KBS京都で放送中の『きょうとDays』。
今回は、2024年5月30日(木)に放送された『ふるさと Days』コーナーから、SNSでも注目を集める宇治市の中学生アーティストをご紹介します。
宇治市で活動する中学生アーティスト
多種多様な生き物たちを繊細に描写しながら、幻想的な世界観を表現する一枚のキャンバス。
こちらは月夜の竹林にもののけたちが集まった一枚。これらのアートは一人のアーティストが描いたもので、あることが話題となって現在SNSでも注目され始めています。
そのアーティストが、今回ご紹介する尾上瑞紀さん。なんと13歳の中学生で、宇治市を拠点に活動しています。
瑞紀さんの暮らすご自宅の玄関は、本人の趣味だというアートや古代生物のオブジェなどがぎっしり。
なんと中学生ながら“古生物アーティスト”として活躍する人物なんです。
古生物とは、恐竜やアンモナイトなど、地球の誕生から人類の時代以前に生存していたといわれる生物のこと。
瑞紀さんがまだ4歳の頃、三葉虫を捕まえる“アノマロカリス”という古生物を図鑑で目にしたときから興味を持ち始めたそうです。
それ以来、描けるものには古生物を描き、どんどんと上達して絵画コンクールで次々と入賞を果たしていきました。
古生物の虜になった瑞紀さんは、そこから深海生物、昆虫、微生物やウィルスまで興味を広げ、現在の作品数は1万点以上!
また、アート制作のかたわら、公園などに生き物探しに行くことも多いと言います。初めて見る昆虫を見つけた瑞紀さんの目は、一層輝きを増していました。
病気と向き合いながら活動
3人姉弟の年の離れた末っ子として生まれた瑞紀さん。幼稚園ではグループ行動に一切参加せず、外庭で顔を地面にこすりつけるぐらい生き物を探している子どもだったそう。
就学前に瑞紀さんは自閉スペクトラム症であることが判明。
専門的な支援を受ける道もありましたが、母の夕香里さんは瑞紀さんの本来持っている生き方を尊重することにしました。
小学校では通常学級に進みましたが、次第に集団生活がストレスに。高学年に進級する頃には休みがちになっていました。
周りにうまく溶け込めない自分と葛藤する息子を見ていた夕香里さんは、長女の強いすすめもあり瑞紀さんの作品をSNSに掲載するように。
これが多くの人の目に止まるようになり、これまで知り合うことのなかった人たちとの交流が始まりました。
「自分の絵が周りから評価されるものだと気づけたし、信頼できる人が増えていくにつれて自分が少し明るくなった気がする」と話す瑞紀さん。
瑞紀さんの作品に共鳴した人たちにより、心の孤独感が徐々に溶けていきました。
出会いを重ねていく中で、イラスト制作の依頼やアーティストとしてイベントに招待されることも増え、現在は中学校に通いながら充実した日々を送れているのだそうです。
2024年8月2日(金)・3日(土)には、京都市内にて10代の自閉症アーティストを応援する展覧会『Young talent preview』を企画しているそう。
瑞紀さんの呼びかけに応えた中高生アーティスト10人の感性を集結させます。
「僕の好きな古生物をみんなに知ってほしい」という願いを持った少年アーティストは、これからも誰かの心を動かし活動し続けます。
引き込まれるような世界観のアートを、今後もたくさん制作していってほしいですね。
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文/sumire
【画像・参考】きょうとDays(毎週月~金曜日17:35~18:00) – KBS京都
※この記事は、2024年5月30日(木)放送時点の情報です。詳しくは店舗へお問い合わせください。