KBS京都で放送中の『谷口流々』。
谷口キヨコが、京都を中心に活躍する人々の仕事現場に足を運び、十人十色の人生哲学を紐解いていきます。
2024年1月27日(土)の放送では、再生家具事業会社代表の村上勇一さんに話を伺いました。
Profile:再生家具事業会社代表・村上勇一さん
村上さんは大阪経済大学卒業後、鉄鋼専門商社に4年間勤務。その後、イギリスの大学院で現代ビジネスを学び、帰国後に再生家具事業会社『TerrUP』を立ち上げ、代表を務めています。
『TerrUP』では、飲食店などで使われた竹の割り箸を活用し家具を作っています。行程としては、まずプレス機で竹割箸を板状にしてから加工していき、製品にするとのこと。
割り箸は着色するわけではなく、そのままの色を使用しているそう。その後、切り出したり、研磨したりして、製品となります。
スマートフォンのスタンドやスツール、机など、さまざまな製品が作られています。
竹以外にも材質が色々ある中で、村上さんが竹に着目したのは、“リサイクルができないから”だそうです。
自分でイチから事業を起こしたい
子どものころ、将来何をしたいかなど確固たるものがなかったという村上さん。大学の進路指導部の担当者に言われるまま、鉄鋼専門商社の営業として4年間働きます。そこからもう少し色々な世界を見てみたいと、退職し海外の大学院へ行くことを決意。
イギリスに渡り、大学院でマーケティングやマネジメントなど幅広く学びます。そこで「自分自身の力で事業を起こしたい」と思ったのだそう。
帰国後、大学時代のアルバイト先の飲食店が人手不足ということで働きに行った際、宴会で捨てられる割り箸を見ました。世間では木材の価格が上昇していく中で、竹でできた割り箸はリサイクルすることもできず、ただ捨てられていました。
「これはまだ使えるんじゃないか」と思ったことが、村上さんの起業のきっかけでした。
アルバイト先のオーナーに、1週間に一度集めにくるので、割り箸をためていてほしいとお願いしたところ、最初は「衛生的にも問題があるかも」と断られたそう。
そのため一度製品を作り、それを手にもう一度頼んでみましたが「これが果たしてビジネスになるのか?」と問われたそうです。村上さんはやり続けることで何かが見えてくるとチャレンジすることを決めました。
再生家具の挑戦
最初は試行錯誤の連続。自分でコースターなどの小物を作り、ハンドメイドマーケットなどに出品していました。お客さんの反応は興味は持ってもらえるものの、思ったほどに売上は伸びなかったとのこと。
そこでインパクトのあるものを作ろう、とテーブルを製作します。
このテーブルは2,800本、1,400膳の割り箸が使われているとのこと。新聞や雑誌などのメディアにも注目されるようになり、個人宅のほかオフィスなどで使用するために購入する方もいるそう。
村上さんは今後について「まずは認知してもらう、そして購入することによってどういうメリットがあるかを可視化することをやっていく」と話してくれました。
村上さんを表すことば
今回の“村上さんを表すことば”は『竹 喜ぶ TYB』です。
ただ捨てられるだけだった竹の割り箸が加工され、新しく生まれ変わることで、そこからまた長い時間利用されるようになる。これから多くの人たちに、竹の割り箸を使った製品が知られていくことになるでしょう。
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文/流頭
【画像・参考】谷口流々(毎週土曜日9:30~10:00) – KBS京都
※この時期は、2024年1月27日(土)放送時点の情報です。最新の情報は各店舗・施設にお問い合わせください。