KBS京都で放送中の『きょうとDays』。
今回は、2023年11月9日(木)に放送された『ふるさと Days』コーナーから、南丹市八木町で小さなラーメン店を営む82歳の店主・松尾晃さんをご紹介します。
地元で愛されるラーメン店「愛宕菜館」との出会い
南丹市八木町の国道沿いにある『愛宕菜館(あたごさいかん)』は、2019年にオープンした人気ラーメン店。
同店で店主を務めている松尾晃さんは、20代の頃京都で名を馳せた中華料理の名店『桃花春(とうかしゅん)』で腕を磨いた実力派です。
20年程前、働いた中華料理店の名前を引き継いだラーメン店を右京区・鳴滝に開店。連日行列ができるほどの人気店だったようです。
しかし、あまりの忙しさに松尾さんは過労でダウン……。
かなりしんどかったそうですが、「体力づくりのために歩いているだけではまたダウンする。何か目標を持たないと」と考えていたとき、現在営んでいる店舗に出会いました。
若い頃に聞いた師匠の言葉
松尾さんが働く厨房はきれいに片付き、道具はどれもきちんと手入れされている印象。
調理している包丁は、なんと30年物! 研いで研いで大きかった刃が小さくなるほど使い込まれています。
それは、若い頃に師匠として慕っていた名人クラスのオーナーシェフから言われた「自分の使う道具を大事にしない人間は嫌いだね」という言葉が今でも染み込んでいるんだとか。
元々はずぼらな面もあったと言いますが、現在でも師匠の言葉を仕事の基本にしているそうです。
「愛宕菜館」の人気メニュー
『愛宕菜館』の開店は午前11時。10席足らずのカウンターとテーブルは、あっという間に満席に。
塩ラーメンと味噌ラーメンに加え、餃子や唐揚げなど比較的メニューの品数は少なめ。これは、狭い厨房でパートさんと2人でしっかりと注文をさばけるよう設定しているのだそうです。
ちなみに醤油ラーメンを作らないのは、以前の店のレシピを譲ったからなんだとか。
白菜とネギ、モヤシ、キクラゲ、ひき肉と具材はたくさん! 中細ストレート麺の上にチャーシューとネギ、メンマを盛りつけたら『塩らーめん』(900円)の完成です。
鶏ガラと豚骨ベースのスープには、ニンニクの風味をプラス。あっさりしながらも深みのある一杯は、地元客だけでなく、亀岡市や遠方からも評判を聞きつけ足を運ぶ人で賑わいます。
味はもちろん、店主である松尾さんの人柄に惹かれるお客さんも多いのだそう。
歳を重ねてもゆっくりしようとはせず、明日や3日後の伸び具合を楽しみに働いているという松尾さん。
「生きているうちは、ラーメンを食べてもらって『おいしい』という一言をいただいたらそれが一番の薬になると思います」と話します。
午後2時半までの約3時間半の営業のなか、今日もお客さんの笑顔に答えるために松尾さんはラーメンを作り続けます。
他のお店にはない愛情のこもったラーメン、一度は味わってみたいですね!
【詳細情報】
愛宕菜館
住所:京都府南丹市八木町八木東久保38
営業時間:11:00~14:30
定休日:火曜日
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文/sumire
【画像・参考】きょうとDays(毎週月~金曜日17:35~18:00) – KBS京都
※この記事は、2023年11月9日(木)放送時点の情報です。