京都は街から山や川が近く、お散歩したり、山に登ってリフレッシュするのにぴったりな場所です。アウトドアで京都の自然を味わってみませんか?
きょうとくらすでは毎月一回、アウトドアの達人で花背山の家 顧問 安田公一が、アウトドア初心者から、もっともっと楽しみたい人に向けて、ちょっとしたコツや奥深い魅力をお伝えします。今回は初心者でも始めやすい京都の山歩きスポットをご紹介します。
嵐山
皆さんは「嵐山」という山があるのを知っていますか?
京都市右京区・西京区の嵐山地区に位置する低山です。JR嵯峨嵐山駅、京福電車の嵐山駅、阪急電車の嵐山駅と交通アクセスも良い所です。
渡月橋から上流を見て右側が嵐山(黄色)になります。その手前の山がモンキーパークで有名なサル山の岩田山(赤色)です。
松尾山や嵐山の頂上付近から右側に渡月橋、大堰川(桂川)が見下ろされ、遠くに嵯峨野、奥嵯峨が見えます。保津川下りも見下ろすことが出来る絶景スポットです。
登り口
嵐山に上るには、苔寺の奥から竹林を抜けて松尾山を越えていくコースがポピュラーなのですが、出来るだけ簡単にと思い、トレイルコース26番(渡月橋より徒歩5分の地点)から松尾山目指して登りました。少し歩くと眼下に岩田山や渡月橋が見えてきます。
なんと道は狭くて崖があり、岩があり危険な道です。地元の方にお聞きするとあえて整備をしていないそうです。もしも多くのハイカーがこの山を登ると木が枯れて、渡月橋から見える景観が壊れるからだそうです。また、他の地元の方に聞くと渡月橋から見える景観を保つために春は桜、秋は紅葉と植える木を変えて保全に努めているそうです。
嵐山の頂上までの道際に嵐山城跡に遭遇しました。もちろん、この場所に城があったことすら知りませんでした。調べると応仁の乱の頃(約500年前頃)の戦国時代に造られた典型的な大規模な山城のひとつで、当時は嵯峨城とも呼ばれたそうです。永正年間に山城国の守護代官(香西元長)が使用したと言われています。また細川晴元の使用もあったとされます。
持ち物
両手が空くようにリュックを背負ってください。飲み物、タオル、お弁当、飴やチョコレート、タオル、帽子、軍手、防寒具、雨具、携帯電話、自分が必要と思うもの。
出発時間や所要時間
個人の体力によって山歩の時間に差はあります。
【ハムさんの場合】朝10:00阪急嵐山駅→11:00嵐山頂上 到着 昼食→下山
注意点
嵐山から先に進むのは注意が必要です。イノシシの通り道があり、道は狭く保津峡へと続きますが慣れたハイカー以外は引き返しましょう。
安田 公一(やすだ こういち)花背山の家 顧問 通称:ハムさん
京都市立学校教員として勤務した後、平成7年~10年文部科学省よりシンガポール日本人学校に海外派遣主任教員として赴任。小学生からボーイスカウト活動を行い、海外初のボーイスカウト日本連盟隊を結成、初代国際隊長。帰国後、平成10年京都市教育委員会 花背山の家 指導主事、首席指導主事、課長、所長、2024年4月より顧問。佛教大学教育学部 特任教授として野外教育を広める。文科省 中教審 体験活動委員会委員。教育学修士(心理学)、バレーボール国際コーチ、京都府成年男子バレーボールチーム監督、趣味はバンド活動(ドラム)ライブで活動中。
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【画像】花背山の家