1633年）に江戸幕府3代将軍・徳川家光の寄進によって創建。2008年から2020年にかけて、檜皮屋根の葺き替えや檜舞台の張り替えなど、平成の大修理が行われました。

御本尊『十一面千手観世音菩薩像』は33年に一度開帳される秘仏です。

本堂を支える『清水の舞台』は約13mの高さにあります。周囲が約2mにもなる大きな欅の束柱18本と貫（ぬき）と呼ばれる横木を組み合わせて支えています。

釘を1本も使わずに非常に頑強な『懸造り（かけづくり）』と呼ばれる日本古来の伝統工法で造られています。格子状に組まれた木材同士が支え合うことで崖などの険しい場所でも耐震性の高い構造になっています。

“清水の舞台から飛び降りる”という言葉がありますが、この舞台から実際に飛び降りた人もいて、清水寺に残る江戸時代の日記には200件以上が記録されているそうです。

本堂でお参りを済ませたあとは、本堂とともに『洛陽三十三所観音霊場』の札所でもある奥の院へ向かいます。

本堂と同じく懸造りの舞台を持つ奥の院は清水寺の発祥となる草庵の旧跡で平安時代中期の創建と伝わります。

この奥の院を下った所にあるのがお寺の名前“清水”の由来となった『音羽の瀧』。清らかな水があったために『清水寺』と名付けられ、観音様にお供えする水として使っていました。

今でもこの清らかな水が流れ続け、飲むことができるようにとしっかり衛生管理もされています。

清水寺が建つはるか前から音羽の瀧はここにあり、古くから聖なる水と讃えられ滝の水に打たれて身を清める修行の場となったのが清水寺の始まりとされています。

文／きょうとくらす編集部