京都には人におすすめしたくなるようなスイーツがいっぱいありますよね♡
連載『きょうとのスイーツとくらす』では、きょうとくらす編集部が「ぜひ一度食べてみてほしい!」とみなさんにおすすめしたスイーツをご紹介します!
今回は、日本の伝統文化の魅力がつまった和菓子をいただける『温 京都御幸町』をご紹介します。
新しいのにどこか懐かしい雰囲気の「温 京都御幸町」
日本の伝統的な建物の造りが目を引く『温 京都御幸町』。
店名には、“忙しい生活の中でも、日本茶と和菓子をゆっくり楽しむ時間で心と体があたたかくなるように”との思いが込められています。
店主の山岡さんは、京都生まれ京都育ち。これまで40か国以上訪れた経験から、日本の職人技術の素晴らしさをたくさんの人に伝えたいという思いを持つようになったのだそう。
和風な店内は、どこかほっと落ち着く雰囲気です。
茶釜のある石のカウンターは“研ぎ出し”という伝統的な方法で作られたものなのだそう。カウンター席に設えた炉には、『黒柿』という黒い模様が自然と入った、大変希少な柿の木が使用されています。白と黒の美しい模様が見るものを魅了します。
また、抹茶茶碗を飾るための棚は、店主がこだわり、木製のカウンターと同じ1本のたぶの木から切り出して作られたもの。統一感があり、木の温かみが感じられます。
気取りすぎずに家族や友人と和菓子を楽しんでほしいと、カウンター6席のほかテーブル席とソファ席が用意されています。
また、苔や岩のある中庭を望めるカウンター席もあります。正面の兜門は、向こう側はどうなっているのかと想像力をかきたてられてしまいます。
店内には職人技術の光る造りがいたるところにあって見どころばかりです。ひときわ目を引く丸窓は“洗い出し”という技法を使い、職人さん3人がかりで完成したのだそう。ぜひ近寄ってその美しさを感じてみてください。
予約は受け付けていないそうですが、開店直後だと比較的スムーズに案内してもらえるのだそう。ちなみに、和菓子はテイクアウトも可能です。
心をわしづかみにされる繊細な和菓子たち
『温 京都御幸町』の和菓子は店内で手作り。
すべての大福は京都産のものやこだわりの旬の食材を使用しています。提供される大福のラインアップがその時々で変わるのもお楽しみの一つです。
大福の名前は、すべて日本の伝統的な風景や色彩から着想を得たもの。これまで知らなかった日本の伝統を知ってほしい、またお客さまに名前を呼ばれて愛されるお菓子になるようにという願いが込められています。
今回いただいたのはいちご大福『花苺』(594円)。ミルク餡で作られたお花が大福の上に咲いているのがかわいらしいですね。お花の中から少し顔を出しているのは、香川県産の希少ないちご『空浮(そらうき)』です。
寒さに当てて熟成させた『空浮』の糖度は、一般的ないちごよりも高い14~16度で、張りのある果肉が特徴なのだそう。
糸を使い半分に切ってみると、気持ちいいほどスッと半分になったいちごがお目見え。
いちごはとにかくやわらかくみずみずしい! おもちは京都産羽二重餅を使用。ふんわりとした大福の生地となめらかな白小豆と大福豆の白餡に絶妙にマッチしています。特に白餡はまるでいちごを包むベールのよう。
口の中に入れるとミルク餡のふんわり優しい味と、甘酸っぱいいちごの風味が広がっておいしかったです!
もう一つご紹介するのは、深い紅紫色が印象的な『静(しずか)』(484円)。商品名の由来である『二人静(ふたりしずか)』は日本古来の色の名前であり、元々は能楽の演目でもあります。
煮たさつまいもと大納言小豆を京都産羽二重餅と鹿児島産の紫芋餡が包んでいます。茶巾で絞って作るので、一つひとつ形が異なりますよ。
一口食べると、思ったよりしっかりとしたお芋感のある和菓子。素朴な甘さは、子どもから大人までおすすめしたい味わいです。
『温 京都御幸町』の大福に使われる砂糖は、通常の約半分の量だといいます。
本来、砂糖は生地のもちもちした食感を出すのに必要な材料です。『温 京都御幸町』では、羽二重餅の生地に蒸気を入れることでもちもち感を出すという工夫をしているのだそう。砂糖の量が控えめとなることで、素材そのものの味をより楽しむことができるのです。
大福と一緒にいただける抹茶(748円)は『ごこう』という高級な品種。注文を受けてから、一杯ずつ点てて提供されます。
口当たりがクリーミーで、とても飲みやすいと感じました。後味には抹茶らしいさわやかな苦味があり、和菓子との相性は抜群でしたよ。
【店舗詳細】
温 京都御幸町
住所:京都府京都市中京区伊勢屋町341-1
電話番号:075-708-6446
営業時間:12:00~18:00
定休日:火曜・水曜
※予約不可
※販売商品は時期により異なります
繊細な和菓子と洗練された職人技術とに懐かしさと同時に新しさを感じられる『温 京都御幸町』。おいしい和菓子とお抹茶をいただきながら、ぜひ五感をフルに使って楽しんでみてください!
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文/さとみ縁
【画像】温 京都御幸町/さとみ縁
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