京都在住パン大好きライターがおすすめする「大正製パン所」

日本一パンの消費量が多い京都に生まれ育ったパン大好きライターのみやこです。

連載『きょうとのパンとくらす』では、これまで150店舗を超えるパン屋さんを訪れた筆者がおすすめするパン屋さんを紹介します。

さて、今回紹介するのは、パン屋さん激戦区の京都でも2番目の歴史をもつ老舗のパン屋さんです。

レトロな雰囲気が漂うお店

市バス46系統・千本今出川バス停下車すぐのところにある『大正製パン所』。お店の名前の通りこちらは、大正8年（1919年）創業、100年以上続く老舗のパン屋さんです。

千本通から今出川通を東に少し入ると、レトロな雰囲気の看板がお出迎えしてくれます。

店内に足を踏み入れると、昔懐かしい雰囲気が漂ってきます。古き良き時代の面影が残る店内は、まるでタイムカプセルのよう。その中でパンを選ぶのも、また一つの楽しみですね。

パンの種類は本当に豊富で、目移りするほどです。手書きのPOPがアットホームな雰囲気を醸し出し、パンの魅力や特徴が書かれているため、選ぶ際には心強い味方となります。

並んでいるパンはどれも手頃な価格なのもうれしいですね。

今回は、私がおすすめするこちらの3種類のパンをご紹介します。

『中辛カレーパン』（190円）は、後味にピリッとスパイスがきいた中辛カレーを包み込んだ一品です。興味深いのは、一度焼きこんでから揚げるという手法。この工程により、時間が経ってもそのサックリ感が損なわれにくくなっているそうです。

自家製のカレーは濃厚でありながらも、スパイシーな風味が広がります。しっかりと辛味がきいた味わいは、カレーパン好きにはたまりません。パン自体は少し小振りですが、中にはたっぷりとカレーが詰まっているので、食べごたえ十分でした。

『竹輪パン』（250円）は、ふんわりとしたパンで竹輪を包みこんだ一品で、穴の中にはツナも詰められている大変人気のあるパンです。

一口ごとにツナの風味が広がり食欲をそそります。さらに、紅しょうがや青のりの風味も相まって、絶妙な味わいが楽しめます。このパンはおかず感覚で食べられるため、ランチにもピッタリですよ。

『フラワーサンド』（180円）は、ふんわりとしたパンに、口どけの良いクリームとミルクチョコレートをサンドした一品です。カリッとした歯ごたえのミルクチョコレートが、ふんわりしっとりとしたパンとの食感の違いを楽しませてくれます。

ほのかな甘さのクリームと、しっかりとした甘さのミルクチョコレートの組み合わせは、口の中で優しい甘に変化し全体が良く調和しています。レトロな雰囲気もたまりません。

懐かしい雰囲気が逆に新しさを感じさせる人気のパン屋さん。100年もの長い歴史を刻むその理由は、地元の人々に愛され続けているからこそ。このお店は、時代を超えても変わらないおいしさと温かさを提供し続けています。一度足を運ばれてはいかがでしょうか。

【店舗詳細】
大正製パン所
住所：京都府京都市上京区今出川通千本東入る般舟院前町136
営業時間：8:30〜18:00
定休日：日曜日・月曜日・祝日

取材・文／みやこ

【画像】みやこ
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