時代祭の神幸列
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千年に及ぶ歴史・文化が京都の街を練り歩く「時代祭」

古都として知られ、長い歴史と文化的な重要性を持つ、京都。長きにわたって日本の文化の中心地として栄えた京都にはたくさんの風物詩があります。

京都の風物詩をご紹介する連載『きょうとの風物詩とくらす』。今回は、2023年10月22日(日)に行われる『時代祭』の行列をご紹介します。

京都三大祭りの一つ「時代祭」

かつての時代祭の様子
画像:平安神宮

時代祭は平安神宮の大祭で、毎年10月22日に執り行われます。“京都の三大祭”の一つにも数えられる祭りで、明治28年に「一目で京都の歴史と文化が理解できるものを」と始まりました。

時代祭の平安時代婦人列
画像:平安神宮

明治維新時代から平安京の造営された延暦時代へと、時代を遡ってその歴史を行列で表現します。各々の時代を再現した衣装で約2,000人が参加する行列は約2kmにも及ぶ圧巻の光景! 全て見るにはおよそ2時間を要するという壮大なスケールです。

時代祭行列の順路とスケジュール

2023年時代祭の行列巡行順路
画像:平安神宮

2023年10月22日(日)に行われる時代祭。行列の行進スケジュールは以下の通りです。

【行列の先頭通過予想時刻】
12時15分:京都御所出発
12時30分:烏丸丸太町
12時50分:烏丸御池
13時20分:京都市役所前
13時40分:三条大橋
14時20分:慶流橋
14時30分:平安神宮

※10月22日(日)が雨天の場合、行列の進行は順延を予定。

行列の見どころをチェック!

(1)時代を精工に再現した調度品や衣装など

時代祭で使用される装飾品の例
画像:平安神宮

行列で使用される調度品や衣装などは、約12,000点に及びます。その多くは、伝統工芸技術を用いて復元された“本物”や、時代考証を元に作成されたもの。

細部に渡り、見事なまでにその時代を忠実に再現した調度品や衣装に注目です!

(2)歴史上の人物を行列から発見

時代祭の織田公上洛列
画像:平安神宮

『織田公上洛列』には兵をひきいて上洛する織田信長や、

時代祭の維新志士列

『維新志士列』には桂小五郎、坂本龍馬といった歴史上の人物も登場。

江戸時代婦人列の和宮

『江戸時代婦人列』には宮廷での豪華絢爛な衣を纏った和宮(かずのみや)や、歌舞伎の創始者とされる出雲阿国、京都六条三筋町の名妓・吉野太夫の姿も。

ほかにもたくさんの偉人が現れます! 行列の中でも一段と目を引く、歴史上の人物たちを探してゆくのも『時代祭』の楽しみの一つです。

(3)当時の庶民の生活の様子も垣間見える

時代祭の白川女
画像:けんじ/PIXTA(ピクスタ)

白川の流域に住み、季節の花を売り歩く白川女(しらかわめ)や……、

中世婦人列の大原女
画像:平安神宮

農作物を売り歩く『中世婦人列』の大原女など、貴族や武将だけでなく当時の庶民の様子も再現されています。

(4)行列のメイン「神幸列」

2018年の時代祭の神幸列
画像:terkey/PIXTA(ピクスタ)

そして、行列のメインとなるのが『神幸列』。時代祭には、平安神宮のご祭神である桓武天皇と孝明天皇のご神霊が『神幸列』の御鳳輦(ごほうれん)にお乗りになって、京都市内を巡ってご覧になることで、京都の平安を祈る意味があります。

全ての列はこの『神幸列』のお供という位置付けて、時代祭の中でも最も要となる行列です。

京都の千年という歴史の流れを一度に見ることができる時代祭。ぜひ一度足を運んでじっくりと見てみてくださいね。

文/きょうとくらす編集部

【画像・参考】 平安神宮
PIXTA(ピクスタ):けんじ/terkey
※写真は過去の時代祭のものです。