京都はラーメン激戦区とよばれ、特に一条寺・修学院エリアには数十メートルおきにラーメン店が軒を連ねるほど、店によってスープや麺の形状も様々なラーメンが味わえます。京都の食文化を語るうえで“ラーメン”は一つのテーマになると言えるでしょう。
今回は京都のローカル放送局KBS京都の社員に「お昼に食べたいラーメンを教えて」というアンケートを取り、上位に挙がったラーメン店5軒を紹介します。
1:いいちょラーメン(下鴨エリア)
『いいちょラーメン』は北大路通と下鴨中通の北西に位置する創業25年のラーメン店。京都ラーメンの源流ともいえる鶏ガラや豚骨を使った“背脂チャッチャ系”のラーメンが味わえます。創業者の井居さんが店を始めましたが、2021年ごろから息子さんが代を継ぎ店の味を守っています。
ラーメンの種類は『ラーメン(醤油)』『塩』『味噌』
鶏ガラ7割、豚骨3割であっさりと仕上げたスープと、麺は製麵所『来々軒』の細麺を使ってスルッとしたのど越しを作っています。
【アンケートのコメント】
京都の背脂チャッチャ系ラーメンでは一番おいしいと思う。
チャーハンも美味しい。
お客さんの8割が頼む「やきめし」
『いいちょラーメン』で合わせて食べてほしいのが『やきめし』。なんとお客さんの8割が頼んでいくという逸品です。濃い目の醤油にねぎ、卵、叉焼というシンプルな具材。高温で鍋を振り、こだわりの油で香りを残しながら醤油の香りを引き立てます。
家族経営でアットホームな雰囲気
『いいちょラーメン』は、大通りからすこし路地に入ったところにあり、風格ある店構えから一見入りにくい雰囲気もあるかもしれませんが、安心してください!
お店は創業者・井居さんの息子さん2人と、お母さん、アルバイトさんがアットホームな雰囲気で迎えてくれます。しかも、店長の涼太さん(28歳・取材時)は明るく陽気な美男です。近隣には大学も多いため、女子大学生同士でもよく来られるそうです。
【店舗詳細】
いいちょラーメン
住所:京都府京都市左京区下鴨東半木町 70-10 エイブル東半木 1階
電話番号:075-711-0141
営業時間:11:00〜15:30 (L.O.15:15)/17:30〜21:00(L.O.20:45)※売り切れ次第終了
定休日:木曜日(祝日の場合は営業)・臨時休業あり
2:中華そば 東龍(北白川エリア)
『東龍』を象徴する黄色のスープ。“ポタージュ系”と呼ばれる、豚骨や鶏ガラに数種類の野菜をじっくり煮詰め、ポタージュのようにドロドロにしたスープが特徴です。スープがドロドロ=脂っこいと思われがちですが、『東龍そば』はコクはありつつも、唇が張り付くほどの脂っこさはなく野菜のうまみが溶けています。
【アンケートのコメント】
見た目は濃ゆそうだが、あっさりとして味に深みを感じられるところ。
スープがクリーミーで玉子麺なのも甘みがあって美味しいです!
女性や子どもに安心して食べてほしいと思った
店主の森本さんは、2000年に『東龍』を開く前、和食の道に進んだ後、世界各国の料理を学んできました。帰国後、飲食店をやろうと思った際に誰でも気楽に食べられるラーメンを作ってみたいと思いラーメン作りを一からスタートします。
昔から京都で食べられている醤油や豚骨のラーメンは馴染みありましたが、森本さんは誰も挑戦したことのないような独自のラーメンを作りたいと思い、スープづくりの研究に没頭します。
そこで森本さんを支えたのが、オーナーの「女性が安心して食べられるようなラーメンを作ってほしい」という一言でした。
家族や子どもの食を預かる機会の多い女性がスープに使われている食材や、作り方まで安心して食べられるラーメンを作ってほしいという願いから生まれたラーメンだったのです。
「おうち東龍」も
『東龍』ではお家でも『東龍そば』を味わえるよう冷凍の東龍そば『おうち東龍』を販売しています。お店の前にある自動販売機でいつでも手軽に購入ができ、食べたいときにいつでも調理できるのが便利です。しかも、お家で調理する時に刻み野菜を加えればさらに栄養満点に!
【店舗詳細】
中華そば 東龍
住所:京都府京都市左京区北白川上別当町1-2 青山荘 1階 6号
電話:075-703-0900
営業時間:11:30〜14:45/18:00~21:00(L.O.)
定休日:水曜日
3:らぁ麺とうひち(修学院エリア)
叡山電鉄『修学院駅』からほど近い『らぁ麵とうひち』写真は定番メニューの『鶏醤油らぁ麺』。
『らぁ麵とうひち』の凄いところは季節ごとに発表される新メニューや直製麺機で作られる麺の形状の豊富さでしょう! それもそのはず、アンケートの結果も回答者の好きなラーメンのメニューが全てバラバラ。
すべてのスープには天然素材を使用しています。定番の味の美味しさも追及しながら、新しいらぁ麺との出会いを提供してくれるお店です。
【アンケートのコメント】
スープは鶏出汁に生揚げ醤油のみというシンプルな風味。あっさりとしたスープは鶏の旨味が抜群で、老若男女問わず好まれる味わいです。中細ストレート麺はすすり心地抜群で、やや平たく独特の食感も美味です。(鶏油まぜそば)
ひと口飲めば口の中にひろがるスープが絶品(煮干し魚介らぁ麵)
夏季は毎週「冷やしらぁ麺」10連チャン
『らぁ麵とうひち』では夏季シーズンに『冷やしらぁ麵』を、スープと麺の小麦の配合や形も変えて週替わりでトータル10種類のらぁ麺を提供しています。
そんなことができるのは代表袖岡さんの“まだ見ぬ食材への探求心”の賜物と言えるでしょう。旅先で出会ったご当地野菜や、出汁にできる食材を見つけて、新作のアイデアにしているそうです。『地鶏とトウモロコシの冷やしらぁ麵』は女性にも大人気。これだけを目当てにくるお客さんもいるそうです。
【店舗詳細】
らぁ麺とうひち
住所:京都府京都市左京区山端壱町田町8-6 京福修学院マンション 1階
電話番号:075-721-6556
営業時間:11:00〜14:30(L.O.)/18:00〜21:00(L.O.)
定休日:火曜日
4:麺屋 優光(烏丸御池エリア)
麵屋優光のメニューはシンプルに3つ。
淡竹(貝だしベース)/真竹(醤油)/黒竹(濃い醤油)
出汁は鶏出汁100%で、うどん粉と全粒粉を使った自家製麺を使っています。
うどん粉を使うことで嚙んだ時にもっちりとした触感を、そして全粒粉を配合することで小麦の香ばしさをプラスしています。全粒粉を使用しているのは健康志向な人にも嬉しいポイントですね。
【アンケートのコメント】
あっさりの中に、お醤油のうまみ、貝の出汁がきいているところ。(淡竹)
黒いスープですがフルーティな風味がするところ、何杯でも食べられそう(黒竹)
スープがお気に入り。古き良き醤油ラーメンを現代的にブラッシュアップした感じ、とでも言ったらいいか?(真竹)
カフェのような店内
麺屋優光はカフェのようなガラス張りのエントランスに白壁と明るい木彫のカウンターやテーブル椅子が並びます。
外から見たときにお店の雰囲気が分かりやすく、誰と来ても落ち着いた雰囲気でラーメンが食べられますよ。店内で流れているMr.childrenのBGMは「店長がファンだから」という理由で。
【店舗詳細】
麵屋優光
住所:京都府京都市中京区場之町588
電話番号:075-256-3434
営業時間:11:00〜15:00/17:30〜22:00
定休日:木曜日
5:天下一品
やはり京都でラーメンを語る際に『天下一品』のこってりは欠かせないでしょう! 鶏ガラと十数種類の野菜をベースに完成された唯一無二の味といっても過言ではありません。
【アンケートのコメント】
完成度の高さと栄養満点
ときどき無性に食べたくなる
……とある社員からは
「ラーメンを食べる」と「天一を食べる」は、もはや別の意味になってきた(もはや格言)
創業50年以上 全国で愛されるラーメン店
京都の北白川にある総本店。昭和46年(1971年)創業者木村勉会長がラーメンの屋台を引きはじめたのが京都の地でした。いまでは全国218か所に天下一品グループの店があります。
【店舗詳細】
天下一品 総本店
住所:京都府京都市左京区一乗寺築田町94 メゾン白川 1階
電話番号:075-256-3434
営業時間:11:00~翌1:00(L.O. 閉店15分前)
定休日:なし
番外編!?
アンケートを取った際に興味深い質問が投げられました。
「担々麵はラーメンですか?」「つけ麵はラーメンですか?」
筆者はどちらもラーメンのカテゴリーに入ると思っているのですが、いわゆる「汁に浸かっているラーメン」以外の人気ラーメンとしてこちらのお店に人気が集まった。
6:汁なし担々麺 ラアノウミ(今出川エリア)
『汁なし担々麵ラアノウミ』は、同志社大学新町キャンパスの近くに位置します。昼間は同志社大学の学生さんに大人気。
手作りラー油と数種類のスパイスを混ぜて独自のブレンドで完成した『汁なし担々麺』を京都で食べられるところはまだ少ないです。地産地消にこだわった京都の食材を使用しています。
【アンケートのコメント】
山椒の辛さがちょうどよく、ご飯との相性も抜群。辛みと旨味のバランスがちょうどいい。
柴漬けがのっているのがいい。
辛くないのも作れます!
担々麺は辛くて苦手というあなたも『ラアノウミ』なら食べられるかも!
注文する際に、辛いのが苦手なことを伝えれば、辛くない担々麺を作ってくれます。「汁なし担々麵をいろんな人に食べてほしい」と語る店長の木元さんは、辛さの中の”旨さ”を引き出すことを大切にしています。
白い壁に観葉植物がおかれた店内はお洒落で会話も弾みそうです。
【店舗詳細】
汁なし担々麺 ラアノウミ
住所:京都府京都市上京区上立売1-7瑞祥ビル地下1階
電話番号:075-406-0523
営業時間:11:00〜15:00/17:00〜21:30(L.O.21:00)
定休日:不定休
文/きょうとくらす編集部
【画像・参考】天一食品商事/汁なし担々麵ラアノウミ/きょうとくらす編集部
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