KBS京都で放送中の『きょうとDays』。
今回は、2023年11月30日(木)に放送された『ふるさと Days』コーナーから、過疎化が問題となっている島津地区に移住した若手店主をご紹介します。
島津地区の人気和菓子「あつつ焼き」
京丹後市網野町の島津地区は、521世帯で約1,200人が暮らす山に囲まれた自然豊かな地域。
織物産業で栄え、商いの町として知られていましたが、現在では少子化などによる人口減少で40以上あった商業店舗は2軒にまで減少。さらに、空き家も多く存在します。
そんな島津の大通りには、地元の人がこぞって訪れる『おやつ処 なかなか屋』というお店が……!
毎週金曜日から日曜日までの3日間のみ営業している和菓子店です。『あつつ焼き』という変わった名前の食べ物が大人気!
お客さんによると、甘すぎない味わいで、なんども食べたくなる美味しさなんだとか。
みんなを虜にしている『あつつ焼き』の正体がこちらの大判焼き。
店の調理場で1人で作っている職人が、今回ご紹介したい仲江勇馬さんです。
与謝野町出身の仲江さんは、2023年2月に各自治体が応募する『地域おこし協力隊』に選ばれ、島津地区へ赴任し『あつつ焼き』を作り始めました。
調理師の専門学校を卒業後、日本料理のお店で数年間修行していたという仲江さん。
ラーメン屋をオープンさせたのち、スイーツづくり専門のユーチューバーになりました。『ゆうスイーツ研究家』として動画を投稿、そのチャンネル登録者数は54万人以上という大人気っぷりです。
仲江さんの動画は、料理人ならではの手さばきが大人気! 調理方法の手軽さと豊富なレシピが視聴者の心を鷲掴みにしています。
撮影と動画編集は、お店の手伝いもしている中井隼之輔さんが担当しているそうです。
地域貢献のために移住
元々東京に住んでいた仲江さんは、徐々に行動規制が緩和されてお店を始めたいという気持ちが強くなってきたのだとか。
そんな中、中井さんから京丹後市の魅力を聞き2か月住める“お試し住宅”に引っ越したのだそう。
島津の人たちの温かさと地域の住みやすさに魅了され移住する決意をしました。
さらに、「地域に貢献できる商売がしたい」と考えた仲江さんは、以前網野町にあった大判焼きを復活させようと決意しました。
島津の地元の人々は、大判焼きを“平和焼き”と呼んでいたそう。しかし、仲江さんは食べたことがなかったため、昔“あつつ”と呼ばれていたという話を聞き、『あつつ焼き』と命名しました。
地域の住民に応えるため、試行錯誤したのち焼き方をマスター。
ついに『島津の大判焼き あつつ焼き』が誕生しました。
なんと売場は、住民御用達のスーパーだった空き店舗を再利用! 店内にもその名残が随所に残っています。
商品棚や会計の窓口に使う作業机、運営に欠かせない屋台などは、島津連合区の区長さんが作ってくださったのだそうです。
地域おこしの活動で島津を支える
2023年の勤労感謝の日は、島津連合区が主催する地元小学生と保護者を対象にしたイベントが開催。
今回が二回目の開催となる“はじめてのお店”というイベントは、お店のアイデアや商品を子供達がすべて考えお金や商いの仕組みを学びます。
もちろん接客するのも子供達! いろんなアイデアが会場中にあふれ、盛り上がりを見せました。
建物の外では、仲江さんが地域おこし協力隊の活動として出店し、『あつつ焼き』を仕込んでいました。
子ども向けに考案した新製品のカスタードクリームも大好評!
「島津に興味を持っている人を1人でも多く増やして、住んでいる地域の人へつなぐ役割を果たしていきたい。今後も今の店舗を営業したり、新しいお店を作ったりしていきたい。また、地域おこし協力隊の手助けができるような存在になれればいいなと思います」と話す仲江さん。
仲居さんは人の為に行動することがやがて自分の為になると考えているのだそう。あつつ焼きのような温かな笑顔が素敵でした。
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文/sumire
【画像・参考】きょうとDays(毎週月~金曜日17:35~18:00) – KBS京都
※この記事は、2023年11月30日(木)放送時点の情報です。詳しくは店舗へお問い合わせください。