日本有数のパンの消費量が多い都市・京都に生まれ育ったパン大好きライターのみやこです。

連載『きょうとのパンとくらす』では、これまで200店舗近いパン屋さんを訪れた筆者がおすすめするパン屋さんをご紹介します。
さて、今回ご紹介するのは、下鴨神社近くにある、小麦の風味を大切にしたパンが評判の人気店です。
下鴨神社そば、行列の絶えない名店

京都市バス・下鴨神社前のバス停から歩いてすぐ、下鴨本通沿いにお店を構える『ナカガワ小麦店』。木を基調としたあたたかみのある外観が目印です。行列ができることも多い人気店で、パン好きなら一度は訪れたいお店として知られています。

派手な看板はありませんが、シンプルながらもセンスの良さが光る店構え。店内から漏れる小麦の良い香りに、期待が高まります。
こだわりのパンが並ぶ、凛とした空間

パンはガラスのショーケースに美しく並べられており、お店の方に欲しいパンを伝えて取ってもらう対面販売スタイルです。

店内はこぢんまりとしていますが、木のぬくもりとドライフラワーなどが飾られた、落ち着いたおしゃれな空間です。

パンの種類は決して多くはありませんが、一つひとつ丁寧に作られているのが伝わってきます。こちらのお店では、カナダ産の有機玄麦をヨーロッパ製の石臼で自家製粉し、挽きたての全粒粉を使用しているそう。素材への強いこだわりが感じられますね。
おすすめのパンをご紹介

今回は、小麦の風味を存分に楽しめる、筆者おすすめの3種類のパンをご紹介します。
(1)クロワッサン

『クロワッサン』(230円)は、ルヴァン種を配合した生地に発酵バターを折り込んで焼き上げられています。見た目にも美しい層が食欲をそそります。ひと口いただくと、外はハラハラと崩れるようにサックサク。中はしっとりとしていて、発酵バターの芳醇な香りと小麦の豊かな風味が口いっぱいに広がります。そのままでももちろんおいしいですが、サンドイッチにしても絶品だそうですよ。
(2)アン

『アン』(290円)は、ちょっと珍しいハード系のあんぱんです。低温で長時間発酵させたバゲット生地に、丹波産の大納言小豆をたっぷりと包み込んでいます。しっかりとした噛みごたえのあるバゲット生地は、噛むほどに小麦の力強い旨みが感じられます。中の大納言小豆は、上品な甘さで豆の風味が豊か。生地の塩気とあんこの甘さのバランスが絶妙で、あんぱん好きにはたまらない一品です。
(3)フリュイ・ルヴァン

『フリュイ・ルヴァン』(310円)は、穏やかな酸味のあるパン・オ・ルヴァン生地に、香ばしいクルミと有機栽培のイチジクがぎっしりと練り込まれたパンです。ずっしりとした重みがあり、スライスすると断面にはイチジクとナッツがたっぷり。パン生地の複雑な風味と、イチジクの自然な甘み、クルミの食感が口の中で一体となり、深い味わいを生み出します。ワインやチーズとも相性が良さそうですよ。
店舗詳細
ナカガワ小麦店
住所:京都府京都市左京区下鴨松ノ木町52-1
電話番号:075-702-6672
営業時間:10:00~16:00(売り切れ次第終了)
定休日:月・火・水曜日
ライター・みやこのひとこと
『ナカガワ小麦店』のパンは、どれも小麦本来のおいしさがストレートに伝わってくる、滋味深い味わいでした。日々の食卓にはもちろん、大切な方への手土産にしても喜ばれそうです。
売り切れてしまうことも多いので、午前中の早い時間帯に訪れるか、電話で予約するのがおすすめですよ。皆さんもぜひ、こだわりのパンを味わってみてくださいね。
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【画像】みやこ
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