「頑張りすぎないマネープランで夢の実現を!」がモットーのCFP(R)認定者(ファイナンシャル・プランナー)・八束和音です。

連載『FP八束の「お金とくらす」』では、子育て世帯が知っておきたい“お金にまつわる知識や情報”をご紹介します。
「賃貸住宅では手狭になった」「子どもの小学校入学前に家が欲しい」など、子育て世帯がマイホームの購入を考えるタイミングはさまざま。購入後は家計が大きく変化するため、しっかりお金のことを考えておきたいですね。そこで今回は、子育て世帯の住宅購入のポイントをご紹介します。
なぜお金の見直しが必要?

マイホームは教育・老後後資金と並び、“人生最大級”の買い物。とりわけ、子育て世帯は今後の教育資金の負担増も意識しながら、住宅購入後に貯蓄ができなくなる……ということがないように気をつけたいですね。
また、「借りられる住宅ローン=返せる住宅ローン」ではありません。一般的に、借入可能額は世帯年収によって決まります。しかし、同じ年収でも家族構成などによって、適正な返済額は違うはず。欲しい物件に対してローンが組めるからといって、無理なく返していけるということではありません。
住宅購入時に持っておきたい“3つの視点”

住宅購入にあたっては、以下のポイントを押さえておきましょう。
1:購入にかかる諸費用
資金計画を立てる上で見落としがちなのが、住宅購入時にかかる諸費用です。登記や税金、各種手数料など各種手数料などが必要になります。新築で物件価格の3~7%、中古で6~10%の諸費用が目安になります。
2:購入後にかかる費用
購入後にかかるランニングコストも意識しておきましょう。賃貸ではなかった「固定資産税」がかかり、マンションの場合には「維持管理費」「修繕積立金」などの負担も。また、火災保険や地震保険に加入するなど、様々な費用が発生します。
3:家計簿の変化
購入後は家計簿にも変化が生じます。住宅の面積が広くなれば、水光熱費はアップする傾向に。また、郊外に家を購入した場合、交通費が増えることもあります。その一方で、団体信用生命保険への加入により、保険料を減らせることも。購入前後で家計簿がどう変わるかをイメージしておきましょう。
余力のある資金計画を立てる

子どもの成長とともに教育費の負担は大きくなりますが、特に大学進学時にはピークを迎えます。住宅ローン返済と重なっても大丈夫なよう、資金計画に当たっては以下のことを意識しておきましょう。
1:しっかり頭金を入れる
住宅購入時には1~2割の頭金を入れることが理想。しっかりと頭金を入れることによって、資産と負債のバランスを保つことができます。失業や年収ダウンなど予期せぬ事態が生じても、住宅を売却してローンの返済に充てる……といった対応も可能になります。
2:ボーナス払いをあてにしない
「ボーナス返済」を低く抑えておくこともポイント。毎月払いが基本となる資金計画を立てておけば、ボーナスを教育費に充てることができます、また、業績悪化でボーナス出ないといった事態にも慌てなくてすみそう。
3:税制のバックアップ制度の活用
住宅ローンを組んでマイホーを購入すると、住宅ローン控除を受けることができます。税金の還付は家計には組み込まず、将来のリフォーム等の出費に備えて貯めておくとよいでしょう。
FP・八束のひとこと
めいっぱいローンを組んで「教育資金が捻出できない」ということのないよう、余力を持った資金計画を立ててくださいね。
関連記事:【FPが解説】子どもに教えておくべき「お金のこと」3つ文/八束和音(CFP認定者)
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