KBS京都で放送中の『きょうとDays』。
今回は、2023年8月3日(木)に放送された『ふるさと Days』コーナーから、70歳を越えて今なお活躍している大人気の紙芝居師をご紹介します。
もう一度見たい“ある光景”のため紙芝居を始める
昭和の時代、子どもたちに愛されてきた紙芝居。令和の今、時代を超えてその楽しさを伝えるのは紙芝居師“たかっちゃん”こと塚田高司さんです。
「たかっちゃん!」「おもしろい人!」と子どもたちが口をそろえる人気ぶり。
塚田さんが街頭紙芝居の活動を始めてから今年で16年目になります。
夏本番の時期には青々とした水田が一面に広がる、豊かな自然あふれる木津川市で育った塚田さん。普段は代々続く文具店と米穀店の4代目店主です。
「私が小学校1年か2年くらいの時に学校から帰ったら街頭紙芝居が来ていたんです。」しかし、1年ほどで急に街頭紙芝居が来なくなり、当時非常に寂しい思いをしたといいます。
この経験から、大学時代はボランティアサークルに入り、小学校で人形劇や紙芝居を披露する活動に取り組みました。
そこで子どもたちのなんとも言えない笑顔を目の当たりにし、「こんなことがまたいつかできたらいいな」と思ったといいます。
そして、54歳の時に一念発起。街頭紙芝居を始め、以来、夏の暑い日も冬の凍える日も毎日欠かさずに活動してきました。
コロナ禍でも子どもたちが笑顔になれる場所づくりを
塚田さんの元へ取材に訪れると、駄菓子屋に案内されました。
2021年に塚田さんがオープンした駄菓子屋『昭和たいわ館』。
新型コロナの影響で毎日続けてきた街頭紙芝居ができなくなったことをきっかけに、一人で60年間開かずの蔵だった場所を整理し、駄菓子屋に改装しました。
この日も、店内には多くの子どもたちの姿がありました。
「夏休みの宿題はあるの?」と塚田さん。『昭和だいわ館』に訪れる子どもたちとの間の何気ない会話を塚田さんは大切にしています。
「子どもたちが笑顔で入ってどこかに行ける。その空間づくりというのはとても大事という思いがある。(駄菓子屋を)やってきて良かったと思います。」と塚田さんは話します。
時代を超えた思いはすべて、子どもたちの笑顔のため
街頭紙芝居へは、紙芝居専用の舞台を載せた愛車のミニバイクで向かいます。紙芝居のレパートリーは約600作もあるそうです!
舞台には子どもたち手作りのメニュー表と駄菓子の入った引き出し付き。
「今から子どもたちに会えると思って心がウキウキしていますね。」みんなが待っていてくれる顔を見るのがとっても楽しみだという塚田さん。
取材に訪れた日も、公園には多くの子どもたちが塚田さんを待ち構えていました。たかっちゃんはここではちょっとした有名人です。
この日の紙芝居は、男の子の主人公が繰り広げる楽しいお話とヒーローが悪の組織と戦う物語を披露。テンポよく進む塚田さんの紙芝居にくぎ付けになる子どもたちの姿がありました。
紙芝居のあとは大人気のクイズコーナーです。クイズに正解すると駄菓子の交換券がもらえるため、子どもたちによる争奪戦が繰り広げられます。
その後の駄菓子の販売では行列ができていました。
公園に集まった中には、小学生の頃から見に来ているという高校生もいました。
紙芝居の前に並ぶのは“子どもたちの最高の笑顔”。塚田さんが学生時代に見た光景が時代を超えて広がっていました。
「私の紙芝居を見てずっと思い出に残してもらいたい。大きくなっても『たかっちゃん、頑張ってたな。自分も頑張ろう。』という気持ちになってほしいと思って続けています。」と語る塚田さん。
今日もたかっちゃんの紙芝居は、時代を超えて子どもたちの笑顔を生み出しています。
子供たちに寄り添う塚田さんのあたたかさ、子供たちのキラキラした笑顔が心に響きましたね。塚田さんの活動をこれからも応援しています!
文/さとみ縁
【画像・参考】きょうとDays(毎週月~金曜日17:35~18:00) – KBS京都
※この記事は、2023年8月3日(木)放送時点の情報です。詳しくは店舗へお問い合わせください。