KBS京都で放送中の『谷口流々』。
谷口キヨコが、京都を中心に活躍する人々の仕事現場に足を運び、十人十色の人生哲学を紐解いていきます。
2023年10月7日(土)の放送では、ランドリーカフェオーナー・山本理恵さんに話を伺いました。
Profile:ランドリーカフェオーナー・山本理恵さん
山本理恵さんは、西院にある『KYOTO LAUNDRY CAFE』のオーナー。みんなで遊べるランドリーをコンセプトに地域のコミュニティづくりを目指しています。
コインランドリーカフェ
洗濯機の並ぶコインランドリーに併設されたカフェ『KYOTO LAUNDRY CAFE』。食事や用事を済ませながら洗濯を待つことができます。
カフェでは日替わりランチを提供。低価格でお腹いっぱいになるよう、野菜を中心に旬のものを使いながらボリューム満点に作られています。
店内の壁にはたくさんのチラシが貼られています。カフェスペースを使った英会話スクールや韓国語などの講座、さらには手作り教室やマルシェなどを開催しているそうです。
「洗濯物がぐるぐる回るように、人同士のご縁や出会いもぐるぐる回したい」と山本さん。目指すは地域のコミュニティづくりです。
在日コリアンとして生まれて
山本さんは京都で生まれ育った在日コリアン3世。
父・崔原淵さんは、30年以上地元に根付いた学習塾を経営。苦労することがあっても、持ち前のキャラクターで乗り越える姿を山本さんは見てきました。
山本さんは生まれも育ちも日本だったため、大人になるまで韓国語が全くできなかったそう。自身のルーツと向き合ったのは、社会人になってからでした。
大学卒業後、出版社や法律事務所で働いていたという山本さん。韓国語の勉強を始めたのは27歳のとき。ちょうどドラマで韓流ブームが起きていた時期で、自分のルーツを身近に触れたことがきっかけになり興味が湧いたのだそうです。
韓国へ旅行にもいき、徐々に移住を考えるように。当時の職場の後押しも受け、”第二の人生”を始めることを決意しました。
実際に韓国で働いてみると”グローバル”だと感じる場面が多々あったのだとか。
働いていた韓国の会社は多国籍企業のようなスタイルで、1つのプロジェクトにアメリカや中国の担当者がいるダイナミックな環境でした。
山本さんに任された仕事は日本企業と韓国企業をつなぐこと。似ているようで異なる文化や考え方の調整が大変な時もありましたが、どちらも分かるからこそ、橋渡し役として力を尽くしていったといいます。
長期間住むつもりで韓国へ渡った山本さんですが、父・崔原淵さんの病気をきっかけに帰国。
日本で再び働くにあたり、自営業だった父への憧れが湧いてきたといいます。また、久しぶりに戻ってみて地元や日本の素晴らしさが光って見えたのだそう。
この2つが繋がり、世界で一番好きな“地元”で自営業をやってみたいと考え、2019年に『KYOTO LAUNDRY CAFE』をオープンしました。
ブレンディングコミュニティ
様々な角度から人と人をつなげ、融合させる”ブレンディングコミュニティ”づくりを意識しているという山本さん。
ランドリーカフェでは、”洗濯”をきっかけに利用者同士の繋がりが生まれるのが楽しいのだとか。
山本さんは「自分が行けるコミュニティができあがれば、生活も豊かになっていく。自宅や職場とは別の居心地のいい”サードプレイス”があるといい」と話します。
「これまで知らなかった人や場所との出会い、また、それらをクロスさせるためにこのカフェを使ってもらいたい。興味のある人、大歓迎です!」とエネルギーあふれる山本さんの笑顔が印象的でした。
山本さんを表すことば
今回の”山本さんを表すことば”は、「4th PLACE 감사합니다」。ハングルは「カムサハムニダ(ありがとう)」の意味です。
『KYOTO LAUNDRY CAFE』自体をサードプレイスとするのもよし、さらにそこからコミュニティが発展していくのもよし。
訪れるたびに、思いもかけなかった出会いがありそうでわくわくしてしまいますね。
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文/さとみ縁
【画像・参考】谷口流々(毎週土曜日9:30~10:00) – KBS京都
※この記事は、2023年10月7日(土)放送時点の情報です。最新の情報は各店舗・施設にお問い合わせください。