田辺城の戦いで功績をあげた「桂林寺」【舞鶴市】

KBS京都で放送中の『京都浪漫～悠久の物語～』。
今回は、2023年12月3日（日）に放送された『天才武将に思いを馳せる旅～長岡天満宮・桂林寺・天授庵・舞鶴公園～』から『桂林寺』と舞鶴の新鮮な海の幸を味わえる『凡愚（ぼんぐ）』をご紹介します。

籠城戦に参じた「桂林寺」

『田辺城の戦い』にまつわる逸話は舞鶴の各地に残っています。愛宕山の麓、舞鶴公園のすぐ近くにある桂林寺もその一つです。

桂林寺までは、JR舞鶴線もしくは京丹後鉄道宮舞線の『西舞鶴』駅から徒歩およそ10分です。

山門は、享保2年（1717年）の建立。境内と山門の楼上が渡り廊下で繋がっている珍しい形式なのは、楼上が仏殿になっているためです。

内部には『釈迦三尊像』があります。そして『十六羅漢像』が安置されています。

山門の楼上からは舞鶴の街並みが一望できます！

本堂にあたる法堂の内部には左右に唐獅子の像があり、内陣中央に本尊の『阿弥陀如来像』が安置されています。

本尊の横にも立派な仏様がいます。高さおよそ5mにも及ぶ『十一面観音菩薩立像』です。2014年、現代の名工として名高い仏師、松本明慶氏の手によるものです。

本堂の向かいに位置する『鐘楼門』は、昭和10年（1935年）に再建された中国風の竜宮門形式です。楼上にある梵鐘は、細川幽斎が寄進したものです。『田辺城の戦い』の際、住職以下十数名が籠城戦に参加。その褒美として下賜されたと伝わります。

そしてもう1つ、田辺城の戦いの功績に対して細川家から寄進された寺宝があります。通常は非公開ですが、特別に撮影させていただきました。

それが、縦およそ4m、横およそ2.5mという大きな『仏涅槃図』。釈迦の臨終の様子を表したこの仏画は毎年2月1日から15日までの涅槃会に合わせて一般公開されています。

桂林寺は禅宗寺院として七堂伽藍を備え、かつては中本山と呼ばれた格式あるお寺です。禅にも精通していた細川幽斎もたびたび通っていたのではないでしょうか。

田辺城の戦いに、お寺からも参戦したという逸話は、舞鶴の人たちが、いかに幽斎を慕っていたかの証といえるでしょう。

幽斎の名を冠した仕出し料理『幽斎八寸』を提供するお店があります。田辺城址のすぐ近くに店を構える『凡愚（ぼんぐ）』です。

『幽斎八寸』は、幽斎の生きた時代も味わっていたであろう舞鶴の海の幸、山の幸を器に詰め込んだ舞鶴自慢の料理だそうです。
※仕出し料理のため店舗では提供していません。

店内では、まさに舞鶴ならではの、獲れたての海の幸を味わうことができます。

おすすめは『日替わり地魚海鮮丼』。若狭湾や舞鶴湾で獲れた新鮮な魚介をふんだんに使うこの海鮮丼は、その日の水揚げによって内容が変わるそうです。

海の幸や山の幸、豊富な舞鶴の食材に、幽斎も舌鼓を打ったのでしょうね。

文／西門