KBS京都で放送中の『京都浪漫~悠久の物語~』。
今回は、2023年11月12日(日)に放送された『建仁寺と塔頭寺院の紅葉と名宝』から『建仁寺』の元内閣総理大臣が描いた襖絵をご紹介します。
建仁寺の襖絵に描かれた“八景”とは
![建仁寺](https://kyotokurasu.jp/uploads/2024/01/f88bb23fd64e6473a81947abb195d930.jpg)
京都市東山区にある建仁寺。建仁寺の見どころの一つが、多くの芸術家が奉納した作品です。
![大書院](https://kyotokurasu.jp/uploads/2024/01/67d2815f8cf8d894888adccf9d0966a4.jpg)
建仁寺の本坊に昭和15年(1940年)に控えの間として建てられた『大書院』。
![達磨図](https://kyotokurasu.jp/uploads/2024/01/48c9834f6e374d0bc8599af26196cafe.jpg)
床の間には、第79代内閣総理大臣も務めた細川護熙さんが描いた『達磨図』が掛けられています。
![細川さん描いた襖絵](https://kyotokurasu.jp/uploads/2024/01/2fd63c45b44588d38734046515bb890a.jpg)
さらに、細川さんは建仁寺を開いた栄西禅師の生誕880年を記念して、それまで白地だった大書院の襖12枚に表裏24面の襖絵を描いて奉納しました。
襖絵の題材として選ばれたのは、中国の山水画の伝統的な画題『瀟湘八景図(しょうしょうはっけいず)』です。“八景”とは……、
![山市晴嵐](https://kyotokurasu.jp/uploads/2024/01/f50b1b440b1db5665a877654d9e37b7b.jpg)
山里が霞に煙って見える風景の『山市晴嵐(さんしせいらん)』。
![遠浦帰帆](https://kyotokurasu.jp/uploads/2024/01/d17cbff3081f375656f246eab060f7c5.jpg)
夕暮れどきに帆かけ船が戻ってくる様子を描いた『遠浦帰帆(えんぽきはん)』。
![漁村夕照](https://kyotokurasu.jp/uploads/2024/01/c19de2d90088b68711bef0dd6340739c.jpg)
うら寂しい漁村の夕景を描いた『漁村夕照(ぎょそんせきしょう)』。
![烟寺晩鐘](https://kyotokurasu.jp/uploads/2024/01/869e72cc0a271df9ac82019729727661.jpg)
宵闇迫る頃、遠くの山寺から鐘が響き渡る情景を描いた『烟寺晩鐘(えんじばんしょう)』。
![瀟湘夜雨](https://kyotokurasu.jp/uploads/2024/01/85b4f57a8e980ba56221915819d978fb.jpg)
しとしとと降る夜の雨の情景を描いた『瀟湘夜雨(しょうしょうやう)』。
![洞庭秋月](https://kyotokurasu.jp/uploads/2024/01/aa1cb802df63b178be8a832596f9a427.jpg)
湖上に浮かぶ秋の月を描いた『洞庭秋月(どうていしゅうげつ)』。
![平沙落雁](https://kyotokurasu.jp/uploads/2024/01/333c5b83c3016eed455e00c0d7fcb650.jpg)
干潟に雁が舞い降りるところを描いた『平沙落雁(へいさらくがん)』。
![江天暮雪](https://kyotokurasu.jp/uploads/2024/01/be85dd8587f837dee1312b0c84ae2b44.jpg)
日暮れの山の上に雪が降り積もるさまを描いた『江天暮雪(こうてんぼせつ)』の8つです。
![大書院_襖絵](https://kyotokurasu.jp/uploads/2024/01/bfb6818a52a3496f4b0f0dbed1810fbb.jpg)
繊細なタッチの水墨画の制作期間はおよそ1年。令和3年(2021年)から大書院の空間に侘びと寂びの趣を添えています。
今もなお多くの芸術家が作品を奉納し続けている建仁寺の本坊は、美術館とも言えるでしょう。ぜひ足を運んでみてください。
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文/西門
【画像・参考】京都浪漫~悠久の物語~(第1・2週 日曜日 21:00~21:55/再放送 第3・4週 日曜日 21:00~21:55) – KBS京都
※この記事は2023年11月12日(日)放送時点の情報です。