京都の街歩きのひと休みに立ち寄りたい喫茶店やカフェ。昨今“レトロでエモい”とブームになっているディープなレトロ喫茶や、洗練されたおしゃれなカフェなど、京都には今と昔が調和したさまざまなお店が点在しています。
そこで、京都のローカル放送局・KBS京都の社員に「おすすめの喫茶店・カフェを教えて」というアンケートを取り、名前の挙がったお店をご紹介します。
今回は、昔ながらの雰囲気と味わいを守る『六曜社珈琲店/coffee&bar地下店』(京都市中京区)を訪れました。
まるでタイムスリップ! ここだけの“心地よさ”
『六曜社珈琲店』へは、京都市営地下鉄・京都市役所前駅や京阪電車・三条駅から徒歩約5分。繫華街の一角にあり、公共交通機関でのアクセスがとても便利です。
1階は朝から営業している『六曜社珈琲店』、地下階は昼間は喫茶、夕方からはバーとして営業する『coffee&bar地下店』です。どちらも『六曜社』の店舗で、1階はコーヒーをメインとした喫茶店、地下階はコーヒーのほかにアルコールも提供するバーとなっています。
今回筆者が訪れたのは1階の喫茶店。中に入ると、味のあるレトロな木製カウンターと照明を抑えた雰囲気ある空間が広がります。外は昼間の繁華街であることを忘れてしまいそうです。
一目で見渡せる広さの小さな店内には、テーブル席が手前に6席、奥に3席。混雑時には相席での案内となるのだそう。椅子とテーブルは小ぶりで、どこか懐かしさを感じさせるデザインです。
“お客さんが店内で過ごす時間”を何よりも大事にしているという『六曜社珈琲店』では、細やかな接客も魅力です。
おいしいコーヒーはもちろん、一つひとつのテーブルに気を配ってくれるスタッフとお客さんの間には自然とコミュニケーションが生まれ、ここにしかない“居心地の良さ”を味わうことができます。
古くて新しい! 守り伝えるこだわりの味わい
『ホットコーヒー』(500円)は、テーブルに運ばれてきた瞬間から、つやつやと輝くコーヒーとふわふわの湯気にうっとり。ピカピカのカップとスプーンからも、丁寧に用意された1杯であることを感じさせてくれます。
一口いただいてみると、味わいは苦味が強めで深い余韻があるのが印象的です。まさに“大人の飲み物”のイメージにぴったり。70年続く同店ならではの味を守りつつ、2019年頃からは自家焙煎のコーヒーを提供しています。
ラインアップは深煎りと中煎りを組み合わせたオリジナルブレンドの1つのみ。布を使ったネルドリップという方法で淹れられています。
角砂糖を入れてみると、コーヒーの味わいはそのままに、苦味がすっとなくなり飲みやすさがアップしました。さらにミルクを入れてかき混ぜると、香りと口当たりがマイルドになりました。
コーヒーのおともにぴったりの『ドーナツ』(200円)は、クチコミを見て来店する方もいるという人気スイーツ。『coffee&bar地下店』のオープン時に考案され、今も提供され続けているドーナツは見た目も味わいもとてもシンプルです。
フォークを刺してみると、しっかりした固めの生地で驚きました。手のひらサイズながらぎゅっと詰まった生地は食べ応え抜群。ザクザクした食感と素朴な甘さで、いくらでも食べられそうです。
『ドーナツ』は毎日その日の出来立てを提供。12時から注文できます。午前中は注文できないのでお気を付けくださいね。なお、『coffee&bar地下店』では温めて提供してもらえますよ。
地下店では昼はコーヒー、夕方はお酒も楽しめる
外に出て今度は『六曜社珈琲店』の入口横の階段を下り地下に向かうと、そこは『coffee&bar地下店』。
1階の『六曜社珈琲店』のようにレトロな雰囲気がありながら、お酒のボトルがずらりと並んだカウンターが細長い空間の半分ほどを占め、しっぽりとした雰囲気です。席はカウンターとテーブルがあります。
地下店の喫茶営業では、オープン時から深煎り中心の自家焙煎を専門にしています。メニューは、2種類のオリジナルブレンドのほか、各国のストレート豆がラインアップ。注文を受けてから豆を挽きペーパードリップにて提供するので、新鮮でおいしいコーヒーをいただくことができるのだそう。
17時以降はバー営業となりお酒を注文できます。また、コーヒーメニューは1階店のブレンドコーヒーへと変わります。
『六曜社珈琲店』は、“古き良き時間”そのもののようなコーヒーとおもてなしが魅力。「今日は心ゆくまで丁寧に時間を過ごしたい」という気分の日に、ぜひ訪れてみてくださいね。
【店舗詳細】
六曜社珈琲店/coffee&bar地下店
住所:京都府京都市中京区河原町三条下ル大黒町40
電話番号:075-221-2989
営業時間:【1階店】8:30~22:30(L.O.22:00)/【地下店】喫茶 12:00~17:00(L.O.16:30)・バー 17:00~23:00(L.O.22:30)
定休日:水曜日
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文/さとみ縁
【画像】さとみ縁
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