KBS京都で放送中の『きょうとDays』。
今回は、2024年3月28日(木)に放送された『ふるさと Days』コーナーから、与謝野町で開催された日本絵画展をご紹介します。
与謝野町で開催された「日本画の絵画展」
2024年3月16日(土)と17日(日)、京都府与謝野町で絵画展が開催されました。
今回の展覧会では、日本画の三大画展と言われる『日展』や『創画展』で活躍している9人の作家の作品を23点展示。
京都府北部の地方ではあまりない大きなイベントに、地元の方々の注目が集まります。
この展覧会は、『カレイドアートギャラリー』というグローバルな活躍を目指す作家が集まる団体が開催。
日本画を制作するワークショップや、作家との交流イベントなども開かれました。
作家代表である京都市生まれの作家・片山侑胤(ゆういん)さん。
「このイベントをきっかけに、日本画という良さをたくさんの方に知ってもらいたい。そして、美術という裾野を広げたい」と話します。
片山さんと与謝野町との縁が生まれたのは、2013年に町内の住宅に襖絵を納めたことがきっかけだったんだとか。
与謝野町に足を運びながら、大江山の四季を描いた17面の襖絵を5~6日間ほど足を運び、10カ月近くかけてデッサンして仕上げたそうです。
襖絵の制作を機に与謝野町へ通うことも増えて、いつしか与謝野町に恩返しがしたいと思うようになった片山さん。
絵画展を開くならまず与謝野町と考えたそうです。
日本画の基本を学べるワークショップ
イベントでは、作家たちから直接日本画の手ほどきを受けられるワークショップも開催。
京都市内に住む小学生から地元のお年寄りまで、幅広い年代の人たちが参加しました。
日本画は、画材に天然素材を用いているのが特徴のひとつ。例えば絵の具の場合、鉱物が原料の岩絵の具や、砕いた貝殻と顔料を組み合わせた水干(すいひ)絵の具などを使用。
それらに動物性のゼラチンである膠(にかわ)を混ぜ、絵の具を作るのです。
それぞれの絵の具は完全に溶け切らない性質があり、粒子の大きさも違うため、用途によって使い分けて日本画の作品を完成させていきます。
また、“日本画の基本は写生から”ということで、今回のイベントでは地元で採れた野菜たちがモデルに。慣れない日本画に多くの参加者たちが悪戦苦闘しながら臨んでいました。
描き上げた作品は、専用の掛け軸に貼って展示会場へ! 参加した人は「きれいに描けてよかった」「いい体験になった」と満足している様子でした。
また、期間中は日本画に限定せず小学生から高校生までの作品も募っていて、福知山市の中学生のデッサンも展示されました。
『カレイドアートギャラリー』では、若い世代の育成も図っておりイベント自体を披露の場として活躍してもらうことも狙いのひとつです。
創作秘話を聞ける「ギャラリートーク」
展覧会では、創作時の思いや背景などを聞くことができるイベントも。作家と来場者が1つの作品を通して触れ合う姿が見られました。
来場者の方は「普段、直接作家さんの話を聞ける機会がないので貴重な経験ができた」と話します。
作家側も「自分の考えや可能性が凝り固まってくるものなので、自分も頑張ろうと思った」という声があがりました。
「美術に親しんでほしい」という一人の作家の出会いと恩返しから始まったこの展覧会。日本画の可能性はこれからも広がっていきます。
作家代表の片山さんは、「日本画にはこれだけの力があると再確認できた。一度きりじゃなく継続して展覧会を開いていきたい」と話します。
今後も日本画を通して美術の楽しさを広げていってほしいですね。
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文/sumire
【画像・参考】きょうとDays(毎週月~金曜日17:35~18:00) – KBS京都
※この記事は、2024年3月28日(木)放送時点の情報です。詳しくは店舗へお問い合わせください。