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ふんわりデコボコ“丹後ちりめん”のブラウスが可愛い♡ 【与謝野町】

『丹後ちりめん』は、京都府の丹後地方で生産される織物で、布にデコボコした“シボ”が現れることが特徴です。細かい波が寄り集まった生地は高級感がありシワになりにくい特徴があります。

ちりめんは、着物や風呂敷、和小物などで使われる機会が多いですが、ふんわりデコボコした生地が可愛く、普段づかいできるスーツやブラウスに仕立てられて注目を集めています。

今回は京都府与謝野町の2つの織物メーカーを訪ねて、『丹後ちりめん』を使った最新ファッションをチェックしてきました!

TRIP 1

FACTORY SHOP MARUTAN_外観
画像:丹菱株式会社

与謝野町岩滝にある『ファクトリーショップ「MARUTAN」』。丹後ちりめんの製造メーカー『丹菱株式会社』の工場の2階にあり、ウッドデッキからは天橋立がある阿蘇海と空が広がります。

FACTORY SHOP MARUTAN_外観
画像:丹菱株式会社

『ファクトリーショップ「MARUTAN」』の中には、カフェのような大きなテーブルと心地の良さそうなソファーが。その奥に陳列する鮮やかなワンピースに目が留まります。

ファッションアイテム
画像:きょうとくらす編集部

ジャケット、Tシャツ、ブラウス、エプロン、キャップなど様々なファッションアイテムが並びます。ビジネスシーンに使いやすいネイビーカラーのスーツや、綺麗めテーパードパンツなど日常に取り入れやすいアイテムが揃っています。

シフォンのブラウス
画像:きょうとくらす編集部

シフォンのブラウスより生地の表面がふんわりデコボコしていて、ビジネスウェアのブラウスにはない特別感があります。

ブラウス袖口
画像:丹菱株式会社

ファクトリー内では、自社アパレルブランド『TRIP 1』の商品を購入することができます。オーダー制で、基本の形と色を決めれば、採寸して自分にぴったりの1着に仕立ててくれます。ボタンの形や、フックの位置なども相談できるので、自分好みにカスタムできるのも楽しいですね。

好みにカスタム
画像:丹菱株式会社 

きっかけは夫からのプレゼント

丹菱株式会社_糸井宏輔さんと糸井ひとみさんのご夫婦
画像:きょうとくらす編集部

『ファクトリーショップMARUTAN』を運営する丹菱株式会社の糸井宏輔さんとエグゼクティブディレクターの糸井ひとみさんのご夫婦。

2023年末時点で、男性もの、女性もの併せて20種類近いアイテムが揃います。それまではアパレルにちりめん生地を生産、卸すことに専念した事業を展開していました。

丹後ちりめんを使った衣服の縫製までを一貫して行うようになったのは、夫の宏輔さんが妻のひとみさんに、丹後ちりめんのスーツを仕立ててプレゼントしたことがきっかけでした。

その後、コロナウイルスの感染拡大に伴い事業の方針を見直すことになった際、「丹後ちりめんをもっと気軽に身に着けられるものを」という想いのもとアパレルブランドを立ち上げることになったのです。

手間暇かけたポリエステル

強度が高く伸縮に強いポリエステル
画像:きょうとくらす編集部

『TRIP 1』で使われるちりめんは全て“ポリエステル”からできています。ひと頃は「着物の生地はシルクでないと!」という声もありましたが、強度が高く伸縮に強いポリエステルはまさに画期的な素材。しかも“家庭で洗濯できる”ことも魅力の一つです。

また、ポリエステルのちりめんは、シルクが持ち合わせている天然素材の性質がない分、手間暇かけた繊維加工を施しています。

どうやって“ちりめん”ができるの?

シルクのちりめん
画像:丹菱株式会社

シルクのちりめんの生地の表面にシボができる理由は、“右撚り”と“左撚り”の糸を交互に縦糸に織り込みゆでることで、シルクに含まれる“セリシン”という(ニカワ・ワックス)成分を落とし、糸が撚りを戻そうとするチカラを引き出すからです。

ポリエステルにはこのセリシンが含まれないため、丹菱株式会社では糸を撚る前に、機械で1本1本セリシンの代わりとなる液剤(糊)を塗布しながら糸を撚ります。

溶剤を塗布
画像:きょうとくらす編集部

糸に着けられる液剤の緑色は“右撚り”、赤色は“左撚り”に分けられています。

糸の撚り
画像:きょうとくらす編集部

1mの糸におよそ2,000~3,000回の撚りをかけます(強撚糸)。

左撚りの糸
画像:きょうとくらす編集部

“左撚り”の糸。糸を引き出すと勝手に捻じれてきます。

糸を蒸す
画像:きょうとくらす編集部

ポリエステル繊維ならではの加工“真空窯で蒸す”。温度や時間などは試行錯誤を繰り返し編み出しました。

まっすぐに伸びた糸
画像:きょうとくらす編集部

蒸すと糸がまっすぐに伸びます。人の髪の毛でいう“ストレートパーマ”をかけているイメージです。

管(くだ)
画像:きょうとくらす編集部

糸を織機にかけるため糸を、“管(くだ)”に巻きます。とりとめがなく、意味がよくわからないことを延々と語るようなことに対して使われる“管をまく”の語源はここから生まれました。

織機
画像:きょうとくらす編集部

シャトルに管をセットして織機にかけ、生地を織り上げていきます。ガシャンガシャンと、とても大きな音が響きます。

完成したちりめん
画像:丹菱株式会社

この後、生地をお湯で洗い、生地の幅を整えたらちりめんの完成です。

ちりめんの街“丹後”においで!

2階にあるFACTORY SHOP MARUTAN
画像:きょうとくらす編集部

今回、『TRIP 1』の商品を見せてもらった『ファクトリーショップ「MARUTAN」』は、今後、観光客や地域の人も立ち寄れるカフェやイベントスペースとして活用することを計画しています。

あなただけの1着
画像:きょうとくらす編集部

あなただけの1着を求めて“丹後”へ旅してみてはいかがでしょうか? ショップに行けば試着や採寸ができます。

【詳細情報】
ファクトリーショップ「MARUTAN」
住所:京都府与謝郡与謝野町字岩滝1788
電話:0772-46-3365
定休日:お問い合わせください
※丹菱のオンラインショップから商品の購入が可

【画像・参考】きょうとくらす編集部/丹菱株式会社