KBS京都で放送中の『京都画報』。
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今回は、2023年6月6日(火)の放送から、鰻料理を味わえる『わらじや』をご紹介します。
方広寺、文豪や豊臣秀吉とゆかりのある「わらじや」
方広寺から歩いて5分ほどの場所に幻の京都大仏とゆかりのある料亭があります。方広寺の門前で多くの旅人をもてなしてきた老舗『わらじや』です。
門前の茶屋として始まったそうで、古式ゆかしい設えは“市中の山居”と言った趣きです。
文豪・谷崎潤一郎もこの店の趣きを愛しました。『陰翳(いんえい)礼讃』の中で、かつて茶室だった座敷のほの暗い情景を描いています。
こちらのお店には、豊臣秀吉が大坂から方広寺に来るたびに休憩に来たそうで、わらじを脱ぐところということで、『わらじや』という名前になったのだそうです。
旅の疲れを癒やしてくれる鰻料理
創業以来、旅人をもてなすことを生業とした『わらじや』が、旅の疲れを癒し、精をつけてもらうために考案したのが鰻料理です。
国産の厳選した鰻を40分かけてじっくりと焼き上げ、旨味を凝縮させています。
香ばしい鰻に合わせるのが、高級昆布とかつお節でとった秘伝の出汁です。
素材の持ち味を存分に引き出した、シンプルながら味わい深い名物『うなべ』と『うぞふすい』をいただきます。
『うなべ』は、出汁の良い香りが漂う中に、生姜のアクセントがきいています。
生きたままの鰻をぶつ切りにし、串で刺して焼き上げています。鰻は香ばしく、油がしっかりとのっています。出汁に鰻の油が染みわたった絶品です。
もう一つの名物『うぞふすい』は、白焼きにした鰻、玉子、自家製の餅、椎茸、ごぼうなどを合わせた香り豊かな一品です。
開いた鰻を蒸すのではなく、生の状態から焼き上げた白焼きで、やわらかく香ばしい風味です。
旅の疲れた身体に雑炊が染みわたり、また歩き出す力をつけてくれる一品です。
豊臣秀吉も訪れた『わらじや』。ぜひ皆さんも、観光のひと休みに足を運んでみてくださいね。
【詳細情報】
わらじや
住所:京都府京都市東山区七条通本町東入西之門町555
文/きょうとくらす編集部
【画像・参考】京都画報(毎月第1火曜日 20:00~20:55) – KBS京都
※この記事は、2023年6月6日(火)放送時点の情報です。詳しくは店舗へお問い合わせください。