KBS京都で放送中の『京都浪漫~悠久の物語~』。
今回は、2023年11月12日(日)に放送された『建仁寺と塔頭寺院の紅葉と名宝』から『建仁寺』の“庭園”をご紹介します。
建仁寺の枯山水庭園
京都最古の禅寺・建仁寺。拝観者にとって“庭園”も大きな見どころになっています。
中国・百丈山からの雄大な眺めを表すことから『大雄苑(だいおうえん)』と呼ばれる方丈の南庭は、塀の外に見える法堂を借景とする枯山水庭園です。
海を二度渡るという大変な修行ののち、中国・百丈山の禅寺を模して建仁寺を造営した栄西禅師の世界観を表現するかのように、沖から磯に白波が押し寄せるかのごとく、一面に白砂が敷き詰められています。
読み方に戸惑う「○△□乃庭」
続いて、建仁寺の少し変わった名前の庭。方丈から大書院に向かう途中、小書院の南側には、読み方に戸惑う変わった名前の庭、『○△□(まるさんかくしかく)乃庭』があります。
江戸時代の禅僧・仙厓義梵(せんがいぎぼん)作の掛軸『〇△□』から着想を得て、北山安夫が作庭しました。
“この世の全ては〇△□で表せる”という思想があるそうで、苔山と波紋部分が“○”を表現し、
盛られた白砂が“△”を、
さらに井戸が“□”を表現しています。
正面は一人ひとり異なる「潮音庭」
小書院と大書院、渡り廊下に四方を囲まれた『潮音庭』も『○△□乃庭』と同じく北山安夫が作庭し、2005年より公開されている枯山水庭園です。
360度廊下に囲まれ、どこから見ても美しくなるよう作られた庭。訪れた人々が廊下をぐるぐる回って各々の正面を見つけるのだそうです。「一番きれいだと思ったところで初めて正面が決まり、初めて裏側ができて、それによって皆さまの心も仏になっているでしょうというのが、この庭のコンセプトです」と建仁寺の内務部長・浅野俊道さんは話します。
このお庭には他にも見どころがあるそうです。
「時間や季節、天候、参拝者の心の状態によっても、庭の見え方が変わります。そのときどきの一番きれいな場所を見つけていただけたらと思います」と浅野さんは話します。
紅葉の季節には、絶好の撮影スポットにもなる『潮音庭』。自分自身の心を見つめに訪れてみてはいかがでしょうか。
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文/西門
【画像・参考】京都浪漫~悠久の物語~(第1・2週 日曜日 21:00~21:55/再放送 第3・4週 日曜日 21:00~21:55) – KBS京都
※この記事は2023年11月12日(日)放送時点の情報です。