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今回は、2023年5月2日(火)の放送から、竹工芸を製造販売する『横山竹材店』と『TAKENOKO』をご紹介します。
京銘竹を作る「横山竹材店」
『横山竹材店』は、京都の文化財や寺社仏閣で見かける竹垣、茶道具や照明器具、小物入れなど、竹工芸を製造販売しています。
竹は世界中に1,000種類以上ありますが、そのおよそ半数が日本で自生していると言われています。そのため、竹は古来より日本人にとって馴染みの深い素材だそうです。
“京銘竹”という京都で生産される建築や装飾品などに用いられる竹材を『横山竹材店』では作っています。
京銘竹・白竹(しらたけ)は青い竹を火であぶり、天日で干すと出来上がります。青い竹は置いておくと変色し腐ってしまいますが、白竹にすることでこのままの美しさが保たれ、インテリアなどに使われます。
京銘竹はほかにも3種類あります。
図面角竹(ずめんかくちく)は、硫酸と土を混ぜたものを、竹やぶに生えている竹につけていき、表面を火傷させることで柄をつけます。
もう一つは竹の表面にごま模様が浮かぶ、錆竹(さびたけ)。5年ほど育った竹の枝葉を切り落とすことで模様が浮かび上がるのだそうです。茶道具などに使われます。
最後の一つは亀甲竹(きっこうちく)。この竹ばかりが自生している竹林があり、花器などに使われます。
京銘竹として扱われるためには京都ならではの“油抜き”と呼ばれる仕立てが必要です。油抜きは竹に含まれる油分を取り除き、竹の美しさや耐久性を高める技術です。
1本1本丁寧に作業すると徐々に鶯色になっていきます。
その後、2週間天日干しすることで写真の一番右のような色味になり、腐りにくく加工しやすい京銘竹が生まれます。
京銘竹から犬矢来を作る
京町屋などでよく見られる犬矢来(いぬやらい)という竹垣があります。犬矢来を作るところを見学させていただきました。
まずは、菊割りという道具を竹に垂直にあてがい、力を加えて竹を割っていきます。
割った竹を節を揃えないように配置し、手作りの鉄釘を打ち込み、犬矢来の形を作り上げていきます。
何気なく見かける犬矢来ですが、京銘竹の美しさや職人の技術が詰め込まれています。
【詳細情報】
横山竹材店
住所:京都府京都市上京区甲斐守町108
横山竹材店のショップ「TAKENOKO」
『横山竹材店』のショップ『TAKENOKO』では、京銘竹を使った竹籠作り体験ができます。
3種類から作るものを選ぶことができます。竹ひごを使用し接着剤は使いません。
こちらの体験は、普段工芸品を作っている職人に手解きを受けられるため、大変人気だそうです。
竹ひごを編んでいき、およそ40分で完成しました。竹ひごがしなるので、素直に形になってくれるそうですよ。
京都の伝統工芸に欠かせない“京銘竹”。京都ならでは技法で作られた材質で作られる竹籠はとっても美しいものですね。ぜひ皆さんも『TAKENOKO』に足を運んでみてくださいね。
【詳細情報】
TAKENOKO
住所:京都府京都市上京区亀屋町155
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文/きょうとくらす編集部
【画像・参考】京都画報(毎月第1火曜日 20:00~20:55) – KBS京都
※この記事は、2023年5月2日(火)放送時点の情報です。詳しくは店舗へお問い合わせください。