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100種類以上!カカオの可能性を追求する「板チョコレート専門店」【京都市東山区】

KBS京都で放送中の『谷口流々』。
谷口キヨコが、京都を中心に活躍する人々の仕事現場に足を運び、十人十色の人生哲学を紐解いていきます。
2023年8月26日(土)の放送では、板チョコレート専門店店主・宮原利衣さんに話を伺いました。

Profile:板チョコレート専門店店主・宮原利衣さん

宮原利衣さん
画像:KBS京都『谷口流々』

宮原利衣さんは、京都・東山にある『+chocolat(プラスショコラ)』の店主。

こちらのお店では常時100種を超えるチョコレートを味わうことができ、ドリンクを決めるとぴったりのチョコレートをセレクトしてくれます。

板チョコが並ぶ
画像:KBS京都『谷口流々』

『+chocolat』では、世界各国から集めたタブレットチョコレートを購入することができるだけでなく、チョコレートとドリンクのペアリングを楽しむことができます。

谷口さんと宮原さん
画像:KBS京都『谷口流々』

バーのようなカウンターのある店内で、さっそくチョコレートとドリンクをいただくことに。

お茶とホワイトチョコレート
画像:KBS京都『谷口流々』

発酵番茶をオーダーすると、『アケッソンズ』のホワイトチョコレートをセレクトしてくれました。

『アケッソンズ』のホワイトチョコレート
画像:KBS京都『谷口流々』

「一般的なホワイトチョコレートとは全く違う味や香りが楽しめますよ」と宮原さん。

チョコレートの持つパワーと、お茶の優しさが絶妙にマッチしています。

中学生の頃のバレンタインの思い出

中学生の頃の宮原さん
画像:KBS京都『谷口流々』

宮原さんには、チョコレートを意識するようになった印象的な出来事があったと言います。

それは、中学2年生の頃のバレンタインデーに、「手作りチョコで意中の彼に喜んでほしい」と、製菓用のチョコレートをいくつか買ったこと。

谷口さんと宮原さん
画像:KBS京都『谷口流々』

数種類買った製菓用のチョコレートを食べ比べてみたところ、どれも味が違うことに気がつきました。パッケージを見ると、カカオの含有量のパーセンテージやカカオの産地に差があることを発見。

同じチョコレートでも味が全く違うことに驚き、気づけば買ったチョコレートを全て食べてしまっていたのだとか!

谷口さんと宮原さん
画像:KBS京都『谷口流々』

「この驚きを、いろんな人に伝えたい」という衝動に駆られた宮原さん。

それからは毎日のように学校にチョコレートを持参し、友達に様々なチョコレートを配りました。しかし、友人たちの反応は「うん、おいしいね」と当たり障りのないものでした。

製菓用のチョコレートのパッケージは、地味なもの。「確かにこれでは、そもそもチョコレートに興味がない人たちにはピンとこないよな……」と思ったのを覚えているそうです。

留学先のカナダでの出会い

たくさんの板チョコ
画像:KBS京都『谷口流々』

その後も、チョコレートへの愛を絶やすことなく生活していた宮原さん。

大学生の頃にカナダに留学した際、スーパーマーケットに並ぶ大量のチョコレートと出会います。驚いたのは、それらが全て板チョコタイプのものだったということ。

たくさんの板チョコ
画像:KBS京都『谷口流々』

さらに、並ぶ板チョコを手に取ると、様々なカカオのパーセンテージや産地が記載されているではありませんか。

「これぞまさしく私が中学生の頃に出会い、感動したチョコレートだ!」と衝撃を受けたという宮原さん。しかも、パッケージはカラフルで可愛らしいものばかり。

留学時の宮原さん
画像:KBS京都『谷口流々』

「チョコレート好きでなくても思わず手に取ってみたくなるような綺麗なパッケージに、私が伝えたかったカカオ本来の良さがわかるチョコレートが入っている!」と感動します。

チョコレートを求めて旅をする宮原さん
画像:KBS京都『谷口流々』

チョコレート愛に再び火がついた宮原さんは、ヶなんとその後、おいしいチョコレートを求めて30〜40ヶ国を旅したのだそう。

チョコレートの可能性

谷口さんと宮原さん
画像:KBS京都『谷口流々』

帰国後、一度は就職し東京で会社員となります。

ある日たまたま訪れた手作り市で、アメリカ産のチョコレート『アンチドート』が売られているのを発見しました。「こんなところでなぜ?」と疑問に思い、お店の方に話しかけたところ、偶然にもその人はチョコレートの輸入者でした。

谷口さんと宮原さん
画像:KBS京都『谷口流々』

チョコレートトークに花が咲き、色々な話をしたところ、相手は宮原さんの並々ならぬチョコレート愛に気がついたようで、なんと「一緒にチョコレートを輸入しないか」と声をかけてくれました!

副業としてチョコレートの輸入を始めた宮原さん
画像:KBS京都『谷口流々』

これがきっかけで、宮原さんは副業としてチョコレートの輸入販売を手伝うことに。

その中で、輸入者は思いのほかたくさんいること、そして反対に、販路はほとんどないということを知りました。

谷口さんと宮原さん
画像:KBS京都『谷口流々』

強い危機感を感じた宮原さん。思い切って勤めていた本業の会社を辞め、お店を開くことを決意します。

2018年11月に、板チョコの魅力をたくさんの人に伝えたいという思いを詰め込んだ『+chocolat』をオープンしました。

谷口さんと宮原さん
画像:KBS京都『谷口流々』

程なくしてコロナ禍がやってきて、しばらくはお店を閉めていましたが、1年ほど経った頃、様々な縁ときっかけに恵まれて2号店をオープンすることに。

宮原さんがオープンした2号店
画像:KBS京都『谷口流々』

2021年3月にオープンした2号店では、“食材としてのカカオ”を追求。例えばカカオ麻婆茄子など、料理にカカオを使うというアイデアを提案しています。

谷口さんと宮原さん
画像:KBS京都『谷口流々』

コロナ禍の中、2店舗を経営するということは「正直大変でした」と宮原さん。

しかし中学2年生の頃に感じた衝撃と、「カカオの奥深さを知ってほしい」という強い思いが原動力となってくれていると、楽しそうに話してくれました。

宮原さんを表すことば

宮原さんを表すことば
画像:KBS京都『谷口流々』

今回の“宮原さんを表すことば”は『カカオの呪縛』です。

もはや“呪縛”とも言えるほどに心を掴んで離さなかったカカオの魅力が、宮原さんを動かすパワーの源になってくれているんですね。

ぜひ皆さんもお店を訪れて、チョコレート、そしてカカオのおいしさと可能性を感じてみませんか。

文/ななえ

【画像・参考】谷口流々(毎週土曜日9:30~10:00) – KBS京都
※この記事は、2023年8月26日(土)放送時点の情報です。最新の情報は各店舗・施設にお問い合わせください。