子どもが生まれてただただかわいい時期から、自我が芽生えてくると同時に突然やってくるイヤイヤ期。まだちゃんと言葉を話せないため何をしたいのかが分からず、パパ・ママにとっても戸惑う時期ですよね。
そこで今回は、元保育士のライター・みらいがパパ・ママが楽になるイヤイヤ期の具体的な接し方や心の持ち方についてお話をします。
イヤイヤ期って?
イヤイヤ期とは1歳半〜3歳ごろに訪れる“自分でこうしたい”という自己主張が強くなって、イヤを繰り返す時期のこと。
「イヤイヤ」は子どもが自分の意思や感情を表現できるようになっている証拠ともいえます。自分でできることが増え、周りに対する興味が広がりますが、身体が自分の思い通りにならなかったり、感情がうまく伝えられなくて「イヤ!」「ヤダ!」という言葉で出てくるのです。つまり、体も心も成長しているということ。
しかし、親は何に対しても「イヤイヤ」と言われるとどうしたらいいのかわからず、親を困らせたいと思ってるんじゃないか?と考えてしまいイライラしてしまうこともありますよね。ここでまず、“親を困らせようと思って言っているのではない”ということは心に留めておきましょう。
こういう時は、子どもの「イヤイヤ」を素直に受け止めすぎず、「今、この子は自分でやりたいという気持ちが大きくなってるんだな」「うまく言葉にできなくてイヤイヤと言ってしまうんだな」と、子どもが一人の人間として大きく成長しようとしているんだと考えてみましょう。
長く続くこともあるイヤイヤ期ですが、毎日のパパママのサポートや声掛けで少しずつ子どものできることが増えてきます。そういったところに目を向けて、子どものイヤイヤ期を見守ってあげましょう。
具体的にどのように声掛けしたらいいの?
では、具体的にどのように接し、どのように声掛けをすればいいのでしょうか? 筆者が実際にトライした声掛けをご紹介します。
(1)共感する
まずは共感をしてあげましょう。「イヤイヤ」と言われたら「これが嫌なんだね」「自分でやりたいんだね」と気持ちを認めてあげましょう。
筆者の家庭でも、パパやママがそう話しただけで、子どもが安心したようでした。
(2)代弁する
子どもがかんしゃくを起こしたりした時は、「これができなかったんだね。悔しかったね」と気持ちを代弁してあげましょう。子どもは自分の気持ちを言葉にすることがまだ苦手。それにより、泣いたりイヤイヤしてしまいます。
実際に筆者が子どもの気持ちを言葉で表してあげたら、「気持ちを分かってくれるんだ!」「こういう時はこう言えばいいんだ!」と安心してかんしゃくを起こすことが少なくなっていきました。
(3)子どもに合わせたサポートをする
子どもの好きにつなげた声掛けをしてみましょう。例えば、電車好きな子どもには「脱いだ服は車庫に戻してあげようね」など子どもが受け入れやすい言葉に変えてみるとスムーズに行動してくれました。
他にも、大人の価値観を押し付けないことも大切。例えば、天気がいいのに長靴を履きたがったり、ズボンの上からオムツを履きたがったり。大人にとっては周りの目を気にしてしまうことですが、この時期だけだからと「写真を撮って大きくなったら見せようかなぁ」などと楽しむ気持ちを持つのが大切です。
パパママが心を保つための行動と考え方
続いて、パパママが心を保つために筆者が実際に行った行動と考え方をご紹介します。
まず最初に心に留めておいてほしいのは、子どもがイヤイヤをする時は“眠い”、“お腹がすいた”、“疲れた”などの理由でグズることが多々あるという点です。こうした子どもの体に起こっている不快感が関係している場合があるということをまず頭に入れておきましょう。そう考え原因を探れると、いざという時に気持ちに余裕をもって対処できると思います。
(1)時間に余裕を持つ
お出かけする前、ご飯を自分で食べたくて時間がかかったり、自分でやりたくて着替えに時間がかかったりと、とにかく時間がかかることがあります。手伝おうとすると、なおさらイヤイヤが加速しちゃうなんてことも。
そんな時はなるべく子どもがやりたいことはやらせてあげるようにしました。その方が結局スムーズにいくことが多かったです。そのためにも、時間に余裕を持つことをおすすめしますよ。
(2)子どもに確認する・選ばせる
子どもが着替えを嫌がる、お風呂を嫌がる、歯磨きを嫌がる、じゃあどうすればいいのよ!となりますよね……。そんなとき筆者は子どもに選んでもらうようにしました。
「どっちのお洋服着る?」「頭と体どっちから洗う?」「ご飯とおかずどっちから食べる?」と子どもが答えやすい2択などにして選んでもらいましょう。自分で選ぶことで、すんなり行動してくれることが多くなりましたよ。
(3)前もって伝える
一度家から出たら、複数ある用事を一度に済ませたいこともありますよね。「公園に行くよ」と伝えて外に出ても、実は済ませたい用事がいくつかあったりします。そんな時、子どもからしてみると「公園に行くって言ってたのに、あれ?なんでお店に行くの?」「そんなの聞いていない!早く公園に行きたい!」とイヤイヤがはじまります。
それを避けるためにも、出かける時は前もって「ここに行くよ」と子どもにも伝えておきました。事前に伝えておけば子どもも「これが終わったら公園へ行ける!」とすんなり行動してくれるようになりましたよ。
(4)できたことに目を向けて気持ちを伝える
イヤイヤが始まるとどうしても嫌なところばかり目についてしまいます。しかし、子どももずっと同じというわけではありません。
靴を自分で履けるようになった、お風呂にすんなり入ってくれた、ご飯を残さずに食べられたなど、昨日できなかったことが今日はできていることも。
そんなときは、できて当たり前のことも褒めてあげるようにしました。「今日はお風呂にすぐはいってくれて嬉しいな」とできたことにフォーカスして褒めることで、嬉しいという気持ちを伝えるようにしました。
子どもも、パパやママが嬉しいと自分も嬉しいし、子どものいいところを見つけることで、嬉しい時間を増やしてイライラを軽減することができましたよ。
(5)息抜きを大切に
イヤイヤ期の子どもと一日中一緒にいると、「今日は何もできなかった」「つい子どもを叱ってしまった」と、自分を責めてしまうことも。そんなときは、子どもが寝た後に自分へのご褒美としてスイーツを楽しんだり、休日にはパートナーや祖父母に子どもを見てもらって1人時間を持つようにしました。
しっかりリフレッシュしてパワーチャージしないと、子どもに十分なエネルギーを注げません。自分のケアも大切にして、子どもと向き合える心の余裕を持ちましょう。
イヤイヤ期はとにかくトライアンドエラーが大切。その子によってイヤイヤポイントや、こだわりポイント、かんしゃくポイントは異なります。「この間はこうだったから、こうしよう」と親もトライアンドエアラーを繰り返してイヤイヤ期を乗り越えていきましょう。ずっと続くことはなく、いつか終わりがくるものです。子どもの「できた!」や成長を感じながら付き合っていきましょうね。
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文/みらい
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