KBS京都で放送中の『京都浪漫~悠久の物語~』。
2023年10月1日(日)に放送された『京都 花ごよみ~妙蓮寺・楊谷寺・勝林寺・八大神社~』から、“八大神社”についてご紹介します。
宮本武蔵が決闘前に立ち寄った「八大神社」
京都市左京区一乗寺。東山にさしかかる道の脇にある松の木のそばには記念碑が建ち、“宮本 吉岡 決闘の地”と刻まれています。
江戸時代の初め、宮本武蔵が吉岡道場の一門数十人と決闘を行ったと伝わる場所です。
ここは近江と京を結ぶ平安時代からの交通の要衝。古くから旅人の目印として植えられた松は『一乗寺下り松』と呼ばれ、現在五代目に当たります。
宮本武蔵の決闘を見下ろしたという初代の松の古木は、東へおよそ300mのところにある『八大神社』の境内で見ることができます。
“宮本武蔵 悟りの地”とされる八大神社。吉岡一門と闘った“一乗寺下り松の決闘”に先立ち、武蔵が立ち寄った神社として知られています。
境内には決闘当時の下り松の古木が祀られ、そばには若き日の宮本武蔵の像が建っています。
八大神社までは、叡山電鉄『一乗寺』駅から徒歩およそ10分、市バスの『一乗寺下り松町』のバス停からは徒歩およそ7分です。
季節の彩りを先取りする「三色紅葉」と「淡墨桜」
八大神社は、季節の彩りを少しだけ先取りすることでも知られています。本殿の東にあるのが『三色紅葉(さんしょくもみじ)』。
毎年11月上旬からと早めに色づきはじめ、中旬には赤・黄・緑のグラデーションが鮮やかな見頃の時期を迎えます。
こちらは国指定の天然記念物『淡墨桜(うすずみざくら)』。
ソメイヨシノより少し早くに咲き始め、満開を過ぎると、花びらの色が薄い墨色に変わることから、その名が付けられました。
フルーツが浮かぶことも♡ 週替わりの“はなてみず”
そして、いま話題となっているのが、新型コロナウイルスの蔓延をきっかけに始められたという花手水。こちらでは“はなてみず”の名で親しまれています。
毎週花を入れ替えているというこちらの花手水は、参拝者からも「お参りの度に楽しみがある」と好評。
花の美しさは万国共通であることから、海外の方にも楽しんでもらえているそうです。
最近は、花を入れ替えたタイミングでSNSが更新され、この“はなてみず”を目当てに神社を訪れる参拝者も多くみられると言います。
野山の華やぎを少しだけいただき、訪れる人々の目と心を癒してくれる花手水。
コロナ禍を機に定着した新たな花の文化は、今もなお各地のお寺や神社に広まり続けています。
花手水はお寺や神社によって、様々な創意工夫がなされています。寺社仏閣を訪れる際には手水舎をチェックしてみてくださいね!
文/中村ゆか
【画像・参考】京都浪漫~悠久の物語~(第1・2週 日曜日 21:00~21:55/再放送 第3・4週 日曜日 21:00~21:55) – KBS京都
※この記事は2023年10月1日(日)放送時点の情報です。