KBS京都で放送中の『きょうとDays』。
今回は、2023年10月12日(木)に放送された『ふるさとDays』のコーナーから、京丹波町の『丹波くり』の魅力発信の取り組みをご紹介します。
「京丹波栗リファインプロジェクト」の始動
![収穫されたばかりの大量の『丹波栗』。](https://kyotokurasu.jp/uploads/2023/11/08dd3a990a194e4b41becc037a8bd22d.jpg)
京都府の中央に位置する京丹波町は、自然の恵みを受けた特産品の宝庫。秋の味覚の代表『丹波栗』はその一つです。
![木になっている状態の『丹波栗』。](https://kyotokurasu.jp/uploads/2023/11/b1bae1044d8033cf6d81cbb560933537.jpg)
山々に囲まれた京丹波町では、秋口になると濃い霧が発生しやすくなります。この霧の冷却効果により、甘味がつまった大粒で風味が良い栗が育つのだそう。
![『丹波栗』の生産における課題である生産者の高齢化の例。](https://kyotokurasu.jp/uploads/2023/11/6434e1a17b7e3fdc91117ec1ecb56c9e.jpg)
しかし、『丹波栗』の生産は府内全体で年々減少傾向にあり、最盛期と比べ10分の1になっているという課題を抱えています。生産量減少の要因は生産者の高齢化や後継者不足、そして獣被害など。
![『京丹波栗リファインプロジェクト』の紹介。](https://kyotokurasu.jp/uploads/2023/11/fef42e1f7d7be6911fc51f4aeda44ab4.jpg)
そこで、『丹波栗』の魅力を伝え活性化につなげようと、京丹波町が一丸となって『京丹波栗リファインプロジェクト』が2022年からスタート。
リファインとは、「洗練する・磨き上げる」という意味で、「丹波栗の魅力を再発見し、後世に伝えていきたい」という思いが込められています。
若い視点で活性化の方法を提案
![京丹波町立瑞穂中学校の外観。](https://kyotokurasu.jp/uploads/2023/11/144a10967b6f43644c6d2a63d446d53d.jpg)
プロジェクトの一環として、京丹波町立瑞穂中学校の2年生が丹波栗の生産課題について学習。
地元の生産者に直接話を聞いたり、観光客から『丹波栗』についてアンケートを取ったり、生徒たちは活性化の方法を摸索しました。
![瑞穂中学校の生徒による栗ブランド化に向けたプレゼンテーションの様子。](https://kyotokurasu.jp/uploads/2023/11/e6f6b8311a71b85de45fb02720b99c91.jpg)
さらに、学習の成果として、地元の生産者らを前に副業としてのビジネスモデルや新たな害獣対策を提案するという場も設けられました。
取り組んだ生徒たちは「丹波栗に興味が出てきた」「いろいろな意見をまとめるのが難しかったが、貢献できたと思う」と語ってくれました。
![栗の生産者や加工業者などによるワークショップの様子。](https://kyotokurasu.jp/uploads/2023/11/da86b1a855299fa869795da19bb83f81.jpg)
生徒による発表の後は、栗の生産者や加工業者などによるワークショップも開催。今後の丹波栗の在り方について参加者同士で熱心に意見を交わす様子もうかがえました。
知恵を受け継ぐ仕組み作り
![栗の手入れをする生産者の山内善継さん。](https://kyotokurasu.jp/uploads/2023/11/4a2722c1ba32720aefcbb02923eb9a2a.jpg)
京丹波町において、親子三代で栗栽培に取り組む山内善継さん。
![山内さんの受賞歴。](https://kyotokurasu.jp/uploads/2023/11/d58084885dbce66225e13856fef44771.jpg)
山内さんは55歳の時に家業の栗栽培を引き継ぎ、生産性や品質を上げることにも積極的に取り組んできたそう。その実績が評価され、2014年には黄綬褒章を受賞しました。
![山内さんの栗農園。](https://kyotokurasu.jp/uploads/2023/11/2aa18b6baea7c83bf86517136c39d746.jpg)
山内さんは、京丹波町の霧の発生が栗の旨味を増していると話します。
祖父から引き継いだ1万平方メートルの栗農園の年間生産目標は2トン。2023年は雨が少なく気温も高かったため豊作とはなりませんでしたが、例年の生産量が見込めそうとのこと。
![山内さんが『丹波くりマイスター要請講座』の講師を務める様子。](https://kyotokurasu.jp/uploads/2023/11/dbf6f9e5acfb81a0d9edf84a1b5d8792.jpg)
そんな栗の達人・山内さんは、栗栽培の技術を次世代に引き継ぐ『丹波くりマイスター養成講座』の講師も務めています。
講座は年間15回開催。除草から水田改良、収穫など様々な作業を学べるのだそう。
![栗拾いをする受講者と山内さん。](https://kyotokurasu.jp/uploads/2023/11/033e9d3e403a06358d34d3aba0efc476.jpg)
取材の日は、町内から参加した受講者4人が山内さんの栗農園で栗拾いを体験。
![収穫された『丹波栗』。](https://kyotokurasu.jp/uploads/2023/11/97d37fde414252fa593971b020e11d0b.jpg)
「一年を通じて栗の管理作業を一緒に行い、知識を会得してもらう。私の知っている限りを皆さんにお繋ぎしていこうと思っています」と山内さん。
また、「実践することが一番大事」だとも語ります。山内さんたち生産者自ら持続可能な生産の実現に向けて活動をしています。
秋の京都のアフタヌーンティー
![『HOTEL THE MITUI KYOTO』の外観。](https://kyotokurasu.jp/uploads/2023/11/6260d5f57831059321e6edd9b53755d3.jpg)
一方、京都市内でも『京丹波栗リファインプロジェクト』による取り組みがあります。
『HOTEL THE MITUI KYOTO』では、 京丹波町と連携し京都の秋の味覚をPRするイベントを開催。
![『京丹波くりアフタヌーンティー』の紹介。](https://kyotokurasu.jp/uploads/2023/11/4a64ce72ed15b0dfcd94c9f55eff35f7.jpg)
2023年10月1日から11月30日までの期間、京丹波町とホテルが協力して企画した『京丹波栗アフターヌーンティー』を提供しています。
「秋の食材かつ地産地消の食材を使いたい」という思いから、大粒で上品な風味の『丹波栗』をメインに、京丹波しめじや丹波ワインなどが取り入れられています。
![アフタヌーンティーのメニューの一例であるモンブランやマドレーヌなど。](https://kyotokurasu.jp/uploads/2023/11/06f9fe5326943f5b80110df4b67facb3.jpg)
おいしい栗をさまざまな形で味わうことのできるアフタヌーンティーになっているのだとか。
たくさんの人に『丹波栗』の魅力を届けたい、栗の名産地としての京丹波町を盛り上げていきたいという思いも込められています。
![アフタヌーンティーの焼き菓子と紅茶のセット。](https://kyotokurasu.jp/uploads/2023/11/509c10baab1574605b9c3594dc3884c0-1.jpg)
地元が一体となって知恵を絞り、『丹波栗』のブランド化を目指す『京丹波栗リファインプロジェクト』。将来に大きな実を結ぶことができるのか、今から期待が高まります。
関連記事:これまでの「ふるさとDays」はこちら!
文/さとみ縁
【画像・参考】きょうとDays(毎週月~金曜日17:35~18:00) – KBS京都
※この記事は、2023年10月12日(木)放送時点の情報です。詳しくは店舗へお問い合わせください。