KBS京都で放送中の『きょうとDays』。
今回は、2023年11月23日(木)に放送された『ふるさとDays』コーナーから、長岡京市の身体の動き・働きと向き合い世界に挑戦する達人をご紹介します。
人間の身体に向き合い続ける達人が営む整体院「楽水庵」
京都府長岡京市に、人間の体に向き合い続ける、ひとりの達人がいます。
住宅地の一角にあるこちらの整体院『楽水庵(らくすいあん)』のキャッチコピーは「チョット痛いけどキクで!」。中では達人が施術中です。
『楽水庵』を営むのは水谷保雄さん、御年62歳。施術しているのは、キャリア61年のバレエダンサーです。
こちらの女性、5年前に痛めて手術した膝の状態が思わしくなく、およそ1年前から通院しています。
施術に使うのは、キネシオテープと呼ばれる伸縮性のあるテープ。筋肉の動きをサポートすることでケガからの回復や正しい動きを導きます。
筋肉の形状や状態に合わせて、テープを時には飾り細工のように加工して
使用します。水谷さんは、府内では数少ないキネシオテープを使った療法の指導員資格を持ち日々施術と研究を続けています。
施術を受けている女性は、「まだ動いていたいので膝が悪かったらジャンプができない。先生のおかげで飛べるようになった。」と話します。
取材中、膝に痛みのあるカメラマンも見てもらうことに。
「機械的に貼るのではなくてどっちから貼ったらいいかとかね。その人の今の組織の動き方をみて貼るのでそんな簡単なものではないですけど」と水谷さんは話します。
施術してもらった後、カメラマンは膝を軽やかに動かせるようになっていました!
整体院だけではない達人の顔
水谷さんには、ジャパンのジャージを持つシニアアスリートというもう一つの顔があります。
大学時代、琵琶湖のボートクラブに所属し『全日本ボート選手権クオドルプル』で優勝したことのある水谷さん。
今年、ウェイトリフティングの国際大会に2つ出場し、どちらも銅メダルを獲得しました。
「この仕事は好きなんですけど丸一日ここにいるのは嫌。50代の時はこのままでいいのかなと焦りがあった。還暦過ぎたら人生おまけみたいなもので、自分のやりたいことをやってみたいなーってね」と水谷さんは話します。
13年前に整体の仕事を始めてからは若いアスリートのサポートに重点を移していた水谷さんが、本格的に競技へ復帰したのはおよそ5年前のこと。ある別れがきっかけでした。
親しくしてくれていたボートの先輩が心筋梗塞で亡くなり、告別式に言ったら熊本である全日本マスターズボート競技に代わりに出てほしいと頼まれたのだそう。
そして、出場することになったそのレースで優勝。そこからアスリートとしての欲が出てくるようになりました。
かねてから練習していたウェイトリフティングでのマスターズ出場を目指して練習を重ねてきた水谷さん。
3月と6月の国際大会を銅メダルで終えて、いよいよ世界の頂点を目指すのかと思いきや……、
「競歩もやってるんですよ。今どっちかといえば競歩をメインに練習してます。たまたま面白いかなと思って」と興味のおもむくままに競技を変えるのも、体を探求する達人ならではです!
「ボートとウェイトリフティング、競歩の3つの競技の全日本マスターズの
メダルが欲しくなって、あとは競歩のみ。簡単には取れないとおもうけどトライしてみたいなと思って」と前向きな水谷さん。
アスリートと整体師。日々自分と患者の体に向き合い続ける日々ですが、
互いによい影響を及ぼしていると水谷さんは話します。
自分も競技をして痛める。そして、自分でテープを貼って良くする。これが来店される方へのフィードバックになっているのだそうです。
年齢や痛みを理由にせず、ずっとチャレンジし続ける姿が印象的な水谷さん。前向きな姿勢に勇気をもらえそうですね。
関連記事:これまでの「ふるさとDays」はこちら!
文/きょうとくらす編集部
【画像・参考】きょうとDays(毎週月~金曜日17:35~18:00) – KBS京都
※この記事は、202311月23日(木)放送時点の情報です。