KBS京都で放送中の『谷口流々』。
谷口キヨコが、京都を中心に活躍する人々の仕事現場に足を運び、十人十色の人生哲学を紐解いていきます。
2023年5月27日(土)の放送では、こんにゃく料理研究家・和田久美さんに話を伺いました。
Profile:こんにゃく料理研究家・和田久美さん
こんにゃく料理研究家・和田久美さんは、こんにゃく製造を行う『和田商店』の若女将。定期的にこんにゃく料理教室も開催しています。
ご主人が京都の中央卸売市場でこんにゃく屋をされていて、そこに嫁いできた和田さん。 元々料理が好きで、こんにゃくを使って和食だけではなくいろんなものにアレンジして教室を開いています。
取り扱っているこんにゃくは、手作業で大量生産ができない、バタ練り製法という昔ながらの製法で作られたものです。羽のついた機械でバタンバタンと混ぜ合わせ、空気をたくさん入れます。気泡が入ることで味しみの良いこんにゃくになります。
生のままドレッシングにつけたり、お出汁につけても味がしっかりと入っていく点が特徴です。
3種類のこんにゃく料理を和田さんが作ってきてくれました。まず最初に『冷凍こんにゃくの唐揚げ』をいただきます。
板こんにゃくを薄くスライスして冷凍させ水分を抜いてカリカリにしたものに、醤油と生姜とニンニクで味をつけ、粉をつけて揚げた唐揚げです。
噛み応えがあり、噛むたびに味が出てきて、お酒が進むお味です。鶏皮に近い味わいです。
続いて、『糸こんにゃくのフライ』をいただきます。
糸こんにゃくを冷凍して水分が抜けたものに、桜えびを混ぜかき揚げのように揚げています。揚げたてでなく冷めてもパリパリした食感が味わえ、お弁当のおかずにもおすすめです。
最後に、『こんにゃくのようかん』をいただきます。
市販のあんこを使って羊羹を作る時にこんにゃくを混ぜあわせています。
水分がこんにゃくから出て水羊羹のような風味です。甘いものが苦手な人にもさっぱりとした水羊羹のようにいただけるのでおすすめです。
こんにゃく店の女将に
和田さんは、元々は横浜出身でアパレル勤務でした。
同世代で飲みに行った先で、実家がこんにゃく屋という今のご主人と出会い、和田さんの母方の実家が群馬でこんにゃく粉の製造卸だったということで話が盛り上がりました。
関西に転勤になったのをきっかけに結婚することとなり、関西に引っ越してきました。
その後、こんにゃく屋を継いでいたご主人の叔父が病気になり、ご主人がこんにゃく屋を継ぐことになりました。
こんにゃくの魅力を伝える
ある日、友人のライターから、こんにゃくとワインの記事を書きたいからレシピを作ってと依頼されたそうです。そして、「あなたはこんにゃく料理研究家です。」とその友人が名付けたんだそうです。
料理も好きで、毎日冷蔵庫にはこんにゃくがあり、いろいろ作っていたため、やってみるとメニューが頭の中で浮かんできて楽しかったそうです。
そして料理教室は、発酵の勉強を元々していた和田さんが大阪の豊中にいる先生に家で教室をやってみないかと誘われ、レシピを作り、教室を始めました。それから5年以上、今もずっと続いています。
和田さんは教室であえて和食を作ってないので、教室の皆さんの反応は、「目から鱗」と言われることが多いそうです。
イタリアンの前菜からデザートまでコース料理をこんにゃくで作ってみたりと少し遊びを加えながら楽しんでいます。
ほかにも、中華料理やエスニック、タイ料理風など、世界を旅するようなこんにゃく料理を紹介しています。
以前、和田さんは友人に「こんにゃくって買わない食材よね」と言われたことがあるのだそうです。家では調理せずに、外でおでんなどに入っているぐらいでという風に言われたんだそうです。
昔から、『砂おろし』という言葉があるように、こんにゃくには便通が良くなったり、身体から外に出す作用があったりと言われてきました。「日本人は取った方がいい食材だと思うので何かしらで取って欲しいな」という思いで和田さんは活動されているのだそうです。
和田さんを表すことば
今回の“和田さんを表すことば”は『蒟蒻はいります』。身体に良い食材なので、工夫してこんにゃくを食べていきたいですね。
こんにゃく料理の新しい可能性をどんどん生み出していく、和田さん。楽しみながら、こんにゃく料理の普及をされている和田さんのレシピが、これからも楽しみです!
和田さんの『こんにゃくドライカレー』のレシピはこちらからチェック!
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文/きょうとくらす編集部
【画像・参考】谷口流々(毎週土曜日9:30~10:00) – KBS京都
※この記事は、2023年5月27日(土)放送時点の情報です。最新の情報は各店舗・施設にお問い合わせください。