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祇園で独自の進化を遂げた「広東料理店」【京都市東山区】

KBS京都で放送中の『京都画報』。
クオリティーライフを送る方々に最新で上質な京都の“美”・“知”・“芸”・“技”・“食”をお届けしています。
今回は、2023年4月4日(火)の放送から、『広東御料理 竹香』をご紹介します。

白川の名店「広東御料理 竹香」

『広東御料理 竹香』外観
画像:KBS京都『京都画報』

白川にある祇園グルメの名店『広東御料理 竹香』。

『広東御料理 竹香』店内
画像:KBS京都『京都画報』

創業1966年、広東料理の老舗『芙蓉園』で修業した初代が独立。
土地柄、祇園町の芸舞妓や、お茶屋関係者御用達の人気店となりました。

こちらのお店は創業当時、現在の女将のおばあさんがお茶を教えていて、芸舞妓さんがたくさん通っていたそうです。

『広東御料理 竹香』にある橋本関雪の掛け軸
画像:KBS京都『京都画報』

また、お茶の先生もしながら、竹香という名前で旅館も運営していて、北大路魯山人や橋本関雪が来たこともあるそうです。

対象・昭和期の京都画壇で活躍した文人画家の橋本関雪作の掛け軸が飾られています。

『広東御料理 竹香』の竹香さん肖像画
画像:KBS京都『京都画報』

お店の名前は、現在の女将のひいおばあさんで、大正から昭和にかけて活躍した祇園の芸妓さん・竹香さんから取ったのだそうです。愛嬌がある優しい眼差しで、今もお店の歴史を見守り続けています。

『広東御料理 竹香』竹香さんの私用した櫛
画像:KBS京都『京都画報』

芸妓・竹香さんの簪と櫛が店内には飾られています。贔屓のお客さんに合わせた小物をつけお座敷に上がっていたそうです。

祇園町で完成した独特の広東料理メニュー

『広東御料理 竹香』やきぶた
画像:KBS京都『京都画報』

『竹香』の中華は祇園ならではの好みに合わせ、独自の進化を遂げました。『やきぶた』は、上品なお色で、柔らかく、火入れの加減が絶妙です。

『広東御料理 竹香』やきぶた
画像:KBS京都『京都画報』

砂糖と醤油、胡椒とシンプルで上品な味付けです。

『広東御料理 竹香』はるまき
画像:KBS京都『京都画報』

『竹香』の名物料理『はるまき』。クレープ状の生地に、炒めた筍、豚肉、蟹を巻いた具沢山な人気メニューです。

『広東御料理 竹香』はるまき
画像:KBS京都『京都画報』

生地はモチモチした食感が堪りません。元は長細い春巻きを1本を8つに小さく切った一口サイズになっています。お茶屋さんへの出前などもしていたため、舞妓さんの化粧が崩れず一口で食べられるように、着物が汚れないようにと配慮され、今の形になりました。

『広東御料理 竹香』すぶた
画像:KBS京都『京都画報』

竹香のもう一つの名物料理が『すぶた』です。豚肉、カリフラワー、パイナップルのみといたってシンプルな具材で、味付けにはにんにくや香辛料を一切使っていない点も特徴です。

『広東御料理 竹香』すぶた
画像:KBS京都『京都画報』

あっさりとした味わいで、女性でもいくらでもいただけそうな優しい味わいです。

芸妓さんが仕事前に食べても大丈夫なように、ニンニクやネギ、タマネギ、生姜など匂いが気になるものが除かれています。祇園町で出来上がった独特の広東料理です。

シンプルで飽きの来ない『広東御料理 竹香』の料理は祇園町の人達にとって慣れ親しんだいつもの味なんでしょうね。是非皆さんも一度足を運んでみてくださいね。

【詳細情報】
広東御料理 竹香
住所:京都府京都市東山区新橋通花見小路西入

文/きょうとくらす編集部

【画像・参考】京都画報(毎月第1火曜日 20:00~20:55) – KBS京都
※この記事は、2023年4月4日(火)放送時点の情報です。詳しくは店舗へお問い合わせください。