家計簿をつける人
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【FPが解説】今こそやるべき! 「家計支出の振り返り」

「頑張りすぎないマネープランで夢の実現を!」がモットーのCFP(R)認定者(ファイナンシャル・プランナー)・八束和音です。

連載『FP八束の「お金とくらす」』では、子育て世帯が知っておきたい“お金にまつわる知識や情報”をご紹介します。

2024年もあとわずか……何かと慌ただしい時期ですが、一年間の支出について振り返っておきたいですよね。使ったお金を振り返ることで節約のポイントがわかり、来年の家計計画も立てやすくなるはず。そこで今回は、“支出の振り返り方のコツ”について、FPである筆者がお伝えします。

一年の家計を総点検しよう

家計簿をつける人
画像:mapo_japan/Shutterstock

「家計簿はつけているけど、つけっばなし」「家計簿をどう使っていいかわからない」という声をよく耳にします。せっかくつけた家計簿、上手に活用して総点検をしてみましょう!

まずは一年間の振り返りの手はじめに、“食費・住居費・水道光熱費”など日常的に出ていくお金と、“家電や車の買い替え”や“旅行”などの特別支出に分けてみましょう。そして、それぞれの年間の合計額を12で割って1か月の金額を計算します。

その後、“食費”や“水道光熱費”といった項目別に同様に計算してみましょう。「こんなに使ってるの!?」という項目があれば、それが節約すべきポイントとなります。

また、各支出の把握は家計簿アプリを使うと、簡単に集計できるのでとても便利◎ 「集計作業が面倒……」という人は、一度トライしてみるのもおすすめですよ。

使ったお金をどう把握する?

スマホで家計簿をつける女性
画像:maruco/Shutterstock

「家計簿は全くつけていない」という人は、一年間に使ったお金の総額を把握することからはじめてみてください。使ったお金は、手取り年収(収入から所得税・住民税・社会保険料を除いたもの)から、一年間で残ったお金(貯蓄額)を差し引くことで簡単に計算できます。例えば、手取り年収が400万円で残ったお金が50万円という家庭の場合、年間350万円を使っていることになります。

支出の総額が把握できたら、月々の支出をチェックしていきます。住居費、水道光熱費、通信費、保険料などの固定費は自動引き落としの場合が多いので、通帳の履歴から確認できますよ。さらに、食費や雑費、交際費などについても、大まかで大丈夫なのでいくら使ったかを整理してみてください。

ここに特別支出を合わせて、一年で使ったお金の総額と一致しなければ、その差額は“使途不明金”です。しっかりと家計管理することでスリム化できますよ。

各支出が適正かチェックする

1か月の各支出の金額がわかったら、下の表を参考に手取り月収に対する目標値に収まっているかどうか確認してみましょう。

代表的な支出項目の目標値
画像:きょうとくらす編集部

例えば、“食費”の目標値は手取り月収の15~20%。月収が30万円という家庭なら、4.5〜6万円が目安になります。物価がじわじわ上がる中厳しい面もありますが、できるだけ近づけられるように頑張ってみてください。

同様に、“水道光熱費、通信費、保険料”などの支出についても、チェックしてみましょう。例えば、水道光熱費は季節によってばらつきがありますが、平均額で5~7%が目安。通信費は、固定電話やインターネット、家族全員のスマホ代、タブレット第を合わせて5%以内に抑えるのが理想的です。さらに保険料は家族構成によっても変わりますが、学資保険や個人年金など貯蓄目的のものを除いた死亡保険や医療保険の保険料が5%を超えているようなら、見直しができる可能性も。

いかがでしたか? 目標値を大きく超えているなら、スリム化できる可能性が高いので、来年の“重点見直し項目”として考えてみましょう!

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文/八束和音(CFP認定者)

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