KBS京都で放送中の『京都浪漫~悠久の物語~』。
2023年7月9日(日)に放送された『狂言師と巡る能楽ゆかりの地~御香宮神社・因幡堂・豊国神社〜』をご紹介します。
徳川家と縁の深い「御香宮神社」
京都市伏見区にある御香宮神社は、名水の町・伏見のパワースポットとして知られています。
御香宮神社までは、京阪電車 『伏見桃山駅』、近鉄電車 『桃山御陵前駅』、JR 『桃山駅』からいずれも徒歩およそ5分です。
豊臣秀吉が伏見城築城に際して城内に勧請したのち、徳川家康が元の場所に本殿を造営。鳥羽伏見の戦いでは薩摩藩の屯所となりましたが、幸い戦火は免れました。
本殿と徳川光圀の父・頼房が江戸時代に伏見城の大手門を拝領して寄進した表門は、国の重要文化財に指定されています。
神社の主祭神は“安産の神さま”ともいわれる神功皇后(じんぐうこうごう)。
平安時代、境内から香りのよい水 『御香水(ごこうすい)』が湧き出たことから、清和天皇より『御香宮』の名を賜ったと伝わり、ゆかりのある徳川家が産湯として使ったとされています。
秀吉が建てた能舞台と600年続く「御香宮神能」
京都には、境内に能舞台がある神社やお寺が数多くあります。御香宮神社もそのひとつです。
この能舞台を建てたのは、能をこよなく愛した豊臣秀吉。江戸時代に壊れてしまいましたが、明治11年(1878年)に再建されました。
ここで毎年9月に行われているのが『御香宮神能』。猿楽奉納を起源とし、600年ほど前から続く京都の秋の風物詩のひとつです。
蝋燭を灯して演じることから『蝋燭能(ろうそくのう)』とも呼ばれます。
『御香宮神能』は夜に行われるため、能舞台の周りに蝋燭台を立てて照明にし、能や獅子舞、狂言が奉納されるのだそう。
新型コロナの影響で中止が続いていましたが、2023年9月に4年ぶりに開催を予定しています。
歴史ある『御香宮神能』を観ることができるなんてとても貴重な機会ですね。能や狂言を観たことが無い人もぜひ一度を観に行ってみてはいかがでしょうか。
文/中村ゆか
【画像・参考】京都浪漫~悠久の物語~(第1・2週 日曜日 21:00~21:55/再放送 第3・4週 日曜日 21:00~21:55) – KBS京都
※この記事は、2023年7月9日(日)放送時点の情報です。